■小野不由美さん作品
おなかいっぱいvvの十二国記短編集です。私はさすがに同人誌までは読んだことのない一読者に過ぎないので、読んだことのない話がたくさんで、おなかいっぱい幸せ〜vvという気分でした。
○冬栄
私が唯一前もって読んでいた作品。漣国主従が大変にほのぼのしています。この王様が登極したときにゃ、相当大変だったろうなぁ…。王様のみならず廉麟もほのぼのだしね。どうやって登極直後の朝廷を治めたのか読んでみたいです。
それと、私はどうも驍宗様とゆーのがよくわからずにいて。「風の海〜」のときに泰麒が驍宗を怖がっていたのが、どうも印象に悪いらしく(失礼…(汗))。でもこの話と「黄昏の岸〜」で、やっと少し驍宗の印象がすっきりした感じ。
○乗月
月渓の苦悩のお話(…)。なんとゆーか、十二国記って、わりとものの考え方を「おりゃっ!」とひっくり返してくれるところがあるんですが、この話もそうですね。峯王ちゅーのは民を刑罰でものすごい数殺した王なんですが…その王に対しての月渓の思いも寄らない愛着だとかそういう意外なのが次々に出てきて、王の姿も月渓の感情もひっくり返っていく感じ。そのひっくり返される感じが(内容はとても重たくてそんな言葉で済ませちゃいけないんでしょーが)気持ちいいというのはあると思います。でも、文章ひとつ、見方ひとつでこうなるか…という怖さもありますね。
○書簡
楽俊と陽子が楽しそうだと嬉しいなぁ…という人なので、この話は大変に幸せなお話です(笑)。
○華胥
才国の過去のお話ですね。この短編集のなかでいちばん重たくて考えさせられる話でした。乗月でも書いた、価値観がひっくり返っていく展開がこの話でも次々に炸裂してますね。でも、砥尚の失道に至る道ってのはなんだかいちばんつらい道のような気がします。峯王は民をそれだけ殺せば仕方あるまい。巧国の失道も仕方ないですね、嫉妬で陽子を殺そうとしたんだから。そもそも自暴自棄だったし。なんだっけ、陽子の前の慶王だって女を国から追い出すんじゃねぇ…と、わりといままで崩壊してきた国の王というのはある程度「過ち」とゆーのが目に見えるわけですが、砥尚のそれは、つらいですよね。要は「無能だったから」で決着してしまう。確かに言われてみれば、自分の頭で考えてなかったのかもしれない、理想の国を目指すには考えが安易過ぎたかもしれない、でも、それが実行できなかったとゆーのはやっぱり無能だったわけで、それって努力でどうにかなる部分なんでしょうか?その辺がとても難しいですよね。
でもって、責任とゆーことを言えば、砥尚の場合はちゃんと昇山してますんで、その意志があったので、民への責任とゆーのはあったんでしょう。でもってその場合は「無能であること」はそれ自体が罪といわれてもしかたないのかも。でも、あの世界ってわりといきなり自動的に王にされているときがあるじゃないですか。そんな感じでいわば勝手にいきなり、民への巨大な責任を負わされて、しかもその責任に対して「無能であること」が「過ち」とされ、「罪」となったら…ものすごくツライ気がするのですが。
この話の後半部分はもう少しじっくり読んで考えてみたい部分ではあります。
○帰山
おお!利広だ!お久しぶり!vv 私、彼はかなり好きなので大変嬉しかった次第です(笑)。内容は、華胥と合わせて読むとなかなかに諸行無常の響きありとゆー心境になれますが(爆)、利広もあの人も性格的に飄々としているので内容のわりには飄々と読めるかと(笑)。でも、利広はちょっとしんみりしてるので、私もちょっと諸行無常の響きを聞いてしまいましたが(^^;;。ところで、延王はやっぱりいずれ雁国を…(>_<;;なんて書いちゃ駄目なんでしょーか(笑)。でも、どこかでちらっと聞いたところによると「尚隆が雁を滅ぼすところまでは書かない」と小野さんがおっしゃっていたとゆー話なので、それは安心しちゃってもいいんですよね。ありうる未来でも、そんな悲しい世界は見たくない…というのが心情です。ずいぶん前からそれに関しては気になっていて勝手に気をもんでたので(笑)。
(2001.7.16)
○華胥
もういちど読んでみたら、「無能であること」を「正すことができる」ってこともちゃんと書いてありますね(^^;; 黄姑さまがおっしゃってましたですたい。やり直すことはできるのか、それは卵と鶏の関係に近いものがあるのでわ…と思ったりもするけど、そこまで行くともう理屈で説明できる範疇を超えますね。でも考えてみれば十二国記は常に「人は変わることができる」という話なので、やり直すことはできるのですね。あ、そーいえば。黄姑さまがその後采王になられているという事実がそもそも、「人は変わることができる」「運命は変わる」ということの証…になるかも。だって、砥尚が登極した時点で、すでに黄姑さまはちゃんといらっしゃって、でもその時点では王という運命を持っていなかった…ということになるもんなぁ。…ちょっと混乱。
