Under the Sun

Archive/October 2003

2003.09.21 FILM GIG '03 featuring ART OF LIFE at 日本武道館

[ライブレポ] 2003.10.28(Tue)

2003.09.24に発売されるDVD「ART OF LIFE -1993.12.31 TOKYO DOME」記念(なのか?)のFILM GIG。2002年にYOSHIKIは「またFILM GIGをやりたい」とは言っていたものの、まさか本当にやるとは思ってなかった(しかもこんなに早く(^^;;)ので、発表になったときは目を疑いましたね〜。

おおまかな内容。

詳細はあとで述べるとして、とりあえず大まかな内容を書きます。

まず、いちばんのトピックはYOSHIKIがこなかったこと(笑)。いやぁ、びっくりしましたね。まさか来ないとは想像だにしてなかった。バイト先のXファンの子に「YOSHIKI来るよねぇ?」と訊かれたときに「来るでしょー?だって来なかったら、なんのためにやるんだ?って感じじゃん」とか言ってしまいましたよ、私。

FILMの内容は、2002年の「FILM GIGS〜X-JAPANの軌跡」を多少再編集プラスART OF LIFEという感じでした。でも追加映像もちらほらあったため、最終的には3時間半に及ぶ長大なFILMでした。いやはや…長かった…(笑)。

そして、最後に「Without You」が流されました。そんな感じでした。

以下、覚えている限りのレポを書いてみますが、基本的に2002年のFILMと同じなので、違うところを書いていきます。

ステージ

武道館に入って、そのステージにビックリ。アリーナがないらしいとは聞いていたけど、本当に8面スクリーンだとは…いや、8面はなかったかな?6面ぐらいでしたか?

アリーナにはなにもなく、ぽつんと中央に6面スクリーンが立てられています。スクリーンは二階席から見て真正面ぐらいの高さに設置されており、その下には何もありません。というわけで、スクリーンの内側の床が見えてます。機材がちらほら置かれているだけで、武道館の床が丸見えです。これでは、YOSHIKIが隠れていられる場所がありません(笑)。このステージでYOSHIKIが登場しようと思ったら、FILM GIGがやっている間ずっと空中に浮かんだままスクリーンの内側に潜んでいるか、あるいは引田天功ばりのマジックを使わない限り、不可能。いやぁ、行ったとたん「……これじゃYOSHIKI出られない……いないのか……」と思い知らせるためにこんなつくりなのかとか思っちゃいましたね(笑)。それでも2%ぐらいは「もしかしたら、私が思いつかないような出方で、どうにか出てくるかも…」とか思ったりもしてましたけどね。やっぱりいなかったです。そりゃそうだよね…空中に浮かんだまま3時間半も過ごせないよね…(笑)。

家庭訪問そのいち

オープニングはいきなり何の前触れもなく、93年のFILM GIGツアーのときに使われたオフ映像の「家庭訪問編」の映像でした。なんかいきなりTOSHIの家に訪問、TOSHIが出迎えてくれるという…。これは予想外のオープニングです(笑)。個人的に93年のツアーでこの家庭訪問編は5回も見たはずなのですが、何にも覚えてなくってビックリしました(笑)。

まず、TOSHIがLAの自宅でカメラを出迎えてくれてLAでの生活をちょろっと紹介(ってほど話してないが。ほとんどスタジオにいます、ぐらい)。続いて「メンバーの家に行きましょう」ってなって、カメラに向かって「Let's Go!」。わぁ、TOSHIが気障だ(笑)。で、車で向かったのがHIDEちゃんとHEAちゃんが住んでいたところ(PATAちゃんもですっけ?PATAちゃんは違った記憶だけど…)。TOSHIが車から降りると、アパートメントの屋上にHIDEちゃんが立ってて、そこでウルトラマンとかおさるとかまるで筋少の大槻ケンヂのようなアクションを見せてます(笑)。で、TOSHIがHIDEちゃんのお部屋を訪問。すると、ドアを半分だけ開けたところにHIDEちゃんがしゃがみこんて、部屋の外に出てきちゃいました(見せたくないらしい)。そのまま、二人でHEATH部屋を訪問。HEATHはスーパーファミコンを一生懸命やってます。うわぁ、ほーそーいー!! で、HEATHの部屋のチャイムがなって、HEATHが出ると、愛猫コテツを連れたPATAちゃん。4人そろったところでYOSHIKIの部屋に行くことに。そのときHIDEちゃんが固定電話で確認しているのですが、TOSHIが電話線がつながっていないとツッコミ(笑)。HIDEちゃん、「携帯電話」とか言って、固定電話を外まで持っていってます(笑)。

