■森博嗣さん作品
森博嗣さんデビュー作にして、犀川助教授&西之園萌絵シリーズの1作目。初読のときはどうも森さんの文章のリズムに慣れなくて、なんだかよくわからないままに終わったんですけど(当時まだインターネットをやっていなかったせいもあるかと)、何度か読み返していくうちにだんだん面白くなってきて…と積み重ねていくうちにご覧の通りはまってしまったという感じです。しかしよくわからないままに終わった…と言いつつも何度も読み返している辺り、初読のときからなにか引っかかってはいたんでしょうが。京極のようにそれがわかりやすくないので、読解力のない私は、ひっかかってるんだけど自分の中で具体的な形にできなかったという感じでしょーか。いや、それはいまもですね。なにがひっかかっているのか、どこを面白いと感じているのか、全然言葉にはできないみたいなので(^^;;
しかし、シリーズ10作読んだあとに読み返すと、これだけクセのあるFでもまだまだ薄いって気がするから面白いですね(笑)。後半の濃さに慣れちゃって(笑)。でも、最初は意味不明だった言葉が少しずつわかってくるような気がするのは面白いです。気がするだけなんですけど。多重人格のお話とかいろいろ最後まで読んでから読みなおすと改めて興味深いです。なんかありそうなんだけど理解できないから仕方なく読み流していたようなシーンが有限を読んだことで、意味を持ってくるといいますか。すごくおもしろいし、シリーズ全作を読み返せばまだまだ発見がありそうです。
ちなみに、デビュー前に書かれていたという4作の中ではFがいちばん好きです。
(2001.8.18)
S&Mシリーズの二作目。でも実質的な処女作だっていう話ですね。
正直そんなにぴんとこなかった話です(^^;;。けっこう人気あるらしいですね。地味だけど、きっちりまとまっているかもしれない。森さんも自分で言ってますけど、この作品は動機がわかりやすい…わけではないけど、わりとミステリーにありがちな動機に見える動機が存在しているってのが、珍しいなと私も思います。よくみると、こっそりそれだけではないと言っている部分がある気がしますが。でもあくまでこっそり、だし(笑)。それに、犯人さんがそーゆー雰囲気をそんなに持ってないので、ミステリーにありがちな動機のほうがすっきり来てしまう感じも。で、私は基本的に動機わかんなくてもいいんじゃないかなーと思ってるらしく(別にそういう主張ではないです)共感できなくても困らないので、ありがち(に見える)な動機があるのがちょっと引っかかるかも。
大人気の喜多先生ですが、喜多先生は私にとってはわりとどーでもいいタイプの男性…(笑)。実は読む前から喜多先生の存在は知っていたのですけど(女子ヲタ界ではありがち)、実際に読んだ印象は「ふーん…」という感じでした。でも、「あいつは意外に臆病なんだよ」だとか犀川先生に言われてたりするのはちょっといいですね。上司が犯人かもと疑っていっぱいいっぱいだったとあとで白状している辺りも(笑)。<本見ないで書いてるので、ニュアンスだけ(笑)。
(2002.10.30)
長いお話ですが、長さは感じませんでした。とてもおもしろかったです。私は犀川助教授が好きですが、ファンの多い喜多助教授が大量に出てたり、愉快な大御坊さんが出てきたり、国枝助手に金子くん、と研究室のメンバーも活躍して、かなりファンサービスの一冊だったような。「夏のレプリカ」「いまはもうない」と少しレギュラー陣が寂しいお話が続いてましたから単純に楽しかったです。ミステリーとしては森さんらしいですね。相変わらず価値観の根底を揺るがされるようなお話。異常と正常とはなにか、ひとりとはなにか、人間はひとつなのか…萌絵ちゃんがいろんな命題で悩んでいて、難しいお話ですよねぇ。ところで、あのラストシーンは……(汗)どう読めば……(汗)。悩むあまり妙な仮説を立ててしまいそうです。この本は読めば読むほど発見がありそうなので、すでに読み返したいです。
