Under the Sun

TOSHIについて2「洗脳騒動の経緯。」

2003.06.15(Sun)

1998年9月、雑誌及びテレビで、TOSHIの洗脳報道がされました。ワイドショーなどでもトップ項目に近い扱いで連日取り上げられ、わりとマスコミに近かったX関係の過去の騒動の中でも、一二を争う規模だったと言えると思います…とほー。

ここでは洗脳報道の経緯、それから、その報道のなかで出てきたTOSHIとレムリアアイランドレコード(倉渕氏)との関わりについて、書いておこうと思います。わからないことも多いので、推測混じりです。

実を言うと洗脳騒動前後の肝心な時期の記録が、私の手元にはほとんど残ってないんです。「君はいないか」リリース時にNHKの「世界悠々」でTOSHIがイングランドを旅したんですけど、この番組は6時間ぐらいあって気が遠くなりながらも一生懸命編集をした記憶があるのに、この番組のビデオも残ってないし。どこ行っちゃったの。って多分腹立てたときに捨てちゃったんでしょうが…(^^;;。同時期のミュージックフェアとかは残してあるんですけど。

「碧い地球の旅人」〜洗脳騒動に至るまで。

簡単な当時の流れを書きます。

  • 97.01.22 アルバム「碧い地球の旅人」リリース
  • 97.02.14 香さんと入籍
  • 97.09.22 X解散発表
  • 97.11.21 シングル「NATURAL HIGH」リリース(葉加瀬太郎氏とのコラボレーション)
  • 97.12.31 X LAST LIVE
  • 98.04.01 シングル「さようなら/幻の少年」リリース(同コラボレーション)
  • 98.04.22 アルバム「壊れた世界でカナリヤは歌う」リリース(同コラボレーション)
  • 98.06.24 移籍に伴うベストアルバムリリース
  • 98.07.23 シングル「君はいないか」リリース(MASAYA氏の手による曲)
  • 98.09 洗脳騒動勃発

細かいことはすっ飛ばしてますけど。

洗脳報道

この報道の記録は手元にはひとつも残っていません。当時リアルタイムで見ていて腹を立てて「ふざけるなー!!」とビデオを捨てたことを覚えているので、残っていないと断言できます(^^;;。そういうわけで確認ができないのですが、怪しい記憶を頼りに書いてみます。

報道の発端は週刊誌の記事だったようです。TOSHIがレムリアアイランドとかいう団体にマインドコントロールされている、広告塔になっている、という内容の記事が出ました。でも、私自身はこの記事を見たのかよくわかりません。騒動初期に一冊雑誌を読んだ記憶はあるんですが、それはワイドショーのほうで報道されたあとのことです。でも、ワイドショーで最初に見たときに一応状況を把握していた記憶なので、セミナーがどうのという大雑把な内容は知っていたと思います。知っていて、なおかつ、たいして気にしていませんでした。全然マスコミを信用してなかったんで(笑)。

ちなみに私が報道に接した最初の明確な記憶は、「ワイドスクランブル」。TOSHI夫妻が二人でホテルの一室にてインタビューを受けたものです。VTRが流されました。この番組の詳細は全然わからないのですが。ただ、私は、このワイドスクランブルが、洗脳報道に関して初めてTOSHIが出てきた番組だったと認識しています(日付が不明なので、本当かわかりませんけど)。この段階ではまだ怒ってはいなかったんですが、かなりの不安を覚えました。「何を言っているのかよくわかんない」と感じました。マスコミが変なネタを出してきても本人の言葉を聞けば納得できるというのが常なのに、このときは逆にTOSHI本人のインタビューで不安になってしまったのです。

続いての記憶はその翌日だったと思われる「ザ・ワイド」。TOSHI一人の生出演でした。そしてこれが私にとっては致命的な番組でした。「TOSHIが変だ!」「こんなの見てられない、聞いてられない!」となって、番組途中にビデオ録画をぶった切りました。そして同日、バイトに行こうとしたら事務所からの葉書(TOSHIの次兄英二氏が出したもので、あとでTOSHIが「勝手に出した」と怒っていたもの)が届いていて、バイト先で怒りのあまり涙ぐみそうになりながらレジを打っていた(^^;;と記憶してます。で、この葉書が9/11付けなので、「ザ・ワイド」がおそらく9/12か9/13のことだったのだと思います。