車に4人(いくらなんでも狭そうだ)乗って、YOSHIKIの家に到着。ガラス張りのおうちですね。この辺からTOSHIとHIDEちゃんが二人で「ここが姫の家です」とか、姫姫連発(笑)。いやぁ、確かにときどき彼らがYOSHIKIを姫と呼んでいたのは覚えているが、ここまで姫姫言ってましたっけ〜。なんかすごいんですけど(笑)。で、TOSHIが「この家、セキュリティがすごいんですよ。無理にあけようとすると、(ガードマンとかが)いっぱい来ちゃう」と開かないドアの前で説明をしていると、HIDEちゃん、あいかわらず持参している固定電話の受話器に、「開けゴマ!!」。ドア開きました(笑)。なんだろう、この小ネタは…(笑)。

部屋に入るといきなり「NUDE」の表紙写真が額入りで飾られていたり、バイオリンを発見してTOSHIが「姫、最近始めたらしいんですよ」とか、4人でYOSHIKI宅を勝手に探索。さらにTOSHIは「あっ!あんなところに!」と何かを発見、HIDEちゃんも「やつらが!!」と、二人で大はしゃぎ。何かと思えば、やつらです!スターライトYOSHIKI!(笑) ケースに入ってしっかりスターライトYOSHIKI三体が飾られておりました。さらに寝室でも、HIDEちゃん大はしゃぎ。っつーか、YOSHIKI宅でのHIDEちゃんとTOSHIのはしゃぎっぷりにはビックリです。なにがそんなに楽しいのか…(笑)。あと、プールも行ってましたね。で、TOSHI、HIDEちゃんに「ここであれ録ったのよ。配るCDの…ほら、日本で4人でやったじゃん」と説明。TOSHI「YOSHIKIにここでインタビューしたのよ」HIDE「誰が?」TOSHI「……俺が(笑)」HIDE「……(笑)」。……ま、なんでメンバーがメンバーにインタビューをしているのかというツッコミはナシにしましょうね。

で、YOSHIKIを探していると、シャワーの音が。またまたHIDEちゃんとTOSHIがさんざんはしゃいで煽ったところで、スターライトYOSHIKIシンデレラの子付きで「ここから先はお見せできません。Xメンバー一同」でオチ。

家庭訪問そのに

今度は「2003/09/18 LA」という字幕が出てきて、家庭訪問第二弾です。今回は外人スタッフさんと、カメラを持っている(?)日本人スタッフさんが訪問。例の、天井の高い真っ白な豪邸です。そのままシャワールームに直行、なんと今回はくもりガラスの向こうにYOSHIKIさんが見えてます(汗)。おいおいおーい!! これ見せるんか!!(汗) いくら続きにしたって!!

スタッフが「YOSHIKIさん、FILM GIGの映像チェックお願いします」とかシャワー中のYOSHIKIにお願い。YOSHIKI「いつだっけ?」スタッフ「21日です。四日後ですよ!」YOSHIKI「無理に決まってるじゃん」とかとぼけたことを言ってます。で、顔だけ出して(可愛い…(笑))、「ちょっと待ってて」と言って、腰にバスタオルを巻いて顔をタオルで隠し気味にした格好でシャワールームから登場。そのまま、家中をうろうろうろうろして回ります。おいおい、そんな格好でうろうろと、なにがしたいんだ(^^;;。さらになぜかプールまで行って、入ろうとします。おいおい、こんな夜中にそんな格好でなにを…と思ったら、足の先だけちょこんと水につけて、そのまま戻ってきました。YOSHIKI「目を覚まそうと思ったんだけど、もう目が覚めました(笑)」。で、また室内に戻り、二階に駆け上がりながら「着替えてくるから三分待ってて!!」。ていうか、もっと早くにとっとと服を着てこいと(笑)。