ところで、このお話のなかの犀川先生は楽しいですね〜。いろいろ痛そうな目にあってらっしゃいますが、ご本人がけっこう機嫌よかったりしてるので、「か、可哀想…」とかいうよりは「可愛いなぁこの人」という状態に。萌絵ちゃんは相変わらず軽率なんですが、結果的にはすごい役得。犀川先生の大立ち回りによる懸命の救助ですよ。萌絵ちゃんてば、おいしいなあ。
次で犀川助教授&萌絵ちゃんシリーズ終わりですか。楽しみですが、ちょっと残念なような。もっと読みたい気、まんまんなんですよね、いま(笑)。
(2001.7.25)
犀川助教授&萌絵シリーズ10作目にして完結。なんか「数奇にして模型」を文庫化をきっかけに、すごく読みたいようなでももったいないような複雑な気分でいたのですが、結局読みました。ああ〜なんだかお腹いっぱいな気分です。すごいお話でした。
森作品の特徴として、ミステリーの範囲内にとどまらない思索が大量にあるんですが…そうですねぇ、封印再度辺りからでしょうか、作品ごとのいろんな命題がいろんなところでリンクしていく感じがありました。それで、ミステリー的楽しみとそういう部分を読んでいく楽しみが私のなかでほとんど同等で並立するようになっていたんですが(いや、場合によっては後者の方を楽しんでたときもあったか…)、この話は特に後者が圧倒でしたね。圧倒的な緊張感でしたし。Fもそういうところが気持ちよかったんですが、間に8冊はさんで再び彼女がお話に女王として君臨しますと、本当にえらいことでした。最初から緊張感が違いましたものね。真賀田四季の存在感はすごい。
実はミステリーとしては、「…え?」と肩透かしを食った部分はかなりあったんですが、個人的には芝池さんさえいなければ納得できた気がします(笑)。真相を言われた瞬間…「え、だって芝池さんが」と真っ先に考えましたからねぇ…。でもそのあとが圧倒だったので、そんなのどうでもよくなりました(笑)。ミステリの仕掛けが云々なんて些細なことぞという気分になってしまうような展開…(とは言わないか)だったもので。
萌絵のシーン、犀川のシーン、どっちもすごいです。とても言葉で表現できない感じになってしまっていますが…うん、読んでよかったです。シリーズ全作を通して何度でも読み返したいですね、はい。
(2001.8.4)
森博嗣のエッセイ…というかホームページ上で公開されている森さんの日記98年版です。一冊目なので日記が最初から読める…と思ったら、変則的に98年→96年〜97年→99年という順番で出版されていたモヨウ。しまった…。順番変えて読めばよかった…。ホームページでちゃんと公開されているのでそっちで読めばいいんですが、さすがに分量がものすごいので、こんなんダラダラ読みつづけたらきっと目が変になって気持ち悪くなるだろう…と思って本で読みました(^^;;本当マメに更新されているわ、文章量は多いわで、森さんはすごい。
ぜんぜん期待してなかったんですが、kenちゃんの話が二度ほど出ました(笑)。一回目はなんとか・クリスティとか言われてるので(それはラクリマ。kenちゃんはラルク。でも間違えても仕方ないと思う…)無意味な話ですが、二回目のときには「今年の3月卒業したそうです。それ以上は秘密」と書いてあり、ラルクファン的にすごく貴重な情報(笑)。なぜならファンである私だって、kenちゃんが98年3月にきっちり大学を卒業していたとゆー事実を99年秋まで知らなかったからです。わりと多くのファンが「今も休学中?もしくは退学した?」と思っていると思いますもの。
hideちゃんのことも(名前は出てないが)ちょろっと書いてあって、テレビ見なくても新聞読まなくても情報というのは入ってくるものなのね…と思ったり。<って、私もテレビはあんまり見ませんが。
面白かったので2冊目もさくさく読もうっと。
(2001.8.10)
宣告どおりさくっと読んだ森さんの日記2作目です。96年〜97年のものですね。ご本人も書いているとおり、最初の方はわりとフツーの日記です(笑)。毒気も冗談も少なめで本当の日記ですが、その分読みやすいです。森さん特有の突飛な展開が少ないので。でも、そう考えると、わざわざ本で読むほどのものかと訊かれるとよくわかんない(笑)。でも、私は日記好きだし、森さん好きなので面白いし、3作目もまたまたさくっと読む予定です。
(2001.8.18)
