つくづく本気のNHKはすごい(笑)
2009.07.18(Sat)
クライマーズ・ハイ(NHKドラマ版)を見ました。
映画版も映画館で見てとても面白かったのですが、このNHKドラマ版も評判がすごくよかったんですよね。それに、なにげに映画で堺さんがやった役をドラマでは南朋さんがやってて南朋さんの評判もよろしかったので(そもそもハゲタカ主演を南朋さんに決めた理由がこのクラハイだったようです)、それも気になってドラマ版の方も見てみました。
私は原作を読んでいないのでもともとの全体像を知らないのですが、映画版はけっこう削ったり改変したりした場所があると聞いてました。で、実際見た感じでも、理解できない部分がけっこうあったんですね。ぶっちゃけクライマーズ・ハイという状態も(言葉では出てきてるのでアタマではわかっていますが)映画版ではすっきりとは伝わってきていなかったし、悠木の親がどうこうだとかこの社長はなんなのか?とか安西がやってたことはなんだったのか?とかいろいろ理解できないままの部分がありました。多分原作から削られてしまってうまく話がつながらなくなっている部分なのだろうと思っていましたが…。
ドラマ版を見たらこの話が書こうとしたものがくっきりはっきりわかります。ドラマ版と映画版は長さはほぼ同じぐらい(5分だけドラマの方が長い)。でも、ぶっちゃけ、お話としてはドラマ版を見なくてはこの話の本当の部分はわからない、と思う。
映画版にももちろん良さはあって、ドラマ版と同様役者さんたちの熱い演技は本当に見ごたえがあったし、あと映像自体はさすがに映画の方が臨場感があってすごい映像を撮ってます。というかドラマ版は事故現場の映像はさすがに撮れないですから、そこらへんはニュース映像を使って繋いでるけど(NHKが第一報を伝えたニュース映像とか、ある意味興味深い映像ですが)、映画はそこら辺も撮ってるし。
だがしかし、悠木に関しては圧倒的にドラマ版に軍配があがります。つーか、ドラマ版を見ると映画版の悠木は「一体なぜゆえにそんな設定に?」と疑問が残る部分が相当あります。なぜ、家族と別居させた?悠木が20年後に山に登るシーンは息子との関係性を抜きには語れないのですが、それがまるっとないので(会ってないそうなので、なんとなく確執があるらしい?ぐらい)、山のシーンの意味がそもそも伝わらないんですよね。あと、社長はなんだったんだ?もしかしたらあれは原作にある設定で、ドラマ版はそこを抜いたのかもしれませんが…映画版の状況を見るに悠木の家族を外して社長の云々を入れた意味はさっぱりわかりません…。映画版は本当悠木の心理が伝わってこない構成だったんだなぁとつくづく…。最後の意味不明のニュージーランドとか。
佐藤浩市が涙をこぼすシーンが二つあるんですが、二つとも本当にずっしりと重い涙でした。佐藤さんは強くてかっこいいですけど、強くてかっこよくて弱くて無様みたいなシーンをやらせると本当にいいです。娘とのシーンとか、よすぎて泣けてきそうでした。
ああ、でも、映画版は堺さんが無駄においしいけどね(笑)。佐山に関しては、堺さんはすごくキャラが立っててメインの見せ場の1つになっていましたが(あんまストーリー的には意味のない見せ場ですが…(笑)。あの無駄な眼力ときたら…なんかしでかすのかと思ったもんなぁ(笑))、南朋さんのほうはあくまで悠木のドラマを描くサポートに徹しているという印象でした。しかし…この佐山役から鷲津に抜擢するNHKの人たちの眼力にビックリしてしまいますわ(笑)。なんでこの佐山から鷲津をやらせようと思うんだろ…(笑)。どーしても同じ人に見えんとよ(笑)。
なんつーか、映画は多分見せ場っていうのをかなり意識して作ってて、その分表面的にはすごく面白いシーンがたくさんあるんですね。社長のシーンとかもその場その場はすごく面白いわけです。だから、見てて面白い。
でもやはり圧倒的にNHK>映画でした。つくづく、本気のNHKはすごい(笑)。それと、やっぱ役者を生かすのも殺すのも演出と脚本次第ですなぁ…。