で、黒いタンクトップにサングラスというラフな格好に着替えてきたYOSHIKIさん、そのまま車でスタジオに向かおうとします。「インタビューをお願いします」と追いすがるスタッフに「いいよ。じゃあ車で」とか答えながらも、YOSHIKIさん運転席に乗り込んで、一人でそのまま車を発進。カメラを持っているスタッフは「行っちゃったよ〜!!イジメだよ〜!!」と叫びながら、走って追いかけるものの、車庫のドアが目の前で閉められてしまう…というオチ。

そのあとはちゃんと車の中でインタビュー。YOSHIKI「風当たりは強いです。でもXのときからずっと風当たりは強いんで…ときどき一人きりのような気分にもなっちゃうけど、みんなが待っててくれるので」みたいな話をしてましたかね〜。たいしたことは言ってなかったです。で、そのまま、突然ウニ頭の人たちが登場。唐突に2002年のFILM GIGのオープニング、88年ごろのXになりました。ちょっと変な構成です。

前半細々と違いました。

本編は2002年のFILMとほぼ同じなのですが、微妙に映像は変更があったんですよね〜。私が気付いた限りだと、まずOPのLAST LIVEのAMETHYSTのときの映像に、ちょこっと違う映像が混じってました。目立ってたのはドラムソロ時の目隠しYOSHIKIがけっこう入ってたことかな。それから、RUSTY NAILのあとのTOSHIのMCが差し替えになってましたね。これがまた93年時のFILM GIGからで、FILMとは言え、気合い入れていけよ!」というMCをわざわざ持ってくる芸の細かさ(笑)。93年のFILM GIGのライブ映像はこれだけでしたもの。くだらないことに気をまわしてます(笑)。

で、VANISHING LOVE〜BLUE BLOODはそのまま(だったと思う)で、BLUE BLOODが突然切れてオフ映像が出るところは差し替えがありました。えーとどこのライブからだったかなぁ?DAHLIAツアーのどこかです。HIDEちゃんがおもちゃのピストル(カラフルに光ったり音が出たりするやつ)で遊んでいたり、YOSHIKIがドラに向かってばちを投げていたり。でもあまりうまく当たらず、「あんまりいい音出ないね」とか言ってます。しかもテロップで「ツアーに飽き始めたX…」とか出たりして、そんないきなり飽きるなよ、みたいな(笑)。それからライブ中、YOSHIKIが登場するときに、ゴミ袋をボクシングのやつみたいに両手にくくりつけてたり、気持ち悪いピエロ?の仮面をつけてたり。遊んでやがるなぁ…(笑)。

そのあとは「WEEK END」「DAHLIA」という流れ。「SCARS」はこの位置じゃなくなりました。あと、DAHLIAでのドラム破壊映像もなくなってたな。

北海道

アトランダム秘蔵映像に追加になったのが、このDAHLIAツアーの北海道ライブ映像。いきなりYOSHIKIがドラムを壊しています。が、これがもうむちゃくちゃ楽しそうに壊してるんですよ。壊してるYOSHIKIの顔は見えないんですが、なーんかこう動きが楽しそうなんです(笑)。で、さんざん壊し尽くしたあと、ピアノに座ったYOSHIKIを見ると、全開の笑顔。やっぱり、楽しかったんすね(笑)。そのあと、スタッフがわらわらわらと大量に沸いてきて、すごい職人技で手早くドラムを片付け始めます。その様子を途中からライトアップ。ドラム台にちらばったドラムを全部載せ、ドラム台が引っ込んでいき、後ろから新たなドラムがドラム台ごと登場。この手早さには拍手です。職人芸ですな!相方は「ドリフみたいだ」と言ってましたが(笑)。た、確かに…(笑)。

