ハゲタカ
2008.09.12(Fri)
両親が、私が実家に帰るたびに大絶賛だったこのドラマがとても気になってました。って、両親が絶賛したところで何の意味がという感じだと思いますが(笑)、まぁ要するに普段はそんな両親じゃないわけですよ。録画するのは出かけて見られないときだけだし、保存とかしないし、普通に見て流すだけなんだけど、ハゲタカはずっとレコーダーのなかに居座っていて(笑)。しかも、私がレコーダーをいじるたびに思い出すらしく「ハゲタカ面白かったよねえ」「ああ、あれは面白かったなあ」「何回も見てるのに見ると見入っちゃうんだよねえ」「そうなんだよなあ」という会話を毎回するのです(笑)。毎回大絶賛です(笑)。で、「最初から録画しておけばよかったんだけどねえ、途中からなのよねえ」とか悔やんでたりするわけです。両親がそんなことをするドラマは他にないので、どんだけ両親をひきつけたのかと気になってたわけです(笑)。
なにせ主なきっかけが両親なので、萌え的要素はまったく期待はしてなかったのですが、良質で骨太な作品というのは、特にキャラ萌えとかなくても、その良質さに萌えることができるわけで、そういうのを期待して見てみました。映画のクライマーズ・ハイを見て、骨太良質作品を見たい欲求が高まってたのもあります。
で、見ました。超ヤバイ!!!ものすごいおもしろいじゃん!!!NHKすごいです。ここはさすがNHKと言うべきなのかな。あんまりNHKドラマって見たことないのでわかんないけど、しかし、このドラマは民放では無理だなあと思います(笑)。内容的にも(笑)。1話からもうすごいテンションが高い…というかすごい緊張感で隙というものがありません。で、最終的には泣いた(笑)。
主人公鷲津を演じるのは大森南朋さん…「すみません、誰??てかなんて読むんだこの名前」って感じだったのですが(すまんです)、見ると私が見てるドラマとか映画とかにけっこう出演してはる…。「ええ〜??どこにいた誰…??」と途方に暮れましたけど、どうやらタイガー&ドラゴンで出てたときのキャラは思い出せました。スチャラカデザイナーです(笑)。ああ…そういえばあの人こんな感じのもっさりした顔立ちだった気がする…が…。どうやら鷲津は普段の役柄とはまったく違う路線のようですが、でも、この人きっとすごくうまいですよ。鷲津はむっちゃ複雑な役どころだと思いますが、あれだけ難しい役を説明的台詞もほとんどなく表情とかの演技力だけで伝えて、共感させて泣かすんだから。最初はもっさりした顔立ちの人だなぁとか思ってたのに気がついたらメロメロにされてて、最後はむっちゃ泣かされてましたしね^^;。
しかし、主演は大森さんですが、脇どころすごい役者を揃えてますよね。そこで大森さんが主演になる時点でNHKにしかできんなという感じです(笑)。
柴田恭兵はさすがですが、ずいぶんやつれたな〜なんて思ったら、このドラマの撮影途中で癌でお休みして復帰したんですね。なるほど。苦悩っぷりがハマってます…。あまりにも苦悩しっぱなしなので、胃のほうは大丈夫ですかと心配になるほどでした。むしろこっちの胃もやられそうなほど^^;。三島製作所での切々とした訴えには泣かされました。芝野はいい人ですが、いい人すぎてけっこう難しい役どころだったと思います(銀行もよくよく考えてみるとアレですからねえ…)。飯島常務の「お前はいつもかっこええな…だからだめなんだ!」はむっちゃよかったなあ…。その前の芝野、そのあとの沼田さんと合わせて私的には名シーン。
松田龍平はなにやらテレビドラマは初出演だったとか。徹底して映画役者だったんすね。知らなかった。しかも、元を正すとこの役最初は獅童だったそうで、それが例のドタバタで自主降板、代役で龍平だったらしいです。で、年齢も違うわで設定かえーの脚本書き直しーのすでに撮影に入っちゃってたらしく撮り直しもしーの、大変だったんですね。しかし、獅童には悪いけど、龍平でよかった。獅童だったときは多分鷲津ともっと対等のライバル関係になってたんでしょうから(同世代のはずなので)ハイパー対ホライズンの争いには緊張感が出たかもしれないけど、龍平になったことで鷲津と世代がズレて、それが結果的に芝野←鷲津←治という重層的な構造になったのがよかったと思う。それに、龍平はすごいいい味を出してました。本当雰囲気のある役者さんですね。繊細さとちょっとイっちゃってる感じと若さと…脚本から見える以上に深みのあるキャラクターになったんじゃないかなあ。
