KOKO日記

WFS No.34

2008.09.25(Thu)

高橋さんはちょっとずついるぐらいでそんなにたくさん載ってたわけではないのですが…なんというかいろいろあった号なので、立ち読んだ結果買ってしまいました。

日本では例のコーチ変更の件については最初の頃に少し煽情的な記事が出たぐらいであまり詳しく取材した人はいませんでした。特にモロゾフについてはJapan Times、IFS、icenetworkぐらいで、日本の記事では一度もインタが出てきてなかったんですよね。織田君の記事はときどきありましたが、コーチの件についてはあんまり触れてなくて、そういうのに触れてたのはやはりアメリカの記事だけ。というわけで、日本では触らぬ神に祟りなし方向になるのかな〜と思ってたんです。確かにいい話には到底なりそうにもないし、見るのも不快な記事になる可能性も高いわけですが、やはり足並みをそろえて誰もこの件について触れない…っていうのも「日本のマスコミはこれだから…」って感じも受けちゃうなぁと思ってたりもしたんです。

でも、意外なことに、WFSは…というか田村明子さんはがっつり正面からこの件について取り組んできました。Daysは多分書かないように思いますし(ニフティというネットで即時性の高い発表の場がある青嶋さんが今まで一度もまったく触れてもいませんし…)、多分この件について日本で書くのはWFSだけになりそうな気がします。
田村さんは選手の記事を書くだけではなく、ルポタージュ的な著作もあるので、日本でこの件を書くとしたら田村さんだろうとは思っていましたが、もっとあとになるかと思っていました(それこそ「氷上の光と影2」出版の暁ぐらいかと(笑))。いやあ、GJ!だよなやっぱ。

それにしても、あまりにもモロゾフはヤバイです(笑)。またまた酔っ払っているのでしょうか……。

今回雑誌の端々でなんとなーく「フィギュアスケートにおけるコーチと選手とは…」というテーマが出てきます。まず、冒頭にやはり今季コーチ変更をしたベルビン&アゴストのインタビュー。彼らがリニチュクのところに移動したとたんにロシアのドムシャバもリニチュクのところにやってきて同じコーチの元でトップ選手がかち合った形になったので、高橋&織田、ジョニー&ランビの件に次いでオフにコーチ問題で話題になった選手です。でも、高橋&織田の件でみんな問題になることを警戒していたのか(笑)、この2人については記事でも最初から問題はないと表明されてましたけどね。今回のインタもそういう感じでいい感じです。

それから織田君のインタビュー、村主さんのインタビューが続き、ワンクッション置いて問題のモロゾフのインタビューと続いていきます。
まず織田君。モロゾフとのコーチ契約の経緯について彼は「昨年の東京世界選手権が終わってから、モロゾフ・コーチから何度かお誘いがありました。最初はお断りもしたのですが、いろいろと考える機会もあり、本人とも会って話し合いなどもしてみて、お願いしてみることにしたんです」。
全体の内容についてはいろいろ気になる部分がありました。モロゾフのことをどう思ってんだろうか?とか。モロゾフのプロについて織田君は「ニコライは得点優先で構成していく」。ローリーのプログラムについて田村さんが「彼は本当はローリーのプログラムを自分流に変えてしまいたいのでは?」と聞かれると「そうなんです(苦笑)。でも最近では、全部を変えてしまうのではなく、部分的な指摘をしてくれるようになりました」。うーん……。正直に言ってモロゾフのことを師として尊重しているようには到底見えないです。でも今のモロゾフは相当壊れてそうなので、その結果なのかもしれませんが……。
それからカナダについてもちょっと。本当なんでしょうけど、事実であってももう少し言いようがあるというか。テレビのドキュメンタリーで、すごくバリーのホームステイ先のご家族の方たちは良くしてくれていたように見えたから、ちょっと残念な感じもありました。日本の雑誌だからいいと思ってるのかもしれないけど、英訳してあちらの掲示板に流す人もいますから、あちらの人が見ないとは限らないし、見たらカナダのファンはどう思うでしょう?日本のファンも日本のことをくさすスケーターがいたら(リップサービスでも、好きと言ってくれるスケーターが多いですが)やっぱりがっかりすると思いますし。
続いて村主さんのインタ。こちらは美姫とのことについては触れていませんが、モロゾフのプロについては……織田君と似たり寄ったりの発言に見えます。うーむ。