正直言って、雑誌だけなら、本来タレントではなくミュージシャンで、ワイドショーネタとしては大きくはないTOSHIですから、ここまでの騒動にはならなかったし、世間に知られることもなかったと思います。ワイドショーというのは映像がなければなかなか大きくは扱いませんから、TOSHIが出演しなければまずテレビでこんなに大きく長々と取り上げられることもなかったと思います(一週間以上出続けていた)。この時期はちょうど貴乃花の洗脳報道もあって一緒に取り上げられていたんですが、確か最初は貴乃花のほうが全然ネタとしては大きかったんですよね。が、TOSHI本人がワイドショーに出演を始めたこと、個人の問題だった貴乃花の件よりも、企業、団体が関わっているTOSHIのほうが洗脳問題としては社会的な問題が大きかったことなどから、どんどんTOSHIの問題の方が大きく取り上げられるようになりました。

レムリアとの接近の経緯

一応、報道とTOSHI発言から判明する、TOSHIとレムリアとの関係を書いてみようと思います。ただし、なにが本当でなにが嘘であるのかなにが間違いなのか、推測で判断せざるをえない点もとても多く、断言できる事実は少ないです。推測混じりであることをご了解くださいませ。

まずTOSHIが説明している倉渕氏とのかかわりですが。TOSHIが彼を知ったのは、95年に彼のCDを偶然聞いたとき。CD屋で自分で買ったそうです。それから時間が流れて、97年6月ごろ、屋久島の倉渕氏プロデュースのコテージとやらに宿泊して彼と対面。97年8月、コンサートに行って、9月下旬(解散会見よりあと)初めてセミナー参加…ということになってます。基本的に、TOSHIが意図的な嘘をついているとは思わない(本人も思い込んでいる嘘とかはあるかもしれないが…)ので、これはそのまま受け取っていいと思っています。

この言い分を事実だとすると、時系列は、

  • 97年4月 X脱退
  • 97年6月 倉渕氏と対面
  • 97年9月 X解散発表
  • 97年9月 セミナー参加

となって、Xを脱退したこととレムリア傾倒は無関係ということになります。実際TOSHIは関係がないと言ってます。

ただ、実際問題、97年1月にリリースされた「碧い地球の旅人」はすでにそういう宗教色というか、レムリアが主張しているような内容を色濃く持っています。私が見る限り、この時点で実際に倉渕氏には会ってなくともセミナーは受けてなくとも、思想的にはそうとう影響を受けていたと思います。また、夫人…って当時は夫人ではありませんが、彼女がもともとレムリアに傾倒してました。そして「碧い地球の旅人」には彼女も参加しているよう(TOSHIじゃない作詞の人がそうですよね?)ですし、発売の翌月、97年2月に入籍してますので…やっぱり思想的な影響はこの時点でかなり大きかったんじゃないかと推測。

それから、注釈。この前のGRACEは、レコーディング時期が94年なので、レムリア自体は知らないはずだと思います。ただ私の見る限り、その後レムリアに傾倒していく思想の萌芽はあるとは思います。逆に言うと、もともとそういう思想を自ら持っていた人ではあったのだ…とも言えますが。この辺についてはまた別項にて詳しく書きます。

ちなみに報道時TOSHIはレムリアの所属アーティストではありませんでした。TOSHIはデビューのときからずっとBMGビクター所属だったのですが、98年6月に契約が切れて、テイチクと契約しました。98年7月の倉渕氏作詞作曲の「君はいないか」は、テイチクからのリリースです。報道時のインタビューでTOSHIはよく「自分はレムリアに入らせてほしいと言ったが、断られた」「だから広告塔として利用されているということはない」というようなことを言ってました。ところがその後、この騒動のためにテイチクから契約を切られてしまい、結局レムリアに身を寄せることになります。その後、99年3月からだったかな?「詩旅」という、ツアーというか、CD売り歩きの旅…というか…なんなんですかね、あれ?(笑) まぁ、そういうものが始まりまして、それから3年間ずっとTOSHIは全国を歌い歩いています…んだと思います…(直接知らないので、語尾が怪しい…(^^;;)。うちの地元にも一度来ましたね。私は結局行きませんでしたが〜……。

