■綾辻行人さん作品
館シリーズ2作目。初読の記憶は完全に飛んでます(笑)。そんなに強い印象は持ってなかったのは確かです。でも、再読しまくったあとの感想としては、かなり好きな作品です。トリックはまぁ、「こんな感じかな」という印象なんですが、最後の落ちが好きです。あの手の「余韻」はミステリーとしてはアウトとされてしまうことも多いようですが、私は解けきれない世界の闇みたいなのがむしろ好きで。綾辻さんはときどきこういうのを見せますが、水車館の余韻は無理もなくて自然に決まっていると思います。
しかし、綾辻さん得意のどっぷり重い主人公の語りが、しみじみと場を暗くしてくれます(笑)。でも十角館の感想でも書いたとおり、まさにこの雰囲気こそが「アヤツジ!」って気がして好きなんですね。そういう意味では水車館は、その後時計館につながっていくアヤツジワールドが小粒ながら炸裂してまして、好きです。ずっと家の中にこもりきりの由里絵は時計館の永遠(とわ)と同じモチーフの美少女ですよね。この作品を好きか嫌いかで、その人がアヤツジワールドに馴染めるかがわかる気がします(笑)。
(2001.7.14)
館シリーズ3作目。これも初読の記憶ないです。
館シリーズではいちばんパズルっぽい気がしますです。細かい技があちこちにたくさんしかけてあるって感じで。アヤツジワールドはさほどではないですが、読んでて楽しい作品です。でも、私的には、読み返してみると「面白い〜vv」と思うんですが、それ以外のときにはけっこう忘れちゃう作品でもあります(笑)。他の館に比べてインパクトには欠けてるのかも…。
(2001.7.14)
館シリーズ4作目。初読のときには、たしか賛否両論の噂だけはおぼろに聞いていたような気がします。でもって「そんなたいしたことないじゃん。これ、ミステリー的にアウトなの?」と疑問に思ったことは覚えています。ので、私的にはアウトではなかったモヨウ。いまもアウトだとは別に全然思わないですが…。ただ、最近はメタミステリだらけですから、この時期の本格ミステリのルールの厳しさが記憶から失われてしまったからかもしれないですねぇ。当時はこの程度でもアウトかもしれなかったんだ…と思うと、なかなかに感慨深いかもしれない(笑)。
小暗い雰囲気が、よいです。このなんとも先行きのない行き止まり感が(笑)。
(2001.7.14)
館シリーズ5作目にして、第1部完。といっても当然通しのストーリーはないですから、「ひと区切り」ってだけで1部完結の意味はほとんどないよねぇ(笑)。
私にとって、綾辻最高傑作です。これの初読の記憶はとても鮮明です。あの、すべてが崩れ落ちる感じは本当に快感でした。しかし、変なところで親に「ご飯だよー」と邪魔をされまして、これ読んだ頃はとっくに大人だったんですが、子どものように「いま遊んでるの!!いいところなの!!邪魔しないで!!」と切実に思いましたねぇ…(笑)。それぐらい夢中になって読んだ本です。
綾辻さんがミステリーでやりたいことは多分この話(と霧越邸もですか)に集約されているのではないかと。その件に関しては、京極夏彦の「ウブメの夏」と関連付けて少し書いてみました。
この話を読めただけでもミステリー読んでてよかったなぁ…と思える作品のひとつです。
(2001.7.14)
館シリーズ6作目。某作品とトリックの基本ラインが同じでして、私は某作品を先に読んでいたうえに、時期もけっこう近かったため「…つい最近、こんなん読んだな…」という気がしてしまったのです。いや、ミステリーをずっと読んでるとそんなことはよくあることなんですが、これは時期が相当近かったので。とゆーわけで、なんだか不運な作品ですよね。そもそも霧越邸&時計館に続く作品というだけで、そうとう割を食うのは間違いないわけで…。
でも、いざ読み返してみると、かなりこまごまと技がしかけられていて、凝ってますよね。印象は迷路館に似ているかもしれません。
(2001.7.14)