Under the Sun

X「BLUE BLOOD」雑感

2003.08.12(Tue)

「BLUE BLOOD」 released/1989.04.21

これを書くために聞き返そうと思って、久しぶりにCDを入れて「WORLD ANTHEM」が流れ出したとたん、いきなり胸が詰まっていっぱいになって(笑)。あまりにも胸がいっぱいになってマジで涙出てきそうで、ビックリして思わず止めてしまいました(笑)。ビックリ。やっぱり私のなかでは終わらないんだなぁ。5年も経っているのに…。こんな思い出語りページまで作り始めているというのに、WORLD ANTHEMを聞いていまさら改めて実感しました。

初めて聞いたのは91年12月。それまでKOKOは「紅」も「ENDLESS RAIN」も特に聞いたことがなかったので、このアルバムを頭から順に聞いたのがX初体験だったということになります。いちばん最初からとても興奮しました。なんだか好きな曲、好きな要素がてんこもり!って感じがして。

正直、素直にかっこいいアルバムっていうと私は「Jealousy」以降だと思うんですよ。BLUE BLOODはちょっと笑っちゃうような部分がけっこうあるから(笑)。「これは、ちょっと、か、かっこわるいんじゃないでしょうか…?」って思う部分も、最初聞いたときからぶっちゃけありました。実はいまでも、BLUE BLOODにはそういう部分があるとは思ってるんですよ。でも、そういう部分って、Xのライブスタイルとかにもたくさんあることで、笑っちゃうんだけども好きなところだったりするんですよね(笑)。そこまでやっちゃうかっていうね。

しかし、今となっては、今初めてこのアルバムを聴く人がどう思うのかってのはもう想像もつかない世界になってしまっています(笑)。思い入れありすぎるし、さらに聴きまくりすぎてるから馴染みすぎてて客観的になれません。この期に及んで「意外にかっこいいじゃん」なんて思ってしまったりして。でも、最終的には、このアルバムはただただXのライブ見たーい!…それだけかも(笑)。ライブ定番曲のオンパレードですからね。

01.PROLOGUE〜WORLD ANTHEM
 word:YOSHIKI/music:F.MARINO

最初のライブから3年間ぐらいこれがライブのオープニングでした。と言っても生ライブは2回ぐらいしか見てないと思うんですけど、93年のFILM GIGで6回ぐらいオープニングとして聞いたのですっかり刷り込み。LAST LIVEのアンコールのときにこの曲が流れ出したときには、本当号泣でした。あのライブでいちばん崩れた瞬間でしたね。連想がライブに直結しすぎていて、思い入れがありすぎて、冷静に聞けない(笑)。

でも、オーケストラアレンジも壮大で、アルバム的にはとてもかっこいいオープニングだと思います。

02.BLUE BLOOD
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

初めて聞いたとき、この曲ですごく興奮したことを覚えています。こんなハードでかつ聴きやすい曲があったんだと思って。そのころ私、ハードでマイナーぽい曲を探していたんですけど、なかなか見つけられなくて。だからこの曲聞いた瞬間に「これだ」って感じがすごくあったです。この曲はすごく好きだったなぁ…。でもライブでは結局一度も聴いたことがないですね。

しかし、一曲通してカッティングがすごいことになってます。この高速ツーバス&高速カッティングのやかましすぎるぐらいの音のうえに、このメロが乗っているってのが、好きなんですけど。それにしても、出だしからかっ飛ばしてるアルバムだなぁ…(笑)。

歌詞雑感

03.WEEK END
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

これは息が長かった曲ですね。シングルカットのときにはリアレンジもされました。さらには「Rusty Nail」という「WEEK ENDの2章」も作られましたし、そのあとにもまたまたライブでリアレンジがありました。なにせ私のほうが「な、なぜこの期に及んでWEEK ENDをリアレンジ?!」と思うほど後期の話です(つまり3バージョンあったということですね)。曲調としてはXのなかではわりとポップな聴きやすい曲ですが、内容的にYOSHIKIにとって重い曲だった、ということでしょうか。

