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Book Memo

■高里椎奈さん作品

高里椎奈「銀の檻を溶かして」講談社ノベルス

薬屋探偵妖綺談の第一作。第11回メフィスト賞受賞作品、ですね。このころはだいぶメフィスト賞&講談社系ミステリから遠ざかっていたころで、長いこと作品を認識するきっかけがなかったのです。その後ちらほらと女性ファンの間で名前を聞くようになり、いっそう遠ざかるという悪循環(爆)。読んでその偏見に我ながら後悔しました。おもしろかったです。えと、内容的には前もって聞いていた噂&ノベルスのうしろにくっついている解説の通りだと思うんですが、それをおもしろくないだろうとくくるのが大変な偏見だったとゆーことです。反省。

しかし私、実はこの1作目はミステリー的にどーしても理解できないシーンがあって(笑)。いったいこれはどうなっているのか???ともういちど読んでみたもののやっぱりわからず(笑)結局「まぁいいか」と流してしまったあたり(笑…いごとではないのでわ)結局ミステリーファンのこだわりはないんですね、私(爆)。でもこの話を理解できずにいる人って見たことがないので、私の読解力がどこかイカレてるんですよね、きっと。 この時点では「好きになるとしたら、秋だろう」という感じでした。

あと、高里さんの文章は擬音が面白い使われ方をしていて、もう慣れましたが、最初は面食らいました。突然地の文に「ジャッ」と書いてあって何事かと思ったら、秋がスケボーを出していて(笑)すげービックリした覚えがあります。スケボー!?って。

(2001.7.20)

高里椎奈「黄色い目をした猫の幸せ」講談社ノベルス

薬屋探偵妖綺談2作目。現時点で4作目まで読了してますが、4作目段階ではいちばん好きなお話。内容はよく考えなくても相当悲劇だし、陰惨でさえあるんですけどね。でも好きですねぇ。ハイ。この2作目で予測どおり、女王様秋にすっ転びました(笑)。前作では多分シリーズにできるかもわからない状況下であんまりストーリーに無意味なキャラ萌えシーンが書けなかったのではないかと想像するわけですが…この2作目ではミステリーと関係のないシーンが多出して、それがいちいち秋萌えのツボを押すので、大変好きなんですよね(笑)。ミステリーとしても、まぁ秋が犯人を追い詰めていくシーンはちょっと弱い気がしてしまいましたが(精神的にもっと強いとゆーかイカレとゆーかそういう犯人だったら、秋の口八丁に負けなくてもおかしくない気がしてしまった)、全体は面白かったです。最初に書いたとおり、ある意味陰惨ですが(汗)そんなにつらい面が強調されてないので。前作の最後のお母さん対決の方が私は陰惨に感じてしまったのですね、なぜか。全体に勢いがあるし。

ところで、全然関係ないんですが。秋が怪我をしたときに、いきなりぶち切れる座木にまずビックリしたのです。「貴様ひとりが死ねばいいものを」ですって?座木が?うわーお、「貴様」って。思わず別の人が言ったのかと考えましたよ。座木の台詞だと思わなかったっすよ。うわー座木ってば秋のこと大事にしすぎ。人格変わってるじゃんよーと思っていたら、さらには秋がそんなふうに自分を大事にしている座木に対して、
「構うな。お前はよっしーの側にいろ」
「僕を見くびるな」

うわーお!すごい人だー!あなたのこと大事にしてるんですってば、あなたを傷つけたから、座木は怒ってるんですってば。それに対して「僕を見くびるな」。うわーお。このプライド。女王様だーすっごい素敵ー!
と、突然頭の中身を飛ばす私(笑)。ちなみに私は見ての通り、座木秋なんですけどね(笑)。でも甘いだけの関係じゃなさそーですねこれは(笑)。頑張ってください座木(笑)。

まぁ、このほかにも座木秋的に萌えシーン続出で、この2作目で私は一気に秋至上主義前提の座木秋派になりましたのでした(笑)。

でもこの作品のリベザル、可愛いです。私はショタ傾向はほとんどない人なので萌えモードとは違いますが、パンピーモードで可愛かったです。

(2001.7.20)

