Under the Sun

Category/曲雑感

X「VANISHING VISION」雑感

2003.05.24(Sat)

「VANISHING VISION」 released/1988.04.14

Xがインディーズ時代に自分たちで設立したエクスタシーレコードから発売した1stインディーズアルバムです。

これ、もう15年も前のアルバムだったのですね。私は確か92年3月か4月に購入したんだと思います。新●堂になくて注文して買ったんですけど(当時はインディーズ取り扱っていても常に店頭に並んでいるような状態ではなかったんじゃないかな)、あとから「エクスタシーレコードに直接注文すれば写真集がついてきたのに」と友人に教えられてすごい悲しかった記憶があります。

個人的にはBLUE BLOODとJealousyの影に隠れてしまっていて特に思い出というものはないアルバムです(^^;;。リアルタイムでは知らないし、私の行ったライブではこのアルバムからの曲はSadistic Desireぐらいしかやってないし、仕方ないとは思いますが。でもいま改めて聞いてみるととてもハードロックアルバム。実はXは、当時はわりと正統派のHR/HMバンドだったんだなぁと思いますね。と言ってもYOSHIKIの曲はうるさいくせに、やっぱりメロディアスですけど(笑)。

TOSHIの声がキンキンしていますね。Jealousy以降、少し声が変わった彼ですが、この頃の方がHR/HMっぽい声をしています。

01.DEAR LOSER
 music:TAIJI

最初の曲がTAIJIの曲から始まっているというのはけっこう不思議な感じ。このアルバムは、全体的に「Xは最初はちゃんとバンドとして機能していたんだな」って思います。92年の東京ドーム3DAYSの2日目はこの曲から始まったんだよね…私は3日目しか行ってないからちょっと残念です。と言ってもその時点ではまだこのアルバム聞いてなかったので、知らない曲の嵐に呆然としてしまったんではないかと思いますが(笑)。

02.VANISHING LOVE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

この曲はすでにYOSHIKI節炸裂です。Blue Blood→Silent Jealousy→DAHLIAに繋がっていく路線ではないでしょうか。92年当時ではほとんどファンの間でも音楽誌関連でも話に出ることはほとんどなかったこの曲ですが、私は好きでした。そうしたら93年のEternal Melody(YOSHIKI監修のXの曲をクラシックにアレンジしたアルバム)で収録されたのでびっくりしました。ALIVEじゃないんだぁと思って。

詞は言葉の使い方なんかは後半に比べると暴力的な言葉を多く使ってますが、内容はJealousyぐらいまでとそんなに変わりませんね。すでに彼は、忘れられない過去に立ち尽くして途方に暮れています。

03.PHANTOM OF GUILT
 word:TOSHI/music:TAIJI

最初に聞いたとき「なんだか変な曲」と思ったことを覚えています(笑)。メロが変に聞こえたんですよね。でもHR/HM畑では人気ありそうな曲にも聞こえますが。

04.SADISTIC DESIRE
 word:YOSHIKI/music:HIDE

すごく息が長かった曲ですね。ライブでもときどき消えながらも、ずいぶん長いこと演奏されてました。最後の一、二年は消えていたんですけど、もし97年以降にもXがいたならまたひょこっと復活したんじゃないかなって気がするぐらい。あとから知りましたが、この曲はHIDEちゃんがXに入る以前のサーベルタイガー時代から存在していてなんかデモテープに入ってて、KYOちゃん歌ってました(笑)。ちなみにSg「Silent Jealousy」のC/Wとして新録バージョンが入っています。が、私はVANISHINGバージョンの方が勢いがあって好きです。

05.GIVE ME THE PLEASURE
 word:YOSHIKI/music:TAIJI,HIDE

ほぼインスト。歌ではなくて朗読形式です。なんかライブのOPで「WORLD ANTHEM」に乗っていた英語に似た声が入ってますね(笑)。「えぇ〜っっくす」って言い出しそうな声が(笑)。この曲は私は当然のごとくライブでなんか聞いたことないんですけど、これもHR/HMでは人気ありそうな。