Xのファンになってすぐぐらいに、ともだちにこの曲のことでXを非難されたことがあります。PVが自殺シーンだったからです。詞の内容も「自殺」のことを書いているとは思います。少なくとも「死」であることは間違いないです(それはYOSHIKI本人が言っていますし)。まぁ、この曲に限らず、YOSHIKIはいつもそういうことを書いていて「死を美化している」とか言われたりするところはありました。でも私は、このときもそう彼女に言ったんですが、彼が死を賛美しているように思ったことはないです。確かに死はYOSHIKIにとっていつも近いものだったと思うけれども、実際危ないときも多々あったと思うけども、でもだからこそ生きようとする姿がとてもキレイなんじゃないかなと思ってました。

…でも「死」を歌ってるから駄目って発想自体が、YOSHIKIとは関係なく、どうかと思う部分があるのですが…その辺を話し出すとYOSHIKIと関係のない話になるので、ここではパス。

さらにさらに。その後のことを思うと、本当にこの辺に関しては迂闊なことは言えない心境になったわけですけど…それでも死を死であるという理由のみで忌避するのはやっぱりちょっと違うかな…と思ってはいます…が、これまたここではパス。

関係ないけどこの曲で「be at one's wit's end」という複合語を覚えました(笑)。ちょーど英語勉強してて練習問題だったところで、TOSHIがまさに答えそのものを歌ってました(笑)。おかげでWEEK ENDを聴いてると受験勉強をふと思い出します(オイ)。

04.EASY FIGHT RAMBLING
 word:TOSHI,白鳥瞳/music:X

珍しいX作曲。でも私のなかでは大変に印象が薄かったりして(^^;;。ほとんど存在も忘れてしまいそうになる曲だったりします。ライブでも聴いたことないですね、これも。

05.X
 word:白鳥瞳/music:YOSHIKI

ここからライブ定番曲。X〜ENDLESS RAINと聞いていたら思いきりライブを思い出したらしく、また涙腺危うかったです。とほほ。

熱い、と言いますか。サビ最後なんて「X 感じてみろ X 叫んでみろ X 心燃やせ」だし…曲として云々というのはなんとも書きにくいんですけど(笑)。でもXのライブってまさにそういうライブだったもんで、どうしようもなくぴったりな曲ですね(笑)。そんで、この曲終わるとTOSHIに褒められるという…。「よくやった!」って(笑)。でもそういうノリに冷静になってしまうとXのライブはすごく寒くなってしまうので、楽しむにはついていくしかないんですけど。

…ついてこれない人、多かっただろうなぁ。毎年5万人(東京ドームの収容人数)もそうやってついてこれる人が集まってたって、いまから思うと奇跡ですね。Xジャンプなんてそうとうアタマイっちゃってないとできない…と、やってた私が思うものなぁ…(笑)。そんなこと言いつつ、その場に行くと率先してイッていたKOKOなんですが(笑)。足攣ってたことありましたね、Xジャンプの最中に。

そうそう。Xジャンプもさることながら、この曲ヘドバンもしてました。この曲に限らず、Xの曲はわりとヘドバン向きの曲多いんですが、彼らの曲で本気でやると倒れます(笑)。とにかくテンポが速すぎるので、あっというまに立ちくらみに襲われるんですよね〜。でもヘドバンしてヨタヨタしてるのってなんかかっこ悪い…(笑)。とゆーわけで「ヨタったらカッコ悪!」という一心で、足踏ん張ってましたけど。あ、あとは血管ヤバイかもと思ったら即切り上げるという割り切りも大事ですね(笑)。やりたいときにやりたいだけやりましょうということで(笑)。なぜかヘドバン講座に…(笑)。