千明さまはさすがにちょっとこの布陣のなかだと若いなという感じで、キャラも最初のうちはアホみたいに突っ込んでくるばかりで「どうどうどう」って感じでしたけど、後半は落ち着いたのでよかったです。最終回辺りになってきたらよかったですし。それに年月が経ったことがわかるキャラクターになってたのは見事でした。全体をリピートしたら三島という役の構成上の配置はわかってきたんだけど、その複雑な感じが特に前半は演技から見えてこなかったのが惜しかったといえば惜しかったんですが(最初の方単純に鷲津に食ってかかってるようにしか見えないし…本当は彼女には最初から鷲津に対してもっと複雑な思いがあるはず)…しかし、それを出すのは難しいよなぁ、と。で、じゃあ誰ならよかったのかと聞かれるとわからないし、やはり最終回辺りの三島はすごーくよかったので、ま、やっぱり千明さまでよかったなと(笑)。あと、最初のうちから女子力出さないキャラだったのでそれは本当によかったです!(力説) 誰かとほんのりいい感じとか全然なくて(笑)。そう、家庭とか全然出てこなかったんですよね。超好印象!!鷲津は出てこなくても不思議じゃないけど、芝野さんとかはね、いかにもいい家庭とか出てきちゃいそうじゃないですか(結婚指輪してるしね)。でもそういうのが全然出てこないのがいい!!
いや、それにしても本当すごいドラマでした。最初の方は超切れ味鋭いビジネスドラマかと思いましたけど、最後はもうマジで泣かされた。最終回とかいたるところで涙目でした。人情方面に方向転換してしまったように思った人もいたようですが、あとから考えてみるとサブタイトルはRoad to Rebirth、最初からそういう話だったんだなと。鷲津もハゲタカとして描かれていたけど、実は最初から根っこは同じでやろうとしてることは変わってないんですよね。駄目経営者は駄目だとはっきり切り捨てるけど、西野さんの気持ちもわかってたしちゃんと治と一から出直せばいいって未来を示してたし(西野さんは持ちこたえられなかったけど…)、サンデーの社長も根っこはちゃんと理解してたし…。あの子どもの口のエピソードはよかったですね。
切れ味鋭いのは前半1〜3話ですけど(特に完成度としては1話が最高の出来かと。この回で賞を取り捲ったのもうなずけます。宇崎竜童の演技がすごすぎて鬱になれるけど(笑))、繰り返し見たくなるのは後半、特に5,6話かな〜。この2話は本当に濃密で見れば見るほど、いろんなことに気付くというか。正直あと2話、いや、1話…いや、せめて民放ドラマみたいに最終回スペシャルで30分延長だけでもあったらなぁという感じもあるのですが(特にEBOに関しては本当はもっと書き込むとよかった気がしますしね)、でも、そのぶんギリギリまでそぎ落とされてますから、役者さんたちの演技で行間を読みまくりって感じになってます。5話の最後の鷲津と西野の対面シーンとか二人とも表情とか目線とかすごすぎます。台詞なんかほんの3、4言しかないのに表情と目だけで演技してて。5,6話の鷲津の表情とかすごい繊細な演技の連続です。リハビリのときとか。三島から小切手を受け取るときの鷲津の表情の変化とか。西野に気がついたときの表情とか。あ、あと、三島の留守電のメッセージを聞いてるときの鷲津も好きだ。
役者さんたちがみんな台詞だけではなく表情とか目とかでむっちゃ演技してはるので、まったく目の離せないドラマで、ながら見が一切できませんけど、その時間と集中力の価値はあるドラマなので、見る人が増えたらいいなぁと思います。マジで。って、もう一年以上前のドラマですけど…。あうー!!DVDむっちゃ欲しいー!!未公開未公開未公開!!買っちゃおうかな…。