06.I'LL KILL YOU
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

YOSHIKIさんが初めて作った曲。高校のときに作ったっていう話です。高校生なのに「I'LL KILL YOU」(笑)。でも初めての曲がどれだけ形を変えたにせよ、生き残っているのがすごいですわね。これもYOSHIKI節炸裂で、超高速。ツーバスの嵐でうるさいです(笑)。あと、最後にドラがじゃ〜んと鳴るのが大変気になります…(笑)。ライブでドラ鳴らしてたんだろうか…。

07.ALIVE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

このアルバムで初めてピアノが入ってきます。このピアノといい、泣きのメロといい、YOSHIKIさんのドラマチック体質がとてもいい味で、この路線はやっぱり好きです。それにしても、こののちにYOSHIKIのパブリックイメージとして浸透していく要素がこの段階ですでにほとんど出揃っていることにちょっと驚きます。

08.KURENAI
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

「紅」英語バージョン。私はどっぷり日本語バージョンの人なので、ちょっと違和感さえ感じますが、どちらにせよはずせない曲ですよね。そういえば、オルガスムは途中から英語バージョンに変わったけど、紅は最後まで日本語でした。どこで言っていたのか忘れちゃいましたけど、YOSHIKIがどっかで「『紅に染まったこの俺を』は日本語で言いたいと思っちゃったんだよねぇ」とか言ってたような。

09.UN-FINISHED...
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

のちにBLUE BLOODで一曲として完成するこの曲は、このアルバムではタイトルどおり途中でぶつっと切れます。最初は驚きましたよね。でも聞いていると、これはこれで、痛々しいぐらいの状態で切れるのが、悪くない…というか胸に迫るものがあります。

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X「BLUE BLOOD」雑感

2003.08.12(Tue)

「BLUE BLOOD」 released/1989.04.21

これを書くために聞き返そうと思って、久しぶりにCDを入れて「WORLD ANTHEM」が流れ出したとたん、いきなり胸が詰まっていっぱいになって(笑)。あまりにも胸がいっぱいになってマジで涙出てきそうで、ビックリして思わず止めてしまいました(笑)。ビックリ。やっぱり私のなかでは終わらないんだなぁ。5年も経っているのに…。こんな思い出語りページまで作り始めているというのに、WORLD ANTHEMを聞いていまさら改めて実感しました。

初めて聞いたのは91年12月。それまでKOKOは「紅」も「ENDLESS RAIN」も特に聞いたことがなかったので、このアルバムを頭から順に聞いたのがX初体験だったということになります。いちばん最初からとても興奮しました。なんだか好きな曲、好きな要素がてんこもり!って感じがして。

正直、素直にかっこいいアルバムっていうと私は「Jealousy」以降だと思うんですよ。BLUE BLOODはちょっと笑っちゃうような部分がけっこうあるから(笑)。「これは、ちょっと、か、かっこわるいんじゃないでしょうか…?」って思う部分も、最初聞いたときからぶっちゃけありました。実はいまでも、BLUE BLOODにはそういう部分があるとは思ってるんですよ。でも、そういう部分って、Xのライブスタイルとかにもたくさんあることで、笑っちゃうんだけども好きなところだったりするんですよね(笑)。そこまでやっちゃうかっていうね。

しかし、今となっては、今初めてこのアルバムを聴く人がどう思うのかってのはもう想像もつかない世界になってしまっています(笑)。思い入れありすぎるし、さらに聴きまくりすぎてるから馴染みすぎてて客観的になれません。この期に及んで「意外にかっこいいじゃん」なんて思ってしまったりして。でも、最終的には、このアルバムはただただXのライブ見たーい!…それだけかも(笑)。ライブ定番曲のオンパレードですからね。