06.ENDLESS RAIN
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

もはや、好み云々を超えている曲の代表です。何回歌ったことか。2000年、EXTASY NIGHT vol.1というイベントに行ったらYOSHIKIがボーカルもいないのにピアノで弾いてくれたんですね。YOSHIKIに「みんなが歌うんだよ」って言われた瞬間、「やべ!歌詞覚えてるかしら私!」(まる二年ぐらい聴いてなかったし、歌ってなかったからねぇ)とあわてたんですが、覚えてました。全部口から勝手に出てきました。YOSHIKIは一番だけやってあとはサビのリピートだったんですが、KOKOは勝手に二番を歌おうとしたぐらいです(笑)。

個人的には「好きなバラード曲」は後半のほうが多くて、実はこの曲はバラードのなかではそんなに上のほうにはいません。でも……聴くと泣けてきますね、やっぱり。思い出に直結してます。

妙に二番Aメロが好きです。「The dream is over/声にならない 言葉を繰り返しても」ってところ。歌詞もアレンジも、TOSHIの歌も。

07.紅
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

これまた冷静に聞けない曲です。このアルバムはこんなんばっか。最近だと「Forever Love」が代表曲になった気がしますが、リアルタイムで知っていた世代の人にはやっぱり紅が代表曲だったのでは?KOKO的には意外なぐらい、世間的にはこの曲の存在は大きかったなぁという印象があります。92年だったかな?何もリリースしてないのに紅白に出場して(YOSHIKIがテーマ曲書いたからですけど。関係ないけど、XはずっとNHKと仲良しでしたね…)、そのとき紅やったんですよね。その時点でもすでに3年も前の曲だったのに。そのあとも、HEY!3とか最後のSUPER LIVEとか、紅はテレビで演奏されてますね。

ライブではツインギターの印象が強いです。紅っつーと、真ん中でHIDEちゃんとPATAちゃんが並んで弾く姿がぱっと浮かびます。あと、うしろでいっしょにヘドバンしてるTOSHIとYOSHIKIとか。

ところで、ライブでの印象が強すぎて…BLUE BLOOD版はギターのアルペジオの前にあんなんがくっついてたんですね〜(笑)。聴き返すまですかっと忘れてました。あ、あと、テレビでやってたYOSHIKIのピアノで始まるバージョンも好きでした。

私はそんなにむちゃくちゃ好きな曲ってわけじゃないんですけど(ENDLESS RAINに続きファン失格っぽい発言…(笑))、この時代のYOSHIKIをすごく象徴している曲だと思います。デビューの年、大竹まこと氏(彼はどーゆーわけかデビュー前からずっとXの、YOSHIKIの、よき理解者でありました)の司会のテレビ番組に出てまして、大竹氏がこの曲におけるYOSHIKIの絶望感に言及したところがあって、大竹氏をちょっと尊敬してしまいましたね。とても直感的で本質的な理解かつ共感であったような気が。

08.XCLAMATION
 music:HIDE,TAIJI

インスト。HIDEちゃんはアルバムに一曲はこういう曲を入れてますね。このアルバムは特にYOSHIKI曲が多くて、YOSHIKI色が強いので、この曲があるのとないのじゃイメージかなり違いますよね。ちなみに、このアルバムはその時点でのXのライブでの定番曲を片っ端から収録したのでそういうこと(=YOSHIKI曲めった多し)になったんだろうと勝手に推測してますが…。

09.オルガスム
 word:白鳥瞳/music:YOSHIKI

またライブ定番曲。やらなかったライブなんかないんちゃうの?という気さえします。そういえば、この手のライブで熱くなる曲っていうのは、結局YOSHIKIはデビュー前に書いた曲で最後まで押し通して、新曲がほとんど増えなかったんですね。増えたのは「Standing Sex」だけでしたね。そうか。増えなかったから悩むこともなくずっと定番曲が変わらなかったんだなぁ。

ライブでの印象というと、またまたヘドバンと、YOSHIKIのCo2撒き散らしとドラム破壊。つまりYOSHIKI大暴れ(笑)。おかげでこの曲、ライブでは中盤がものすごく長いんですよね。その間ずっと掛け合いをしてるので、いつも途中で「か、勘弁して…」と倒れそうでした(笑)。10〜20分も腕振り回させられていたらだんだん「限界に挑戦!」という趣になってくるんです。ENDLESS RAINのコーラスとこの曲のYOSHIKI暴れパートとどちらのほうがより長いかって感じでしたよね。