そしてアイスショーのレポを挟んで問題のモロゾフインタ。いやあ、ちょうど雑誌の真ん中辺りで、たった2Pのインタですがなんかこの雑誌の中心記事みたいな感じ。
まぁ「問題の」としか言いようがないです。まず、冒頭に田村さんの前置き。異例の長さです。それはモロゾフに「自分の言ったことをすべて書くこと」という条件を出されたため。そして田村さんは「彼の要望どおり、彼の発言をできるだけ忠実に再現してまとめた。その内容には明らかな矛盾も見られるが、最終判断は時間の経過とともに読み手側に下していただきたいと思う」と前置きしています。田村さん自身の感想は「彼の言葉は、語った対象のことよりも、ニコライ・モロゾフという人物本人を表現していると私は解釈している」。読んだ私の感想もまさにこれでした。

まずモロは高橋さんについて(田村さんが高橋さんの名前を出したのではなく、モロのほうが最初に名前を出してます)「彼のジャンプが完成したのは、ぼくが教えたからです」「彼が今の完成作品(作品?!(怒))となったのは、ぼくとカルロス(トリノオリンピック時のトレーナー)、そしてダイスケの3人だけの力です。ほかの誰の力もまったく借りていません。なのに、彼はぼくの元を去ってしまって、ものすごく失望しましたし、今でも怒っています」。うーん、もうね、ここらへんですでに読む気力を喪失してきます…。
てかねえ、このインタビュー8月なんです。もう、高橋さんが別れを告げて3ヶ月以上経ってるのに、いまだにこんな公の場で自分が育てた選手に怒りをぶちまけてるコーチって…。3人だけの力とかって、高橋さんのジャンプが安定したのはトリノじゃなくて06年だし(カルロスについていた05年は一度もクワド跳べてない)。日本でずっと高橋さんを支えていた歌子先生も本田さんもトレーナーもまったくアウト・オブ・眼中なんですよね…。まぁ一月のIFSの高橋さんの特集のときも、笑えるぐらいモロゾフの自分自分アピールばかりで、あの頃は特にモロに含むところはなかったのにそれでもうんざりした部分もありましたもんねえ…。あのときも「彼が日本にいるときは歌子に預けている」とか言っちゃって、「逆だろ!!歌子先生が!!お前に!!預けてるんだよ!!自分アピールもほどほどにせえ!!」とか思ってましたもん……。
経済的な問題ですか?と田村さんに聞かれて、お金のことは関係ない。エージェントが昨年の夏に変わって(実際にエージェントが変わったのはその前の年の年末だったはずだけどね)、それまでこちらが仕切っていたことに口を出してくるようになった。トレーニングもプリンスがあるからできないとか、衣装も日本で作るとか言い出したこともあった、こちらはボリジョイで何十年もキャリアがあるような人間を用意しているのに、みたいなことをぶちまけているのですが、そこら辺はやはり経済的な事情が根底にあったんじゃないのかなと思うのですが(苦笑)。衣装を日本のものに変えようとしたのも普通に節約だったのではないですか?モロゾフお抱えの衣装屋さんの衣装がお高いであろうことは見ればわかりますしね。ショーに出まくってたのもお金のことがなかったとは思えないですし。モロゾフでバンクーバーまで行く予定だったこと、そしてバンクーバーに向けて今後ショーに出づらくなっていくことも考慮したら、モロゾフにかかるお金はすごく高いわけですから、今のうちにという部分もあったんじゃないでしょうかね〜。勝手な推測ですけど。高橋さんはもともとお金にゆとりのある環境ではありませんし、基本的に彼は彼自身の得た収入ですべてを賄っていかなければならないであろう環境です。私は、そういう事情をモロゾフは理解してくれていると思ってたのですけど、今思えば全然理解してなかったんだな(苦笑)。
あと、エージェントに関しての話題が初めて出たJapanTimesのインタビューのときには、まったく予想もしてなかった方向の話だったので「高橋さんのエージェント…大丈夫なんだろうか?」と心配になった部分もあったのですが、逆に今回のインタビューを見たらエージェントさんは大丈夫なように思いました。結局、モロゾフの怒りはやはり高橋さんが自分の言うとおりに動かないことにあったようですので。靴に関してもJTを読んだ感じだと単にエージェントの手落ちで発注が遅れたのかと思っていたのですが…今回のインタビューを読むとそうじゃなかったかもしれないなと思います。推測ですけど、衣装と同じように、モロ指示に従うか否かでモメていた部分もあったんじゃないかなと。まぁそこでモメてたんだとしたら、そんな大事な時期に何やってんだとも言えますが…でも、そっちが実は高橋さんの意志だった可能性もありますからね。靴、変えたくなかったのかもしれないじゃないですか(モロゾフは衣装も靴も最終的には自分の意志を通したと言ってます)。
そりゃまぁ高橋さん&エージェントが万事モロの言うとおりにしていれば波風は立たずに済んで、高橋さんはワールドに集中して臨めたのかもしれませんが…しかし、今、改めて去年のカッティングエッジのインタビューなどを読み返すと、高橋さんはその時点でも本当はモロゾフに対して自己主張をしたい部分もあったんだろうな…という感じも受けるんですよね。それを思うと、やはり今後ずっと唯々諾々とモロゾフに全て従い続けるというのは無理だっただろうなと。だからこそ、高橋さんは年末年始ごろから徐々に自己主張を始めていたのだと思うのですが、なにせモロゾフはそもそも高橋さんに意志があることすら認めてませんしね……^^;。今回の訣別も、エージェントの意志だと思ってるぐらいだし^^;。どんだけ人形だと思ってるんだ(苦笑)。あるいは「自分の作品」ですか(苦笑)。そう思うと、エージェントうんぬんを置いておいても、最終的にはこの2人の関係は遠からずパンクしたんじゃないかなと思わざるをえないところがあります。