で、ドラムを壊したあとピアノの椅子に座っていたYOSHIKI、ちら〜っとピアノを弾き始めます。それが「UNFINISHED」。そして例によってYOSHIKIの真正面でピアノにひじをついてその様子を見ているTOSHIが歌い始めます。いやぁ、神戸のホワイトクリスマスと並んで、なんとも気障でかっこよすぎるTOSHIです。即興なのでYOSHIKIとアイコンタクトで合わせながら歌っているのがなんともかんともいい感じです。うわぁ、本当にこれはおいしすぎる。YOSHIKIの背中側からの映像しかなく、YOSHIKIの表情が見えないのは惜しいですが、TOSHIのずーっと笑顔のあの様子からして、YOSHIKIもはにかみ笑いで上目遣いで合わせつつ弾いているのではないかと想像。きっとクリスマスのときと同じような雰囲気だろう。で、さすがにUNFINISHED、ホワイトクリスマスと違って、綺麗に終わりました。歌詞とかは順番適当でしたけど、それも即興ならではですよね。間違えたとかじゃなくてYOSHIKIがどこまで弾くつもりかわかんないので適当に歌ってた感じ。いやぁ、この北海道の映像は本当よかったです。ちょっと気障なイイ男のTOSHIが見れました(笑)。

そのあとの秘蔵映像は、いままでも流れていたやつでした。バージョン2のほうです。つまりこのアトランダム秘蔵映像パートはバージョン2に北海道が追加って感じですね。

ART OF LIFE

名古屋のヘルニア発症からLongingに繋がるところはいままでどおり。そして、そのあとにART OF LIFEが入りました。まず長髪YOSHIKIさんのピアノから、オープニング。ここまで不覚にも大事なことをすっかり忘れていた私。93年のドームと言えば、よりにもよってTOSHIが髪を下ろして試行錯誤真っ最中の姿だったのですね!!(笑) 本当にすっかり記憶から欠落してたもので、Desert Rose〜と歌い出したTOSHIの姿を見て、一瞬息を飲みました。すぐ慣れましたけど(笑)。

ここからは真面目に書きます。改めて言うのもなにですけど、凄まじい曲ですね。とにかく緊迫感が凄まじい。特に前半の、息もつかせぬバンドサウンドの展開はすごい。ギターソロも壮大にドラマチックに盛り上げるもの、不穏なもの、スピード感あふれるもの、といろとりどりで、こんなにもすごいものだったかと改めて思ったり。それとギターもボーカルと同じで、高音でギリギリ感を出しているときが多く、あまりの緊迫感に鳥肌立ちまくりでした。TOSHIの歌も、とてもよかったですね。音域最高部分はおもいっきりかすれちゃっているのがライブっぽくて逆によかった。そしてピアノソロ。前半もですけど、ピアノソロは本気で怖いです、もう。緊迫感ありすぎて。

で、ピアノソロからまたバンドサウンドに戻ったときの開放感といいますか、そういうのはなんか覚えがありましたね(笑)。多分私、93年のドーム時もそこで息をついたんでしょうね〜(笑)。別にそんなめっちゃ明るくなっているわけでもなんでもないわけですが、それでも前半とピアノソロの異様な緊迫感に比べたら息がつけます。で、最後のサビでどういうわけかぐっと胸にせまるものがありました。前半のほうがすごいテンションだし凄まじいと思うんですが…なんかピアノソロ後の開放感で気が緩んだんですかねぇ。なににぐっときたのかわからないけど、きちゃいました。

この凄まじい曲を、あの時期に作れたこと、形にできて残せたこと、それだけでもXというバンドが存在した大きな意味のひとつだよなぁと思いました。この曲の異様なテンションはあの時期だからこそのものだと思います。この曲は、本当に瞬間が永遠になった曲だなあと。

