Under the Sun

HOHと「花」

2004.04.30(Fri)

前から「世界にひとつだけの花」って、TOSHIがはまった世界に似てるなあ似てるなあと気になってしょうがなかったんですよね。

実は、私「何者にもならなくていい」とか、それこそ「世界にひとつだけの花」とか「一生懸命咲けばいい」とか、そういう価値観自体は悪いものだとは思えないんです。いいじゃんそれでって思うんです。
「何者にもならなくていい」を否定する人は、競争の大事さを言います。それが資本社会の根幹だとか、人類の発展をとかそういう話ね。
それはまあそうなんだけど、でも、競争に勝つことがすべてとは私も思わないんです。
この辺の発想は、わりとTOSHIや「花」に同調してる部分があるんですね。私。
だから、TOSHIの価値観自体は否定しないと、TOSHI関連の長文の仮結論でも書きました。
それはいまも変わらないんです。
とゆーことは、私はHOHの理念にも同調できるのでは?という結論になりかねないんですが…。

自分自身、ずっと、このスタンスがすごい微妙だったんですよ。自分でもどっち寄りで考えているのかわからなかった。
頭で考えると、HOHもTOSHIも「花」(完全にHOHと同類にしてますが(笑)。同類に思えてしょうがないんだもん…)も、別にそんなに変なことを言っている気はしない。
実際、自分でTOSHIに対して思うことを口に出してみると「自分の歌を歌えばいいじゃん」「TOSHIはTOSHIだよ」「TOSHIはTOSHIとして愛されてるじゃん」とか言っちゃったりして、同じようなこと言ってるんですよ、気付くと。「何者にもならなくていい」と同じようなもんですよね、これ(笑)。
だから、多分、私もわりと彼らと同じようなことを考えてるんです。

ところが、現実には、私は、HOHの言説にも「花」の歌詞にも、生理的な抵抗があって、納得ができないんです。腑に落ちない。気持ち悪いと感じてしまう。しかし、いったい自分がなにに抵抗を覚えているのかずっとわからなかった。
でも、さっき思ったんです。

確かに、「何者にもならなくていい」し、「世界にひとつだけの花」だし、それぞれが「一生懸命咲けばいい」んだけどさ。

あるひとが、一生懸命バンドをやって世界一を目指して頑張っている、それもまた「一生懸命咲く花」じゃないのか?
競争に参加してなかろうと参加してようと、同じじゃないですか。どちらも、その人なりの生き方で、一生懸命咲いてるだけじゃないですか。

どうして、競争に参加している人のことは否定するの?

この「否定」が矛盾に見えるんです。この矛盾が気持ち悪い。
つまり、みんな「世界にひとつだけの花だよ」とか「何者にもならなくていいよ、すべてを許し合っていこう」とか言いながら、許してないじゃん、認めてないじゃん!と感じちゃうんです。

さらに「花」以上にHOHがいただけないのは、世界はひとつとか言う理念です。これがもう本当納得いかなくて。つまり競争のない社会、観念のない社会、そういう社会においては、世界はひとつなんだ、そういう美しい心で本来世界はひとつなんだ、みたいな理念ですよね?と私は解釈していますが。
じゃあ、なにか?競争に参加している人は、その世界に受け入れてもらえないのかよ、と。はじかれるのかよ、と。その理念に賛成しない人間は、受け入れてもらえないのかよ、と。

どーこーがー、ありのままでいい、何者にもならなくていい世界なんだ!と思ってしまうのです。

「花」も「一番になりたがる?」とか言って、競争を否定してはいますが、世界を作るまでは至っていないので(つまり、「自分が一生懸命ならよい」という個人的な結論なので)、それはまあそれぞれよねとも思えますが、HOHは世界がひとつとか言ってくれてますからね。「ありのままでいい」とか「何者にもならなくていい」とか言いながら、HOHもTOSHIも、競争社会にいる私たちのことは受け入れないわけですよ。
それが、表面上の綺麗な癒しの言葉と、大きく矛盾しているように感じるのです。
そんでもってその矛盾があるがゆえに、根本的な発想は理解している私をもってしてその理念は納得できない、受け付けないと言わせるわけです。

何度も言うけど、勝つ必要などないとか何者にもならなくていいだとか、そういうのはそれぞれの考えで、全然構わないと思いますよ。その根本的な発想自体はわかります。いいと思います。
そういう考え方を全部否定するのも、どうかと思います。
でも、競争社会に生きている人を否定するのも、同じように、どうかと思うわけです。

とゆーわけで。「だから、HOHはダメだ」というわけではありませんが、個人的に、HOHの理念には、納得がいきません。矛盾があるように見えます、という話でした。

Posted by koko at 04:51 AM | Comment (0)
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