ところで「織田選手にトレーニングをしないかと初めて声をかけたのはいつですか?」という質問へのモロの答えは「ヨーテボリ世界選手権が終わってからです」でした。…………当の織田君が同じ雑誌の5Pほど前のページで「昨年の東京世界選手権が終わってから何度かお誘いがありました」って答えてるんですが(苦笑)。織田君のインタも行なった田村さんが「私は複数の情報筋から(織田君の名前を出さなかったのは織田君に対する気遣いでしょうかね。選手とコーチの関係をこじらせちゃいけませんしね)、もっと早い時期からだと聞いていますが」と突っ込みが入ると、モロゾフは「日本には、いろいろと勝手に話を作って好きなことを言う人がいるでしょう。どんな話が出回っているのかについては、ぼくはまったく興味がありませんね」。…………当の織田君が勝手に話を作っている、と?(苦苦苦笑) 前々から思っているのですが、この2人は話のすり合わせとか一切する気がないのでしょうかね???これじゃモロゾフと織田君はどんな狸と狐の化かしあいだって感じですし、傍から見てて、「なんと信用のできないヤツラだ」って感じになりませんかね?人事ながら、本当人間としての信用を失い続けてると思いますよ、この2人^^;。特にモロゾフの信用は完全に地に落ちたと思いますが、正直織田君の信用のほうもこのコーチの件に関しては地上あと1cmぐらいなところまで落ちてると思います……。
ちなみに村主さんはすごくいい子だから、引き受けたんだそうです。織田君については、「ダイスケの代わりに神様がくれた贈り物」(ダイスケの代わりって。贈り物て。つくづく人を人扱いせず、モノ扱いするのが得意ですね、こいつは)、そして美姫についての話がまたアレで「彼女はとても扱いが難しい子だから他に誰も彼女のことを引き受けない。そんな彼らが間違っていると証明するために、彼女を教えているんです」。うーんうーんうーん。