采麟は本当痛ましかったです。せめて、死ななくてよかった。でも、失道というのはああいうふうに取り乱したりする病だとゆーことなんでしょうか?単に病み衰えていくだけでなく、過ちをつきつける病だとゆーよーな表記があったから。んじゃ景麒もこのようになったんでしょうかね…とかふと思いました。いや、采麟はそうだったってだけかもしれませんけど(^^;;
(01.7.17追加)
ご存知十二国記の小野さん。十二国記以前のシリーズということで一応悪霊シリーズという存在は知っていたわけですが。このタイトル、このイラスト、ピンクの背表紙、と誰もが引っかかるところで私も引っかかっており(笑)なかなか手を出す気になれませんでした(笑)。
小野さんの作品と言うことで見た目に騙されると痛い目をみるかもと思いながら読んだけど、この一冊目では全然痛い目は見ず(爆)。ああ、昔こういう少女漫画とかよくあったよね、という気分でさらっと読みました。文章も10年以上前にちょろっと立ち読みとかしていたティーンズハートだなぁと(さすがに買ったことはない)。一冊目ではナルの魅力もよくわからず(^^;;。美形と言われてもあのイラストが〜ときどきあるので〜困る〜の〜よ〜(ナルだけの問題ではなく、カバーをかけて電車のなかで読んでいても挿絵が入ると恥ずかしい…)。しかしいちばんつらいのはぼーさんでしょうね。一冊目ひげもじゃですぜ…。その後、注釈が入ったのか髭はなくなりますが、ごつい山伏みたいな路線は変わらない…。しくしく。
レギュラーキャラクターの顔見せという趣が強いせいか、事件となる学校の怪談もそんなに怖いわけでもなく、真相もわりとありがちかな…。今後味の出てくるキャラクターたちも最初は単にいやなしょうもないやつに見えます(笑)。綾子はともかくぼーさんでさえも「使えねぇ」印象(笑)。しかし、いざトータルで読み返してみるとすでにこの改行だらけのお元気少女の一人称文章の中に、山のように伏線が引っ張ってある、さすがの小野さんなのでした(^^;; さすが…(^^;;
ああ、そうそう。しょっぱなリンが怪我でリタイヤしていたので、その間抜けさからつい間抜け路線だと勘違いをしちゃって。読み返してみるとそんな間の抜けたことは全然書いてないんですけど、勝手に「出てきたとたんに怪我をしてリタイヤした人」というのが「間の抜けた人」と私のなかで変換されたらしく。二冊目でちゃんとリンが出てきたときにはあまりにも「間の抜けた人」から程遠かったのでビックリしました(笑)。
(2001.11.11)
悪霊シリーズ2作目。タイトルがこんな状況なので、どれがどの話だかすぐわからなくなるわけですが(笑)、これはお人形「ミニー」のお話ですね。展開そのものよりもミニーの悪事がちょっと怖かったです。でも小野さんっていつもそうかも…。人の悪意とか、「よくここまで書くよなー」的に怖い(笑)。
まだレギュラーメンバーにあんまり馴染んでなかったので、なんでこの辺がレギュラーなんだろう?とか思ってたりしましたね(笑)。ちなみにジョンの印象がいちばん薄かったです。そして私はまだナルの魅力はわからず(笑)。誰が好きということもなく、カップリングもなく、淡々と読む私(笑)。
(2001.11.11)
悪霊シリーズ3作目。えーと、笠井さんのお話ですね(調べないとどれだかわからない)。この話は安原君が登場する話と混乱しちゃうんですけど。学校中に異常な数の怪現象が起きるってのが同じだから。こちらはそんなに怖くはなかったですが、PK云々の薀蓄はけっこう面白かったかな。
この辺りからキャラクターに愛着が湧いてきまして、みんな可愛くなってきました。ナルもだいぶ視野に入ってきました(笑)。同時に麻衣も視野に入ったので、この辺からなんとなくナル麻衣的に読むようになりましたです。……どうして小野さんのお話だと私は素直にストレートなカップリングに行くのでしょう?(笑)少女まんが心をくすぐるほどの設定でもないのに。でも腐女子心はもっとくすぐられていないのかもしれません…(爆)。
まぁ、でもこのときのナルはけっこうサービスしてるかも。スプーン曲げやら、500円玉をペットにしてみたり。でも腹話術をするナルって、ちょっと想像しにくいんですけど(笑)。
(2001.11.11)
悪霊シリーズ4作目。学校中が怪現象で大騒ぎ第二弾。安原さん登場。安原さん好きだなー。ちなみに「学校中〜」の二作では、こちらのほうが怖いと思います。怪我人とかかなり出てますし。