01.PROLOGUE〜WORLD ANTHEM
 word:YOSHIKI/music:F.MARINO

最初のライブから3年間ぐらいこれがライブのオープニングでした。と言っても生ライブは2回ぐらいしか見てないと思うんですけど、93年のFILM GIGで6回ぐらいオープニングとして聞いたのですっかり刷り込み。LAST LIVEのアンコールのときにこの曲が流れ出したときには、本当号泣でした。あのライブでいちばん崩れた瞬間でしたね。連想がライブに直結しすぎていて、思い入れがありすぎて、冷静に聞けない(笑)。

でも、オーケストラアレンジも壮大で、アルバム的にはとてもかっこいいオープニングだと思います。

02.BLUE BLOOD
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

初めて聞いたとき、この曲ですごく興奮したことを覚えています。こんなハードでかつ聴きやすい曲があったんだと思って。そのころ私、ハードでマイナーぽい曲を探していたんですけど、なかなか見つけられなくて。だからこの曲聞いた瞬間に「これだ」って感じがすごくあったです。この曲はすごく好きだったなぁ…。でもライブでは結局一度も聴いたことがないですね。

しかし、一曲通してカッティングがすごいことになってます。この高速ツーバス&高速カッティングのやかましすぎるぐらいの音のうえに、このメロが乗っているってのが、好きなんですけど。それにしても、出だしからかっ飛ばしてるアルバムだなぁ…(笑)。

歌詞雑感

03.WEEK END
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

これは息が長かった曲ですね。シングルカットのときにはリアレンジもされました。さらには「Rusty Nail」という「WEEK ENDの2章」も作られましたし、そのあとにもまたまたライブでリアレンジがありました。なにせ私のほうが「な、なぜこの期に及んでWEEK ENDをリアレンジ?!」と思うほど後期の話です(つまり3バージョンあったということですね)。曲調としてはXのなかではわりとポップな聴きやすい曲ですが、内容的にYOSHIKIにとって重い曲だった、ということでしょうか。

Xのファンになってすぐぐらいに、ともだちにこの曲のことでXを非難されたことがあります。PVが自殺シーンだったからです。詞の内容も「自殺」のことを書いているとは思います。少なくとも「死」であることは間違いないです(それはYOSHIKI本人が言っていますし)。まぁ、この曲に限らず、YOSHIKIはいつもそういうことを書いていて「死を美化している」とか言われたりするところはありました。でも私は、このときもそう彼女に言ったんですが、彼が死を賛美しているように思ったことはないです。確かに死はYOSHIKIにとっていつも近いものだったと思うけれども、実際危ないときも多々あったと思うけども、でもだからこそ生きようとする姿がとてもキレイなんじゃないかなと思ってました。

…でも「死」を歌ってるから駄目って発想自体が、YOSHIKIとは関係なく、どうかと思う部分があるのですが…その辺を話し出すとYOSHIKIと関係のない話になるので、ここではパス。

さらにさらに。その後のことを思うと、本当にこの辺に関しては迂闊なことは言えない心境になったわけですけど…それでも死を死であるという理由のみで忌避するのはやっぱりちょっと違うかな…と思ってはいます…が、これまたここではパス。

関係ないけどこの曲で「be at one's wit's end」という複合語を覚えました(笑)。ちょーど英語勉強してて練習問題だったところで、TOSHIがまさに答えそのものを歌ってました(笑)。おかげでWEEK ENDを聴いてると受験勉強をふと思い出します(オイ)。

04.EASY FIGHT RAMBLING
 word:TOSHI,白鳥瞳/music:X

珍しいX作曲。でも私のなかでは大変に印象が薄かったりして(^^;;。ほとんど存在も忘れてしまいそうになる曲だったりします。ライブでも聴いたことないですね、これも。

05.X
 word:白鳥瞳/music:YOSHIKI

ここからライブ定番曲。X〜ENDLESS RAINと聞いていたら思いきりライブを思い出したらしく、また涙腺危うかったです。とほほ。

熱い、と言いますか。サビ最後なんて「X 感じてみろ X 叫んでみろ X 心燃やせ」だし…曲として云々というのはなんとも書きにくいんですけど(笑)。でもXのライブってまさにそういうライブだったもんで、どうしようもなくぴったりな曲ですね(笑)。そんで、この曲終わるとTOSHIに褒められるという…。「よくやった!」って(笑)。でもそういうノリに冷静になってしまうとXのライブはすごく寒くなってしまうので、楽しむにはついていくしかないんですけど。