高里椎奈「悪魔と詐欺師」講談社ノベルス

薬屋さん3冊目。けっこう凝っていましたね。それぞれで完結したように見える短編が繋がっていくという形式。それにしても、秋っていったい何者なんでしょか…(^^;;ゆたと秋のお話はシチュエーションがなかなかに切ない感じです。秋の「ゆた」って呼び方が可愛いのなんの。また秋の猫かぶり度が激しくて、それもかなりおいしい…けど、ゆたがかわいそうだったなぁ。

(2001.8.1)

高里椎奈「金糸雀の鳴く夜」講談社ノベルス

薬屋さん4冊目。イエンリィ登場、で、だいたいレギュラーどころは揃ったのでしょうか。前半は秋対座木というおいしすぎるシチュエーション。おまけに座木ときたらそれでかなり燃えていたりしていっそう座木秋的にはハラハラしつつもやられてしまいますよね(笑)。座木ったら、結局秋にしてやられたいのね、みたいなのもあって(笑)。おかげで秋の登場が大変少なかったですが、前作に引き続き、結局は全部いいとこどりの秋で、秋至上主義の私としては満足です。

お話的には…前半の部分は面白かったと思うんですが、後半との乖離がちょっと気になったかなという感じはありました。結局ミステリーとしては中盤で片付いちゃってるわけで、突然なんでこんなとこでこんな話が長々と始まるのか?みたいなね。薬屋さんなんだし、ミステリーの形式よりもそういうキャラクター色の方が大事にされていること自体はいいと思うのです。でも、これについては、多分ミステリーに限らないお話そのものとしての構造の問題だったと思うので…やっぱりうしろにいきなり関係のない話がくっついている、みたいな状態は座りが悪いかなぁという印象はありました。できれば、お話の主題がその後半なら、全体の内部にもっと組み込んでほしかったかな?と。

でも、そういうわけで、私としてはやや座りの悪い話だったんですが、同時にやっぱりとても楽しく一気に読んでるんですよね(笑)。薬屋さんってわりとそうなんですけど、いつもいろいろ思うことはあるのに結局楽しく読んでいる…というのは彼女の作品が理屈ではないある種の「魅力」があるからなんだろうな…と思ったりしました。

(2001.8.1)

高里椎奈「緑陰の雨 灼けた月」講談社ノベルス

薬屋さん5作目。いつになく秋の手の内が見えている話でしたね。すかっと騙されていた…ってことだよなぁ?これ?頭回ってなくないか?なんだかこんがらがっている気がします、秋が(笑)。どーしたことか?(笑)。中盤辺りの座木と秋の捜査会議(仮)はちょっと意味不明でした。なぜ現時点でそういう結論に絞れるんだ?勘か?でもそれ、外れてるんじゃないか!?って感じで(笑)。まぁ、普段から秋は頭がいいんだかなんなんだか、よくわからないなりに迫力があるって感じなので、「こいつは間違いなく切れる!」ってほどは思わないんですが、それにしても今回は…「秋?」って感じが強かったなぁ。でも、秋がちょっと探偵としては精細を欠いている(わりには、いつになく自ら動きまくっていて、いっぱい出てて嬉しいんですけど)ので、切れ味はそんなにないんですが、ほのぼのと楽しく読めました。女子高生たちが可愛くていいね。

(2001.7.22)

高里椎奈「白兎が歌った蜃気楼」講談社ノベルス

薬屋さん6作目。こりゃまた思いきってスゴイ話ですね。陰惨ですってば陰惨。事件の内容に救いというものがまったく見当たらないのですが。いや、まぁ、秋が一瞬ちょこっと儚げだったりしちゃったりしたのはおいしかったですが!!壮大な空虚が背景に見える儚げな微笑、ですって!どうしましょう!!<どうもしません。いやはや、そういうのに弱いワタクシです(笑)。

薬屋さんたちが衝突しなかったのは不思議、とあとがきに書いてありましたが、私も不思議です。これだけ陰惨な話だとねぇ、リベとか座木は、秋のスタンスに「それはどーか…」と思う部分があるような気がしましたが。でも、それを全部追求していったらものすごくながーい収拾のつかない話になったかも…。まぁ、嵐の前の…と作者様がおっしゃってますので、ちょっと期待vv あ、そうそう。秋が怪我したとき、ザギが今回はぶち切れてくれなかったので、ちょこっと残念です(笑)。前回よりも今回の方が、怪我はひどかった気がするのですが(笑)。

