Aliens

「TIME TO GO」について。

2005.02.12(Sat)

超いまさらなんですが。まぁ、でも一度ちゃんと書いておきたかったことだし、当時はうっすら思っていただけのことでも「MASTERPIECE」という次の動きが見えたことで改めて実感したこととかもあるんで、このアルバムについて思うことをつらつらと書いてみようかと。

私はリリース当時も今もこの「TIME TO GO」大好きな人なんですが。本当大好きなアルバムなんです。でも、それはそれとして、2004年に入ってからのRIPちゃんを見ると、当時思っていた以上に2003年ごろのRIPちゃんはやっぱり疲れていたんだなあと…(笑)。

私は、当時、2002年秋〜冬がピークだと思ってたんですよ。あの時期はけっこう真剣に心配していました(笑)。明らかに状況から逃避してる感じがしましたし、PESくんは激やせで可哀想な子みたいになってるし…(^^;;。その意味では2003年に入ってからのインタビューでは、そうとう痛いものの状況とはちゃんと向き合っている感じがしてたんで、体勢を立て直しつつあるのかと思ってました。それは別に前向きになったとか元気になったとかって意味じゃないけど、少なくともRIPという存在には向き合えるようになってきたんじゃないかなという感じで。

ちなみに私の中でのTIME TO GOというアルバムの印象は言葉羅列すると、デジタル、先鋭、クール、アンダーグラウンド、クローズド、みたいな。特に先鋭とクローズドが強いです。ジャパンかなんかで書いてあったと思うけど、私も非常に攻撃的なアルバムに感じました。ただ、それは「その攻撃先が曖昧」とやや批判風味だったんですが、私としてはあの時期に攻撃性を強めたことがすごいなという感じで思ってました。

しかし、2004年のRIPちゃんを見てると…あれはやはり追い詰められた状況での爆発だったのかもしれないなあ、と。でもって、私自身、その追い詰められた雰囲気、切羽詰ってる雰囲気を感じてたからこそ、あのアルバムをあんなに好きなのではなかろーか、と。

まず、FUMIYAくんのトラックね。それまでももちろん彼は非常に新しいビックリするようなトラックを次々に出してきてたわけですが、チェッカーフラッグ辺りになってくるとほとんど「どこまで行くんだこの人」みたいな空気でしたよね(笑)。FUMIYA印押印、みたいなね(笑)。このアルバムのトラックに関しては、「非常に先鋭的なFUMIYAくんの才気爆発」みたいな。その分ポップという開かれた場所からはやや遠ざかったように見える結果になったのだろうと思います(いや、実は私自身はポップに聞こえてたんだけどねー(笑)。私ポップの基準が違うらしいよ…(笑))。まぁRIPちゃんたち自身が作る際に「クラブ対応」ということを考えていたせいもあるかと思いますが。
反面MCたちのリリックは、TOKYO CLASSIC辺りから増えてきた「特に内容のないリリックによるキャラ立て」に磨きがかかって、あれはもう「芸」の域に到達してますよね(笑)。しかし、反面、「芸」に到達してしまったことで安定感が増して、ファンではない一般の音楽リスナーに対して衝撃が薄れたというのはあったかもしれないなと思ったりもします。

しかし、同時にそれまでには見せなかったようなシリアスな顔もちらほら見せたっていう面もありました。というか、要するに問題はタイトルチューン「TIME TO GO」なのですが(笑)。このアルバムにこれほどシリアスな空気を感じたのは、この曲がアルバムラストの曲でありタイトルチューンであったことに尽きると思います。私はこの曲を聞いたとき、RIPちゃんが今後どちらに進んでいくのか予想がつけられなくなりました。
私はもともとRIPちゃんというのは、どこか空虚さだったり孤独だったりある種の闇を含んではいるが、本質的にはまっとうな開かれたグループだと見てました。しかし、曲「TIME TO GO」は、どう見てもそういう曲じゃなかったもんで…(笑)。しかも、それは付け焼刃のシリアスにはとても見えなかった…(笑)。ので、もしかしたら彼らは今後アンダーグラウンドなところに行ってしまうのかもしれないなぁとも思ったんすよ。

でも。これが「MASTERPIECE」ではっきりしたことですけど、RIPちゃんはやっぱり開かれたグループでした。
となると、TIME TO GOのあれは、どちらかというとやっぱり疲弊の結果だったんだろうなあ…と(笑)。

ただ、それでも、私はTIME TO GOという曲が偏執的に大好きですけどね。それでも、というよりも、だからこそ、かもしれない(笑)。RIPちゃん好きには珍しい趣味かもしれないですが、そういう追い詰められた先にある輝きみたいなものも、やっぱり輝きだし、魅力だと思うんですよ。それは決して明るくも楽しくもない、闇とか影とかそういう方向のものだとは思うけど、表現のうえでは光とかと同等の輝きを持ってると思う。で、その意味でTIME TO GOはそういう方向の魅力がありました。だから、私はあの曲が偏執的に好きです。もう一度ああいう曲を作ってくれとは言わないですけど…(笑)。心配になっちゃうから(笑)。

……しかし、なにげに、途中から曲のTIME TO GOの話になってしまってますね。話ズレついでに書いちゃうけど。この曲のPESくんのリリックには本気で涙出そうでした。まぁこのリリックは「Why」とかでも使ってる、がーっと書いてちらちら使ってるという詞の一部のはずなんで、これで終わりではないはずだとは思いますが…。それにしても、「知らなかったんだ」「突然救われたんだ」「ようやく報われたんだ」「今朝目覚めたら背中から大きな羽が」「今わかったんだ」「僕は蝶 生まれ変わったんだ」とか羅列しておきながら、最後の最後で「きっと目覚めたら背中から大きな羽が」だなんて…(涙)。ちょっと衝撃的でした。なんちゅー歌詞を書く人かと本当涙出そうでした。もともと上に書いた「どこか空虚さだったり孤独だったりある種の闇を含んでいる」っていうのは、PESくんが持ち込んでいるものだと思うし、私はそういう部分に最初からとても惹かれているのですが、それにしても、あのリリックには参りましたし、泣けました。そんでもって、偏愛しているわけです(笑)。

Posted by koko at 02:54 | Comment (2)
Comment
初めまして。こちらにはよくお邪魔しています。 TIME TO GOは私も大好きです。 ファンになったきっかけがこのアルバムで(かなり遅めです;)その分思い入れがあるということもありますが、kokoさんのおっしゃる通りTIME TO GOはリップの側面的な部分を垣間見ることの出来る作品だと思います。 勿論それ以前の作品もMASTERPIECEも好きなんですけど、TIME TO GOの世界観は特殊な気がします。それが好きです。 では、突然のComment失礼しました。ストSUNの記事のアップ楽しみにしています。笑 Posted by: のーむ at 2005年02月14日 17:46
のーむさん、コメントありがとうございます!スパムに紛れて気付くのが大変遅れてしまいまして、すみませんでした(汗)。TIME TO GOは私も思い入れたっぷりです。いまから思えばちょっと特殊でしたよね。 ストサンは…これから三週前のを聴こうかなというような状況です…(苦笑)。ではでは。 Posted by: koko at 2005年02月20日 17:07