TOSHIの事務所及び家族の問題

レムリアにはまってしまったことがマスコミに取り上げられている横で、事務所問題、及びご家族との問題ってのも生じてました。

この洗脳騒動がややこしかったのは、マスコミ側がレムリアアイランドレコードという企業の「自己啓発セミナー」や「宗教性」を問題としており、TOSHIが洗脳されているという論点で取り上げていたのに対して、TOSHI側が「これはTOSHI事務所社長である、兄の陰謀だ」と、事務所の問題及び家族の問題で反論していたという点です。まったく別のふたつの問題が入り乱れてしまっているわけですね。なので、マスコミがレムリアのセミナーなどについて問い詰めても、TOSHI側は兄が自分をコントロールするためにマスコミを仕掛けてきた、兄の陰謀だ、という話をしたいわけで、言いたいことがそもそもずれているわけです。

マスコミ報道としては

  • TOSHIと夫人の電話の会話を載せ、この異常な会話はレムリアのセミナーを受けて、マインドコントロールを受けているものだと報道。
  • TOSHIはセミナーに多額なお金をつぎ込んでいる。消費者金融などに借金をしてまで、レムリアにつぎ込んでいる。
  • レムリアの広告塔として、勧誘をしている。

てな感じでした。この手の宗教関係の報道としてはスタンダードな報道スタンスで、とてもわかりやすい構図ですね。

ところがそれに反論するTOSHIの主張は。

  • マインドコントロールは受けていない。自分の考えでこうしている。
  • TOSHI事務所社長である次兄が、自分が言いなりにならないので、マスコミを使ってこの話を流した。
  • 次兄は使い込みをしていた。裁判で訴えるつもり。
  • 自宅に盗聴器が仕掛けられていた。それをマスコミに流された(次兄の仕業であると考えている口ぶり)。
  • 自分の給料が3ヶ月未払い。痩せたのはそのせい。

ほかにも「昔から兄は僕をいいようにコントロールしようとしてきた」って内容の話が多出してますが、この時期の話に絞るとこんな感じだと思います。

ま、全体のTOSHIの主張としては、この洗脳騒動自体が次兄が自らの「背任横領と不正経理」を秘匿するためにマスコミに仕掛けた陰謀、ということになるわけです。TOSHIは週刊誌で自分の通帳やらまで証拠として出しました。結局訴えたのかなー。訴えるといきまいていたのは覚えているんですけど。でも翌年99年3月ごろに「和解」ってのも覚えているので、やっぱり訴えたのかもしれません〜。<ご存知の方、教えてください。ちなみにこの辺の事実関係については、闇の中です。テレビのこちら側でわかるようなことでもありませんし。

騒動についての私感

当時のこの状況をかんがみて、現在の私の思うところですが。

まず、レムリアの問題と、TOSHIのご家族間の関係(特に次兄との関係)の問題を切り離すべきですよね。もしもTOSHIの言うとおり、もともとこの騒動の発端が次兄氏であったとしても…次兄氏がレムリアがこれほどにマスコミに叩かれるように仕掛けてきたのだとしても、ファン側から見ると問題は変わらないです。この時期のTOSHIサイドはそれがわかってないと思います。

そりゃ盗聴をしていたことは問題でしょう。それはもちろん罪に問われるべきことでしょう。もしも本当にTOSHIが言うとおり、背任横領やら不正経理やらがあったならば、それもまた法律に照らしてしかるべき処置が必要でしょう。それはそうすればいいと思います。

でも、この場合、マスコミなりファンなりが首をひねっていたのは、TOSHIが自らを「アゴ」とか呼んでたり、倉渕氏が彼を「アゴ」と呼んだりする状況ってフツウじゃないんだけど、いったいどうしちゃったの?って疑問だったわけです。それに対して「盗聴だ、犯罪だ、陰謀だ」と答えられても、困ってしまうわけです。だって、陰謀っつーたって、アゴと呼んでたりするのは、事実なわけでしょ?と(本人ら、これは認めてました)

とゆーことで、いくらインタビューしても話が食い違っててろくに進展がなかったわけなんですけど、TOSHI側からすれば、実際レムリアに傾倒していく原因としても、まさにその兄との確執、家族との関係、というのが大きいものだから、そこを話さざるをえない。それで二つの問題がこんがらがってしまっているわけです。冷静に話を聞ける状態になかった当時の私が、状況をまったく把握できなかったのも納得できます(笑)。当時は本当なにがなんだか…って思ってましたからね〜。

Posted by koko at 12:00 AM | Comment (0)
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