ミステリーとしては、それ、全部ちゃんと人が死んでくれたのがけっこう奇跡なんじゃないか?という気はちょっとしちゃいましたね(^^;; いわば、某作品(京極のじょろうぐも)と同じなわけですが…。某作品(じょろうぐも)でさえ、あれだけ説明されていても「そんなにうまくいくんかいな?」と思ったりしましたから…こんなたいした仕掛けもなく、ちゃんとこんな陰惨な状態になってしまったというのは相当運がいいというか悪いというか(笑)。そんな印象はあります。ハイ。

(2001.7.24)

高里椎奈「本当は知らない」講談社ノベルス

薬屋さん7冊目。いつにもまして無駄にオールスター状態でした(笑)。一応あとがきにも注意として書いてあるんですが、これはもう本当前を読んでないと「誰ですかこれ?」とか「このシーンになんの意味が…?」とかそんなのばっかりになってしまうでしょうねぇ。私でさえ、うさぎさん登場に何の意味があったのか?(多分意味はない)とか思ったぐらいだし…(笑)。でも素直に楽しかったです。

あーでも疑問がひとつ。私がちゃんと読み損ねているのかもしれませんが。秋は、本当のところ体の具合は悪くなかったのでしょうか?だとしたら、なぜわざわざ座木を騙して解決せねばならなかったのでしょう?あれではいくらなんでも座木が可哀想だし、具合の悪い秋の姿にめちゃくちゃ萌えてしまった私も可哀想です。<そうか? それとも最初は確かに具合が悪かったのだけれども、治ったので解決に乗り出すことにしたが、心配性の座木が止めるのがわかっていたので騙して解決してみた…とゆーことでしょうか。しかしそれでは最後に座木が納得するのが、変な気が。…という感じでどうも秋がなにを考えていたのやらいまいち掴みかねております。ハイ。
それとも、もうちょい深読みをしてもいいんでしょうか?してよければ、なお萌えるんですけど。なんかまた読み落としてたり、読み違えたりしてるのかなぁ私。

まぁでも深読みせずともこの本は座木秋的にはサービスシーンが多々ありますんで、それだけでもお腹いっぱいですけどvv なんかすごかったです。一緒にいる時間が少ない分、その都度サービス!って感じでしたよね。でも最近は、秋がなんかときどきはかなげでいいなぁ…今回は特に病床シーンだのシャボン玉シーンだのいろいろありましたです。座木はどうもそういうはかなげな秋を見てると不安になる模様ですねぇ。それにしても最後の座木の台詞はすごい…。そこまで言うか!座木!

関係ないけどどうしてもタイトルを「本当はもうない」と言ってしまいそうになります…(森博嗣「今はもうない」と「本当は知らない」が混ざっている)

(2001.9.10)

高里椎奈「青い千鳥 花霞に泳ぐ」講談社ノベルス

薬屋さん8冊目。発売時、薬屋さんの新刊が出るとは露とも知らずに、新聞の広告を目撃。そのなかにあった「高校に入学した座木」。この一言にひっくり返りましたね。高校生!!座木が高校生!!どうしよう!!<どうもしません。

正直言ってこの高校生座木という存在の破壊力(笑)に持っていかれまして、話自体はあんまりよく覚えてないぐらいなんですけども。座木がかわいすぎる…リベザルみたいだ…。でもリベもそうですし、今回の高校生座木というのもそうなんですけども、この人たち見た目と違って長生きしてるわけですので、いくら見た目が高校生でも実際にはいい年のはずですよね〜。なんでこう、可愛いのだ…。本当に高校生みたいなかわいらしさなんですけども、いくらなんでも精神年齢が幼すぎやしないか。と言っても高校生の見た目の座木がいまみたいなようすだったらそれはそれで怖いのかもしれませんけども。

時系列が過去なので、リベザルがお休み。そして秋が名前が違ってて火冬という名前だった頃のお話。この辺も広告で見て、「地の文はどう処理するんだろう?」とか思ったんですが、素直に全編「火冬」で押し通してて違和感ありませんでした。火冬と書いてあっても全然いつもの秋だったので。この話を読んでいるときは私の頭のなかも「火冬」になってましたね。むしろ違和感は高校生の座木のほうが…<まだ言うか(笑)。

破壊力はすごかったですけど(笑)、面白かったです、はい。

(2002.5.14)

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