…ついてこれない人、多かっただろうなぁ。毎年5万人(東京ドームの収容人数)もそうやってついてこれる人が集まってたって、いまから思うと奇跡ですね。Xジャンプなんてそうとうアタマイっちゃってないとできない…と、やってた私が思うものなぁ…(笑)。そんなこと言いつつ、その場に行くと率先してイッていたKOKOなんですが(笑)。足攣ってたことありましたね、Xジャンプの最中に。

そうそう。Xジャンプもさることながら、この曲ヘドバンもしてました。この曲に限らず、Xの曲はわりとヘドバン向きの曲多いんですが、彼らの曲で本気でやると倒れます(笑)。とにかくテンポが速すぎるので、あっというまに立ちくらみに襲われるんですよね〜。でもヘドバンしてヨタヨタしてるのってなんかかっこ悪い…(笑)。とゆーわけで「ヨタったらカッコ悪!」という一心で、足踏ん張ってましたけど。あ、あとは血管ヤバイかもと思ったら即切り上げるという割り切りも大事ですね(笑)。やりたいときにやりたいだけやりましょうということで(笑)。なぜかヘドバン講座に…(笑)。

06.ENDLESS RAIN
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

もはや、好み云々を超えている曲の代表です。何回歌ったことか。2000年、EXTASY NIGHT vol.1というイベントに行ったらYOSHIKIがボーカルもいないのにピアノで弾いてくれたんですね。YOSHIKIに「みんなが歌うんだよ」って言われた瞬間、「やべ!歌詞覚えてるかしら私!」(まる二年ぐらい聴いてなかったし、歌ってなかったからねぇ)とあわてたんですが、覚えてました。全部口から勝手に出てきました。YOSHIKIは一番だけやってあとはサビのリピートだったんですが、KOKOは勝手に二番を歌おうとしたぐらいです(笑)。

個人的には「好きなバラード曲」は後半のほうが多くて、実はこの曲はバラードのなかではそんなに上のほうにはいません。でも……聴くと泣けてきますね、やっぱり。思い出に直結してます。

妙に二番Aメロが好きです。「The dream is over/声にならない 言葉を繰り返しても」ってところ。歌詞もアレンジも、TOSHIの歌も。

07.紅
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

これまた冷静に聞けない曲です。このアルバムはこんなんばっか。最近だと「Forever Love」が代表曲になった気がしますが、リアルタイムで知っていた世代の人にはやっぱり紅が代表曲だったのでは?KOKO的には意外なぐらい、世間的にはこの曲の存在は大きかったなぁという印象があります。92年だったかな?何もリリースしてないのに紅白に出場して(YOSHIKIがテーマ曲書いたからですけど。関係ないけど、XはずっとNHKと仲良しでしたね…)、そのとき紅やったんですよね。その時点でもすでに3年も前の曲だったのに。そのあとも、HEY!3とか最後のSUPER LIVEとか、紅はテレビで演奏されてますね。

ライブではツインギターの印象が強いです。紅っつーと、真ん中でHIDEちゃんとPATAちゃんが並んで弾く姿がぱっと浮かびます。あと、うしろでいっしょにヘドバンしてるTOSHIとYOSHIKIとか。

ところで、ライブでの印象が強すぎて…BLUE BLOOD版はギターのアルペジオの前にあんなんがくっついてたんですね〜(笑)。聴き返すまですかっと忘れてました。あ、あと、テレビでやってたYOSHIKIのピアノで始まるバージョンも好きでした。