ドラムソロ

ART OF LIFEのあとはいつもどおり「紅」「オルガスム」で本編終了。オルガスムはバージョン1に戻ってましたね。おかげで膝立ちHEATHが見れて嬉しかったです<しょうもないことを喜ぶ私(笑)。

で、最初のアンコールはドラムソロなんですが、いきなり二人がかりで運ばれている人が映ってます。わぁビックリした。なにごとかと思ったら、96年の新潟だかの映像。ドラムソロあとのYOSHIKIのようです。で、この新潟のYOSHIKI半気絶(?してる気がする)映像と、LAST LIVEでのドラムソロ映像(中盤のブレイク途中から)を織り交ぜてありました。新潟でのYOSHIKI、右手を怪我していて、ぶっ倒れたままで消毒されてます。あと、額に濡れたタオルをあてられて、トレーナーさんが顔を軽くさすったり叩いたり、酸素吸入してたり。そのあいだもYOSHIKIはぴくりともせず、横たわったままです。なんか、すごい様子なんですけど。微妙に硬直して見えるのが怖いです。本当に気絶してるんじゃないかって感じで(^^;;。<昔電車でいきなり倒れた女の子を見たことがあるんですが、その子の様子を思い出す(^^;;。棒みたいに硬直したままばたーんって倒れたんですが、そんな様子に見えるのね、このYOSHIKI(^^;;。で、どれくらい時間が経ったのかわかりませんが、意識が戻ったようにのそのそと起き上がり、そのあとはわりと普通に煙草をすいながらトレーナーさんと怪我したときの状況とかを話してます。笑顔も見えるし。やっぱり運動量が急激すぎて、一気に体がおかしくなっちゃうんでしょうね。呼吸とか。

Without You

次はいつもどおりの「Forever Love」。いったん間をはさんで「Silent Jealousy」。バージョン2ですね。で、ここで最初の方から落ちていた「Scars」が挟まりました。ただし、バージョン2と違って曲頭についていたhideちゃんの奇声とTOSHIの歌声の絡みみたいな部分はカットされて、曲部分だけになってました。で、「X」。この辺は基本的に2002年のやつと変わらなかったですね。でも、ラストのサビ部分でいきなり客電が全部点くという演出なのかミスなのかわからない出来事がありました(^^;;。なにが困ったって、スクリーンが見えなくなっちゃって一瞬我に返っちゃったことです。演出だとしたらちょっと失敗だったと思うなぁ。そして、ここに挟まっていたTOSHIとYOSHIKIのMCはカットされたものの、次は当然ながら「ENDLESS RAIN」。さすがえっくす、ART OF LIFEが挟まってどれほど長くなろうともお約束曲は絶対に全部やるのです(笑)。でもここまで全部いつもどおりやってしまって、しかもスクリーンの状態は何も変わらず。こりゃーYOSHIKIさんの登場は絶望的。私はかなり諦めモードで、ENDLESS RAIN後半は「まぁ…面白かったよな…」みたいな感じになってました。

さてENDLESS RAINがフェイドアウトしていって、「YOSHIKI、お願いだから出てきて〜」みたいな声が一段と大きくなったけど同時にこのままTearsに行くだろうなあって諦めの漂う微妙な空気のなか、いきなり画面に出たのは「Without You」という文字でした。愕然。これは想像だにしませんでした。バックトラックのみ、ボーカルレス、字幕で歌詞をスクリーンに映すという荒業で、この大事な曲を出してくれるとは!!息を呑みました。

歌詞は、過去のYOSHIKI詞の集大成のようなものでした。彼の詞のキーワードのような言葉が随所に散りばめられていて、でもところどころでどきっとするほど、いままでなら書かなかっただろうというような直接的な言葉も多々入っていて。のちほどYOSHIKIモバイルで発表されたところによると、これは一部だということですが、それでも直にくる詞でしたね。そして、曲は…成り立ちからして当たり前だけどギミックなしの、「ああ、YOSHIKIだ…」としか言いようのない、珠玉のバラードでした。…当たり前だけどね…。歌詞は一部だったそうですが、10分近くあったそうです。このためにこのライブに行ったんだと断言してもいいぐらい、大きなプレゼントでしたね。いろいろ事情はあったかと思いますが、それでも、この曲をこういう形でも聴かせてくれてありがとう、と。

