Under the Sun

X「VANISHING VISION」雑感

2003.05.24(Sat)

「VANISHING VISION」 released/1988.04.14

Xがインディーズ時代に自分たちで設立したエクスタシーレコードから発売した1stインディーズアルバムです。

これ、もう15年も前のアルバムだったのですね。私は確か92年3月か4月に購入したんだと思います。新●堂になくて注文して買ったんですけど(当時はインディーズ取り扱っていても常に店頭に並んでいるような状態ではなかったんじゃないかな)、あとから「エクスタシーレコードに直接注文すれば写真集がついてきたのに」と友人に教えられてすごい悲しかった記憶があります。

個人的にはBLUE BLOODとJealousyの影に隠れてしまっていて特に思い出というものはないアルバムです(^^;;。リアルタイムでは知らないし、私の行ったライブではこのアルバムからの曲はSadistic Desireぐらいしかやってないし、仕方ないとは思いますが。でもいま改めて聞いてみるととてもハードロックアルバム。実はXは、当時はわりと正統派のHR/HMバンドだったんだなぁと思いますね。と言ってもYOSHIKIの曲はうるさいくせに、やっぱりメロディアスですけど(笑)。

TOSHIの声がキンキンしていますね。Jealousy以降、少し声が変わった彼ですが、この頃の方がHR/HMっぽい声をしています。

01.DEAR LOSER
 music:TAIJI

最初の曲がTAIJIの曲から始まっているというのはけっこう不思議な感じ。このアルバムは、全体的に「Xは最初はちゃんとバンドとして機能していたんだな」って思います。92年の東京ドーム3DAYSの2日目はこの曲から始まったんだよね…私は3日目しか行ってないからちょっと残念です。と言ってもその時点ではまだこのアルバム聞いてなかったので、知らない曲の嵐に呆然としてしまったんではないかと思いますが(笑)。

02.VANISHING LOVE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

この曲はすでにYOSHIKI節炸裂です。Blue Blood→Silent Jealousy→DAHLIAに繋がっていく路線ではないでしょうか。92年当時ではほとんどファンの間でも音楽誌関連でも話に出ることはほとんどなかったこの曲ですが、私は好きでした。そうしたら93年のEternal Melody(YOSHIKI監修のXの曲をクラシックにアレンジしたアルバム)で収録されたのでびっくりしました。ALIVEじゃないんだぁと思って。

詞は言葉の使い方なんかは後半に比べると暴力的な言葉を多く使ってますが、内容はJealousyぐらいまでとそんなに変わりませんね。すでに彼は、忘れられない過去に立ち尽くして途方に暮れています。

03.PHANTOM OF GUILT
 word:TOSHI/music:TAIJI

最初に聞いたとき「なんだか変な曲」と思ったことを覚えています(笑)。メロが変に聞こえたんですよね。でもHR/HM畑では人気ありそうな曲にも聞こえますが。

04.SADISTIC DESIRE
 word:YOSHIKI/music:HIDE

すごく息が長かった曲ですね。ライブでもときどき消えながらも、ずいぶん長いこと演奏されてました。最後の一、二年は消えていたんですけど、もし97年以降にもXがいたならまたひょこっと復活したんじゃないかなって気がするぐらい。あとから知りましたが、この曲はHIDEちゃんがXに入る以前のサーベルタイガー時代から存在していてなんかデモテープに入ってて、KYOちゃん歌ってました(笑)。ちなみにSg「Silent Jealousy」のC/Wとして新録バージョンが入っています。が、私はVANISHINGバージョンの方が勢いがあって好きです。

05.GIVE ME THE PLEASURE
 word:YOSHIKI/music:TAIJI,HIDE

ほぼインスト。歌ではなくて朗読形式です。なんかライブのOPで「WORLD ANTHEM」に乗っていた英語に似た声が入ってますね(笑)。「えぇ〜っっくす」って言い出しそうな声が(笑)。この曲は私は当然のごとくライブでなんか聞いたことないんですけど、これもHR/HMでは人気ありそうな。

06.I'LL KILL YOU
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

YOSHIKIさんが初めて作った曲。高校のときに作ったっていう話です。高校生なのに「I'LL KILL YOU」(笑)。でも初めての曲がどれだけ形を変えたにせよ、生き残っているのがすごいですわね。これもYOSHIKI節炸裂で、超高速。ツーバスの嵐でうるさいです(笑)。あと、最後にドラがじゃ〜んと鳴るのが大変気になります…(笑)。ライブでドラ鳴らしてたんだろうか…。

07.ALIVE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

このアルバムで初めてピアノが入ってきます。このピアノといい、泣きのメロといい、YOSHIKIさんのドラマチック体質がとてもいい味で、この路線はやっぱり好きです。それにしても、こののちにYOSHIKIのパブリックイメージとして浸透していく要素がこの段階ですでにほとんど出揃っていることにちょっと驚きます。

08.KURENAI
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

「紅」英語バージョン。私はどっぷり日本語バージョンの人なので、ちょっと違和感さえ感じますが、どちらにせよはずせない曲ですよね。そういえば、オルガスムは途中から英語バージョンに変わったけど、紅は最後まで日本語でした。どこで言っていたのか忘れちゃいましたけど、YOSHIKIがどっかで「『紅に染まったこの俺を』は日本語で言いたいと思っちゃったんだよねぇ」とか言ってたような。

09.UN-FINISHED...
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

のちにBLUE BLOODで一曲として完成するこの曲は、このアルバムではタイトルどおり途中でぶつっと切れます。最初は驚きましたよね。でも聞いていると、これはこれで、痛々しいぐらいの状態で切れるのが、悪くない…というか胸に迫るものがあります。

Posted by koko at 12:00 AM | Comment (0)
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