私はそんなにむちゃくちゃ好きな曲ってわけじゃないんですけど(ENDLESS RAINに続きファン失格っぽい発言…(笑))、この時代のYOSHIKIをすごく象徴している曲だと思います。デビューの年、大竹まこと氏(彼はどーゆーわけかデビュー前からずっとXの、YOSHIKIの、よき理解者でありました)の司会のテレビ番組に出てまして、大竹氏がこの曲におけるYOSHIKIの絶望感に言及したところがあって、大竹氏をちょっと尊敬してしまいましたね。とても直感的で本質的な理解かつ共感であったような気が。

08.XCLAMATION
 music:HIDE,TAIJI

インスト。HIDEちゃんはアルバムに一曲はこういう曲を入れてますね。このアルバムは特にYOSHIKI曲が多くて、YOSHIKI色が強いので、この曲があるのとないのじゃイメージかなり違いますよね。ちなみに、このアルバムはその時点でのXのライブでの定番曲を片っ端から収録したのでそういうこと(=YOSHIKI曲めった多し)になったんだろうと勝手に推測してますが…。

09.オルガスム
 word:白鳥瞳/music:YOSHIKI

またライブ定番曲。やらなかったライブなんかないんちゃうの?という気さえします。そういえば、この手のライブで熱くなる曲っていうのは、結局YOSHIKIはデビュー前に書いた曲で最後まで押し通して、新曲がほとんど増えなかったんですね。増えたのは「Standing Sex」だけでしたね。そうか。増えなかったから悩むこともなくずっと定番曲が変わらなかったんだなぁ。

ライブでの印象というと、またまたヘドバンと、YOSHIKIのCo2撒き散らしとドラム破壊。つまりYOSHIKI大暴れ(笑)。おかげでこの曲、ライブでは中盤がものすごく長いんですよね。その間ずっと掛け合いをしてるので、いつも途中で「か、勘弁して…」と倒れそうでした(笑)。10〜20分も腕振り回させられていたらだんだん「限界に挑戦!」という趣になってくるんです。ENDLESS RAINのコーラスとこの曲のYOSHIKI暴れパートとどちらのほうがより長いかって感じでしたよね。

でもその中盤部分、アルバムには入ってないけど、かっこいいと思いますです。あと後期94,5年からじゃないかと思いますが、ライブでは英語バージョンが演奏されるようになりました。個人的には、オルガスムは英語でも日本語でもいいやという感じでした。

10.CELEBRATION
 word:HIDE/music:HIDE

いまもときどきDope HEADzが演奏しているので、89年の曲って思うとなんかビックリしますね。10年以上前の曲ですか…。

Xでのこの曲といったら、VIDEO「VISUAL SHOCK vol.2.5」収録のPVでしょうね。YOSHIKIさんのシンデレラ。青いドレスにティアラまでつけて、可愛かったです(笑)。いや、もう、コントみたいな安い映像でしたけども(笑)。シンデレラはすごーく人気があって、コスめっちゃ多かったですね。YOSHIKIコスの代表格でしょう。個人的にはあの、前髪をたくさん下ろした独特のポニーテールがめっちゃ好きな髪形でした。昔、イラストを描いていた頃は、シンデレラは一度ぐらいしか描いてないと思うけども、この髪型は落書きでよく描きましたね〜。

ライブでは、Xには珍しい踊れる曲でした(紅もXも踊るんじゃなくて暴れる曲で、息も絶え絶えだし)。「Joker」もときどきやってたけど、どっちかっていうとCELEBRATIONのほうが多く聴いてましたね。「HIDEの部屋」でhideソロバージョンのCELEBRATIONをやってたこともあったし。

11.ROSE OF PAIN
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

11分ぐらいある大作ですね。ライブで演奏されたのを聴けたのは初めて行ったライブだけでした。でも最初にこのアルバムを聴いたときからこの曲はすごく好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。悲劇的で壮大で、重たくって、「ALIVE」でも書いたYOSHIKIのドラマチック体質がすごくよく出てます。私もYOSHIKIは確かに、市川哲史さんの言うとおり、構成力はすごくある人だと思うんです。いや、まぁ、そうでなきゃ30分の曲なんか作れるはずないんですけど(笑)、でもそれはわりと天性のものなんじゃないかなという気がします。この曲でも十分その力はわかるんじゃないかなと思ったり。でも、いま聴くとバックの音はやっぱりちと古いですかね〜…。もろにハードロックの様式美ですが、J-ROCK界ではハードロック自体がほとんど死に絶え状態の現状としてはね…。でも私はやっぱ好きだなぁ…。