「Without You」でなんとも言えない気分のなか、いつもどおりラストSE「Tears」が流れ、会場からさくっと追い出され(笑)。実に3時間半に及ぶ長大すぎるFILM GIGは終了しました。

雑感

とにかく、盛りだくさん。FILM GIGが3時間半もあっていいのでしょうか?(笑) 30分の曲を追加しておきながら、一曲もカットしなかったんだものね。削るということができない、「いかにもえっくす」な話ではありますが。それでも、今回はいままでのFILM GIGの反応とかを取り入れたのか、曲間やMCなどはかなりコンパクトにしようとした形跡はうかがえた気がします。まぁ…私だって、このFILM何回見たのかって感じですからね(笑)。小手先の再編集ではありますが、そういう些細なところに気配りはしてあったと思います(でもその結果やっぱり3時間半あったら、あんまり意味はなかった気がするが(笑))。

YOSHIKIさんが来なかったことは、本当にまったく予想外だったわけですけど、その辺はやはり慣らされてしまっているところがあって、自分は肩を落とすほど落胆したわけでもなかったです。気分的には苦笑という感じでした。

そして、「Without You」…。本当にこの曲を聴けてよかったと思うし、YOSHIKIに心からありがとうという気持ちなんですが、同時に圧倒的な寂寥感に襲われてしまった瞬間でもありました。なにしろ、あまりにも「喪失」「不在」の象徴のようなシチュエーションだったんです。この曲は、ご存知の通りhideちゃんに向けた曲です。そして、2002年のシンフォニックコンサートでYOSHIKIが「この曲はやっぱりTOSHIに歌って欲しい」と言った曲です。ボーカルレスのまま、字幕でこの曲が流されるというのは…あまりにも圧倒的な喪失を感じざるをえませんでした。絶望的に寂しかったです、やっぱり。

YOSHIKIの中でこの曲はいま、どうなっているのでしょうね? Without Youはまだ傷ついて立ち直れないでいる最中に、どん底の状態で作った曲です。というよりも、この曲を作ったことで実感してしまったのでしょうね…彼が何年も沈黙してしまうきっかけになった曲ですよね。そういう曲がYOSHIKIの望むと望まないとに関わらず未完成の状態のままで置いてあるっていうのは…なんかすごくつらいのでは? そんなことを改めて思ってしまいました。でも、同時に、この曲を彼は、こういう形でもファンの前に出せたわけですよね。多分YOSHIKIは本当にダメなときは触れられなくなると思うんです。だから…彼はもうこの曲の持つ悲しみや孤独感を超えていけるってことなのかなとも思います。(ちなみに私がこれほど喪失感を覚えたのは、私がこの喪失を超えられていないっていうことなのかも)

YOSHIKIが来なかったことで、がっくりみたいな面はもちろんすごいあったのですが。考えてみると、今回登場してまたENDLESS RAINのピアノ演奏だけして「来年には復活」と当てのない約束を繰り返すよりも、こういう余計っちゃ余計(笑)な仕事で日本に帰ってくる暇があるならVUKのレコーディングをしてくれたほうがいいとも思う(特にYOSHIKIモバのインタビュー読了後はそう思いました)。なによりも、Without Youを歌詞込みで(ボーカルレスという形でも)出せたってのは、LAST LIVEの映像に続いて、YOSHIKIが一歩進んだのかなという印象もあります。なので…想像してなかった方向から、逆に未来が多少見えた気もしました。あくまで「そういう気もした」っていう話で…ま、いつもどおり単なる気のせいかもしれないんだけど(笑)。でも、未来が見えないよりも見えたほうがいいですし、今後に向けて多少前向きになれた部分もあったFILM GIGでした。(2003.09.21〜2003.10.28)

Posted by koko at 12:00 AM | Comment (0)

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