そろそろ今の小野さんの文章にちょっと近づいてきて、改行が減ってきて、麻衣のティーンズハート的一人称文章の中に描写がかなり増えてきてます。話もだいぶ複雑になってきて、私的にはこの辺からがお勧めって感じ。と言っても最初から読まないわけにはいかないシリーズものなんですけど(笑)。特にこのシリーズはゴーストハントから読むのもやめてくれー、ゴーストハントを読むならぜひ悪霊シリーズ一冊目から!って感じの話ですしね…(笑)。
私、麻衣は好きなんですが、この話の後半だけは苦手でした。ちょっと…「うるさいよー麻衣ー」って唯一思ったシーンです(^^;; でもナルもなー。ちゃんと説明しろよーう。
(2001.11.11)
悪霊シリーズ5作目。増築を重ねて部屋数100とかある異様な洋館での幽霊騒ぎ。といつになく、ちょこっと内容を書いておくのは本気でどれがどの話だかわからなくなりそうだからです(笑)。
いや、これは怖かった。小野さんの本領発揮という感じです。血みどろだし、「そこまでやるかー!!」という感じだし。文章がまた小野さんらしく描写が素晴らしく怖いため、いちばんハードだった1シーンは思わず必殺読み飛ばしをしてしまったぐらいです(笑)。←実は私はホラーも苦手ならスプラッタも苦手なので(そんな人がなぜ小野不由美を好きなんだ…それは面白いから)、すごくうまくて怖い作家さんの場合、思わず怖さのあまり、ストーリーに必要なところだけかいつまんで異様な速さで速読するという、ホラー作家さんにとっては非常に迷惑かつ失礼な技を持っています…(^^;;。 悪霊シリーズはここまではその技は必要なかったわけですが、この話はやっちまいましたですよ。
でも、いちばん怖かった分、単体で見たらいちばん面白かったかな。<って怖いの苦手なんじゃなかったのか?(笑) いや面白かったですー。
(2001.11.11)
悪霊シリーズ6作目。ナルがいきなりのっけからリタイヤしてしまった話ですね(本当にただの覚書になってきているな…)。
この前の巻がかなり怖くて面白かったので、けっこう期待して読んだんですが、前作ほどではなかったかな。その前に比べると格段に面白いですけど。でも敢えてゆーならナルが好きな私としては、この展開はさみしいというか「ナルったら…(^^;;」というか。プライドに命かけるなよー。ていうか、そういうプライドを守るためなら、時間かけても確実に勝てる方法を考えろよー。けっこうおいしいはずのハイライトシーンも、明らかに失態なので、いまいち盛り上がれず(^^;; しくしく。
(2001.11.21)
悪霊シリーズ最終作。
かなり意表をつく衝撃の事実がある、と、前もって知りながら読んでいたというのに、まーーーったく想像できませんでした(笑)。いや、いくつか「これ、変じゃねぇ?」って気付いてたところもあったんですけど(特にナル問題はすごくひっかかってたのにー)、ツッコミだけ入れて終わってました(笑)。ミステリ読みとしてそれはどうか?(笑)<でも私、まったく考えないミステリ読みだからなー(笑)。まぁ、ティーンズハートだって事実と、シリーズ最初の麻衣のいかにもティーンズハートな一人称文章に思いきり騙されましたよねー(笑)。
ナル好き者としては好きでもあり、さみしくもある、不思議な話になってます。「おおー!」と喜んでいるところと、「そ、それ、ナルの立場は…?(T_T)」ってところと。でもまぁそんなにナル×麻衣に大はまりとかってわけじゃないので、いいんですけど…。
でも、真ん中の学校のお話が完全にその前後と分離しているのでちょっと変な感じはしました。あの真ん中のパート、彼の捜索にからんだ事件にできなかったのかなぁ?って思って。んー、彼絡みの話は、今後の話として書く予定だったのかな(^^;;。それなら書いてくれーという感じです(笑)。
(2001.11.21)
悪霊シリーズ続編のゴーストハントですね。今のとこ一作しかなくて残念…。
話によると悪霊シリーズファンにはあまり好評でなかったようですが(文体も雰囲気も変わったからということのよう)、十二国記から小野さんに入り、悪霊シリーズは一気読みしただけの私からすると、こちらのほうが安心して読めるのは確かです(笑)。しかし、ティーンズハートというフィールドで一応恋愛風味を多少は加味してあった悪霊シリーズと違って、そんな必要がはなからないせいか、ナルの「血の色ミドリ」っぷりが倍増している気はします(笑)。でもやっぱり私は、こっちのほうが好きだな…。三人称でのナル視点があるのも嬉しかったりするし。ちなみに後半の鏡になついてるシーンがかなり好きなんですけどね。私。
いや、本当に先が読みたいんですけど。書かれる可能性はあるのかなー?なんか悪霊シリーズがホワイトハートで再刊行されるとか、漫画でやってたりとかしてるから、まったく動きがないわけじゃないんですよね。いつになるのかわからなくてもまったく構わないので先が書かれる可能性があるだけでも嬉しいんですけど。
(2001.11.21)