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Book Memo

■我孫子武丸さん作品

我孫子武丸「8の殺人」講談社文庫

私の遠い記憶によると、私がいちばん最初にいわゆる新本格に触れたのが、この本だったと思います。私はもともとミステリー好きではありましたが、国内ミステリーは当時赤川次郎、西村京太郎、内田康夫等々のタイプか、さもなければ一足飛びに江戸川乱歩とか横溝正史とかしか知らんかったのです。それで国内は全然読まないでクリスティとかクイーンとかの有名どころをほろほろと読んでたんですよね。で、ある日、ミステリーが好きなら…と友達から借りたのが多分「8の殺人」だったんだと思います。そのお友達は「新本格っていうのがあって…」と大雑把に説明もしてくれたような記憶が。でも彼女自身はそんなに本格色豊かなミステリーは好きではなくてアヤツジとか島田荘司とかはあんまり好きじゃなくて、唯一好きだったらしいのが本格だけどユーモアミステリだった安孫子さんだったと。

いまの講談社系ミステリーは本当に力技、怪力作品が多くて、当たりか外れか大博打!みたいな感じがありますが、このころの作品はもう少し小粒なものが多くて、気楽に楽しめるものもありました。なかでも安孫子さんのこのシリーズは、楽しいという意味では群を抜いていますね。特に私はこの8の殺人から始まる速水3兄弟のシリーズが大好きで。3作で終わってるのが本当残念です。短編が一本あったという話も聞いてますが、それは読んでないし。必ず探偵にはまる私は当然、次男慎二が好きです(笑)。

(2001.8.1)

我孫子武丸「0の殺人」講談社文庫

速水3兄弟シリーズ2作目。8の殺人で、小粒で気楽に楽しめるとか書きましたが、思い出してみれば、この「0の殺人」はその後の講談社系ミステリーのトリックというか仕掛けの傍若無人さを先取りしているかもしれないです(笑)。この本はバカらしさではなかなかにすごいものがあります、そういえば(笑)。

でも、バカらしい傍若無人な仕掛けを大真面目な顔をしてどシリアスにやられると萎えるけど、もともと、このシリーズはスラップスティックミステリー(解説にそう書いてある。言いえて妙ですよね)なので、バカらしくても私は全然気になりません(笑)。そういうのはありますよね。私は、わりとまっとうにミステリーな「8の殺人」よりもこちらの方が好きです。

(2001.8.1)

我孫子武丸「メビウスの殺人」講談社文庫

速水3兄弟シリーズ3作目にして今のとこ最後の作品になってます(先が出ることはもうありえないですか…?(^^;;)。安孫子さんの代表作と言えば、だいたい「殺戮に至る病」ということになっているようですが、私的ベストワンは絶対にこの「メビウスの殺人」です。なんとゆーか、大好きなのです。こっちの方が面白い!とかそういう客観的な視点とは関係なく、やたらと好きなのです。感情的に(笑)。

この作品のどこが私のツボにはまっているのか。実は私自身もよくわかりません。この手のサイコなネタが新鮮だったのかなぁ?可能性はありますよね。当時は私は読んだことなかったかもしれません、この手のサイコミステリーは。うーん…いや待て。サイコミステリーなら「殺戮に至る病」がいちばんすごいんですけど、「メビウスの殺人」は、メタじゃない普通のミステリーの骨子とメタに至るかもしれないサイコのバランスがすごく好きなんだと思います。多分。うん、「バランス」と言うのがいちばん大きいような気がします(…思いきり考えながら書いてるし/笑)。

あ、そうそう。慎二が探偵として、犯人にかなり強く認識されているのがかなり私のツボを押しました(笑)。探偵が素直にかっこよかったり超人的だったりするのが好きな私でして(笑)、慎ちゃんは本来フツーの人なので物足りない部分もあるんですね。でもそれが、「きゃvv 犯人視点の慎ちゃんたらカッコイイ!!」と、解消されたシーンです(笑)。

(2001.8.1)

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