でもその中盤部分、アルバムには入ってないけど、かっこいいと思いますです。あと後期94,5年からじゃないかと思いますが、ライブでは英語バージョンが演奏されるようになりました。個人的には、オルガスムは英語でも日本語でもいいやという感じでした。

10.CELEBRATION
 word:HIDE/music:HIDE

いまもときどきDope HEADzが演奏しているので、89年の曲って思うとなんかビックリしますね。10年以上前の曲ですか…。

Xでのこの曲といったら、VIDEO「VISUAL SHOCK vol.2.5」収録のPVでしょうね。YOSHIKIさんのシンデレラ。青いドレスにティアラまでつけて、可愛かったです(笑)。いや、もう、コントみたいな安い映像でしたけども(笑)。シンデレラはすごーく人気があって、コスめっちゃ多かったですね。YOSHIKIコスの代表格でしょう。個人的にはあの、前髪をたくさん下ろした独特のポニーテールがめっちゃ好きな髪形でした。昔、イラストを描いていた頃は、シンデレラは一度ぐらいしか描いてないと思うけども、この髪型は落書きでよく描きましたね〜。

ライブでは、Xには珍しい踊れる曲でした(紅もXも踊るんじゃなくて暴れる曲で、息も絶え絶えだし)。「Joker」もときどきやってたけど、どっちかっていうとCELEBRATIONのほうが多く聴いてましたね。「HIDEの部屋」でhideソロバージョンのCELEBRATIONをやってたこともあったし。

11.ROSE OF PAIN
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

11分ぐらいある大作ですね。ライブで演奏されたのを聴けたのは初めて行ったライブだけでした。でも最初にこのアルバムを聴いたときからこの曲はすごく好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。悲劇的で壮大で、重たくって、「ALIVE」でも書いたYOSHIKIのドラマチック体質がすごくよく出てます。私もYOSHIKIは確かに、市川哲史さんの言うとおり、構成力はすごくある人だと思うんです。いや、まぁ、そうでなきゃ30分の曲なんか作れるはずないんですけど(笑)、でもそれはわりと天性のものなんじゃないかなという気がします。この曲でも十分その力はわかるんじゃないかなと思ったり。でも、いま聴くとバックの音はやっぱりちと古いですかね〜…。もろにハードロックの様式美ですが、J-ROCK界ではハードロック自体がほとんど死に絶え状態の現状としてはね…。でも私はやっぱ好きだなぁ…。

有名なエリザベート・バートリ伯爵夫人の逸話を題材にしてまして、単純な私は元ネタとなった澁澤龍彦の「世界悪女物語」を購入しましたね(笑)。ただ、詞的にはそういう映像的なイメージがくっきりある分、YOSHIKIの心象世界もその映像に完全に託されてる感じ。最初の部分と、サビ部分と最後の語り部分がYOSHIKIの視点…かな? 私は好きな言葉多いんですけど。最後のサビで英詞のなかに一言だけ「苦しい」って日本語が入ってくるところとか、最後の「In eternal madnees we live/Even if it was just a dream,/now pain,nothing but PAIN!」の部分とか。どっちも、最後に我慢できないように単刀直入な表現になっているのが、切実で痛くて好きです。

12.UNFINISHED
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

前作VANISHING VISIONで途中で切れていた曲の完成版ですね。ピアノと弦の、とてもきれいな曲。同じバラードでもYOSHIKIさんはXでは、ENDLESS RAIN系統のバラードは多く書いてるんですけど、こちら系統の曲は案外少ないですね。CRUCIFY MY LOVEぐらいですか。とてもとても好きな曲です。

冒頭で「このアルバムはちょっと笑えるところも…」とか書きましたが、ROSE OF PAIN〜UNFINISHEDの流れはとてもきれいだと思います。個人的にこのアルバムでいちばん好きなパートですね。

Posted by koko at 12:00 AM | Comment (0)
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