新書と文庫が入り乱れてわけがわからない状態になってしまっていたんですけど、結局は文庫新刊を追いかけるつもりになったらしい森博嗣さん作品。第二短編集が文庫に降りたので購入しました。
実はあんまり短編というのは読まない人で。シリーズものなら読むんですが、本当に単発の短編はめったに食指が動きません。とゆーわけでこの本は珍しく読んだ短編集、という感じです。でもって面白かったです〜。冒頭からとてもきれいな作品で始まっているので(「小鳥の恩返し」)、「いろんな形でいろんな味のチョコをひとつずつつまんでいく」(ばーい有栖川、だったかな?(^^;;。適当です)っていう、なんだか私としては初めて短編集らしい楽しみ方ができたような(笑)。
こっそりハンターの冨樫義博が解説を書いてましてちとびっくり。この人はときどき「意外とフツウの人…」と思うんですけど、これも別にフツーの解説でございました(笑)。
さて次はいよいよVシリーズですね。楽しみ。
(2002.5.14)
Vシリーズ一作目。とりあえず主要人物たちの珍奇な名前の連発に目が行きますよね(笑)。名前だけじゃなくてキャラも突飛ですが。紅子さんのキャラが話を聞いていてもまったくつかめなかったんですが、読んでもやっぱりつかめませんでした(笑)。ミステリーとしてうんぬんは、今回はちょっと無理がないか?と思わなくもなかったんですが(あれじゃフツーはその場で捕まるのでは?)、実のところ状況をさっぱり把握できてないので、なんか私が読み落としてるのかもしれません。ていうか、もう最近はすっかりトリックだとかは気にしてなくて、森さん世界に浸っているだけなので、読みどころが全然違いますね(笑)。
でも、森さん作品を読みながらこういうことで「ぐああっ」とか言うのってなんかいろいろ突っ込まれそうでイヤなんですが、正直に言ってあの展開は「ぐあああああっ、そんな!!」という感じでした(^^;;。やっぱり基本的にキャラ読みしてるんですねぇ、私。しかもあの動機は初読時にはなかなかにシャープすぎて(笑)、いっそうショックを受けたようで、しばらく読み返しできませんでした。まぁ、浦賀さんの安藤直樹よりは全然いいけどねえ。でも、しばらく時間おいて読み返したらあの辺のやりとりはすごく読み応えあって面白いですね。
(2003.5.19)
Vシリーズ二作目。わりとみなさんさくっと犯人はわかっていたらしいですね。私は勘で「これかな」とは思っていたものの、例によって状況をちゃんと把握しないまま読み進めていましたので、どうしてこのひとなのかとかはさっぱりわかってませんでした(笑)。みんなちゃんと考えて読んでるんだなぁって感心します。ていうか、私が考えてなさすぎなんだけどね。
黒猫のときよりもキャラがだいぶ掘り下げられてきて、その辺の読みどころは面白かったです。つうか、最初から「林さんは浮気をして紅子さんと離婚」って情報は出てましたけど…まさかここまで本当の浮気だったとは。本当の三角関係だったとは。ちょっと林さん、他所に子ども作っちゃってたのかよ〜。イヤ、なんかいろいろまだ裏があるでしょうけど…でも現象面だけを見れば間違いなく本当に浮気だよなぁ(笑)。森版めぞん一刻と言われても別段違和感を覚えないぐらいのマンガ的設定だったので、こんなアダルティーに大マジの三角関係を形成しているとは思いもしなかったので、びっくりです。でもね、今のところ個人的に林さんがそんなにイイ男に見えないんですよ。なんで紅子さんがこの男にこんなに…って感じなんですよね〜。まだまだ林さんもいろいろ隠してそうなので、今後わかんないですけど。
で、このアダルティーな三角関係にまずビックリしてたんですが…もうそんなのをぶっ飛ばすような仕掛けがさらに転がっていました。あそこを読んだ瞬間「だああああああっ!!またかよ!!」みたいな(笑)。もうこの手は当然使えないはずと安心して読んでいた私がお人よしすぎでした…。もおおおおお!! まぁ前回よりははるかにマシですけどお…というか同じことやったらレギュラーでいられないけどさ(笑)。まぁでも衝撃が抜けてみればそれなりにおもしろい設定のような気もしてきました。
(2003.5.19)