あと、日本のスケ連について不平たらたらで(それについてはまぁいろいろあってもおかしくはないので、別にいいのですが)、「日本の選手との仕事は織田君が最後です」と、日本スケ連との縁切り宣言をしているのですが、田村さんが「あと、ジュニアでは村上大介選手も教えていますね」と聞くと(村上くんはまだジュニアなので、彼に教えていたら織田君のあとも日本の選手を教えることになるのでは?という意図の質問)、なんとモロゾフは「彼はアメリカの選手ですよ。だから日本の連盟とやり取りする必要はありません」ですって。「アアアアメリカの選手?!何言ってんの、モロ!!あんた本当に記憶とか大丈夫?!マジで若年性痴呆症とかなってないでしょうね?!」とこっちが動転ですよ(苦笑)。ちなみに村上君はアメリカ在住だったので以前は確かにアメリカ所属だったのですが、去年日本に移籍して、去年からは日本の選手として登録しています。ついでにモロが村上君についたのは去年のことなので、モロ的には日本選手としての村上君しか教えていません。さらにさらに、モロは去年近畿ブロックまでわざわざ村上君のために来ています^^;。まぁ英語のほうが得意なぐらいの村上君なので、すっかり記憶が錯綜してしまっているのかもしれませんが……しかしコーチが自分のとこの選手の所属の国を間違えて覚えてるって、そんなぁ〜^^;。
で、この「村上君はアメリカ選手」との爆弾発言を残して、モロゾフは勝手に席を立ってインタビューを切り上げてしまいました。いやはや、モロゾフはこの勘違いをその後修正できたのでしょうか?^^;

そんなこんなで、たった2Pなのに、破壊力抜群のモロゾフインタでした。まぁでも、織田君村主さん、そしてモロゾフと三人のインタを続けて読んだら、まぁこの人たちはコーチも選手もお互いにいいとこどりできりゃいいんだろうなって感じなので、勝手にやってなされという感じにもなってきます。特に織田君とモロに関してはお互いに好き勝手な発言ばっかりしてて、お互いにお互いのメンツとかを思いやる気持ちもなさそうだし、お互い様っちゃお互い様なので、逆にいいコンビかもしれません。

雑誌後半では、キャンデロロのインタビュー。キャンデロロは「先生に対して尊敬や恩義を感じると言うのは流行らないのかもしれない。みんな、新しいコーチが新しい方法をもたらしてくれると信じていて、まるでスーパーで買い物するみたいに「これとこれがやりたい」とコーチに要求する。対価にこれだけ払います、とね。でも、一万人もの観衆が見守る中でリンクに出て行って滑るのはたったひとりでできるものじゃない。コーチが背後からパワーを送ってくれて、どんな結果でも受け止めてくれることが大事です。選手とコーチは、本来そういう信頼で結ばれた関係でなければならないと思うよ」と、コーチと選手の関係について語っています。

さらにゲーブルのロング・インタビュー。実は彼はやはりコーチといい別れができずに、すごく傷ついた人でした。その当時のことを「フランク(離れたコーチ)とは何がいけなかったのか、今でもよくわからないんだ」と語っています。高橋さんのことについては「モロゾフはたくさんのプログラムを作っていますが、彼のような情熱を持ってステップをこなせる選手は他にいません」と褒めてくれています。そして田村さんが「彼はもうモロゾフの元を離れてしまいました」と話を向けると、「ええ、ウワサは聞きました。彼の気持ちは、よくわかります。僕もまったく同じ経験をしましたので」と高橋さんの気持ちを慮ってくれました。「誰が一緒にトレーニングをすることになっても、そのこと自体は大きな問題ではなかった。でも、あれほど信頼して密な関係を築いていたと思っていたコーチが、ぼくに事前に話をしてくれなかったことは、ショックでしたし、こちらを尊重する気持ちに欠けていると思いました」。高橋さんはモロとの件については一貫して「自分を一番に見て欲しかった」という理由しか述べてませんが、経緯を見ていれば結局のところモロの行動(自分の知らないところで織田君を引き受けていた)によって、モロに対する信頼が壊れてしまったことがやはり決定打だったと思います。そういう気持ちをゲーブルは代わりに語ってくれたように思います。

そんなこんなでモロインタはつくづく後味が悪かったわけですが、雑誌全体で見るとなんとなーくそこはかとなーく高橋さんを応援してくれているような感があり(笑)、最終的には手元においておこうという気分になった次第でした。

Posted by koko at 05:58 AM