有名なエリザベート・バートリ伯爵夫人の逸話を題材にしてまして、単純な私は元ネタとなった澁澤龍彦の「世界悪女物語」を購入しましたね(笑)。ただ、詞的にはそういう映像的なイメージがくっきりある分、YOSHIKIの心象世界もその映像に完全に託されてる感じ。最初の部分と、サビ部分と最後の語り部分がYOSHIKIの視点…かな? 私は好きな言葉多いんですけど。最後のサビで英詞のなかに一言だけ「苦しい」って日本語が入ってくるところとか、最後の「In eternal madnees we live/Even if it was just a dream,/now pain,nothing but PAIN!」の部分とか。どっちも、最後に我慢できないように単刀直入な表現になっているのが、切実で痛くて好きです。

12.UNFINISHED
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

前作VANISHING VISIONで途中で切れていた曲の完成版ですね。ピアノと弦の、とてもきれいな曲。同じバラードでもYOSHIKIさんはXでは、ENDLESS RAIN系統のバラードは多く書いてるんですけど、こちら系統の曲は案外少ないですね。CRUCIFY MY LOVEぐらいですか。とてもとても好きな曲です。

冒頭で「このアルバムはちょっと笑えるところも…」とか書きましたが、ROSE OF PAIN〜UNFINISHEDの流れはとてもきれいだと思います。個人的にこのアルバムでいちばん好きなパートですね。

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X「Jealousy」雑感

2003.08.13(Wed)

「Jealousy」 released/1991.07.07

このアルバムの存在は、私には大きかったです。多分これがなかったら、ここまでXとYOSHIKIさんにははまっていなかっただろうと思います。少なくとも、こんな一気に雪崩れ落ちるようなはまり方にはならなかったはず…。

レンタルした「BLUE BLOOD」がすごく気に入ったので、速攻翌日に「Jealousy」を借りてきました。レンタルだったんですけど、一応歌詞カードはついていて(…よくコピーできたな、この歌詞カード…)ライナーノーツを読んで決定的な衝撃を受けてしまいました。私はXのことは、もしかしたら一般常識だったかもしれない話も何も知らなかったので、YOSHIKIのこともまったくなにひとつ知らなくて。なので、これ読んで「なんて壮絶な生き方してる人なんだろう…」ってただただビックリしちゃったんですよね。音楽にそこまで賭けてしまう人がいるのか、そこまでやっちゃう人がいるのか、って存在自体に衝撃を受けてしまいました。

それでアルバムを聴き始めて、BLUE BLOODにあったちょっと笑っちゃうような部分も影を潜めて、最初から最後まですごいカッコイイ!と思いまして、一気になだれ落ちました。しかも私が好きだった部分、暗っぽくてハードってのもあったし、本当このアルバムは苦手なところがひとつもないんですよね。大好きなアルバムです。はい。

あ、でもひとつだけ。「ART OF LIFE」は単体でよかったと思うんですが、時間の関係で落ちてしまった「Standing Sex」はこのアルバムに入ってほしかったなぁ…。いまのJealousy大好きだから、それは全然いいんですけど、ただはみ出しちゃったStanding Sexが一人ぼっちでちょっと可哀想で…(笑)。

01.Es Durのピアノ線
 music/YOSHIKI

これ、すごく好きなんですね。ぴんと張り詰めたようなピアノの音が、繊細で神経症っぽくて、痛くて。いつかのライブでYOSHIKIさんがピアノソロでEs Durを弾いたのを聴いて…。すごいよかったなぁ。全体にこのアルバムのYOSHIKIは、いつもより繊細な印象が強いかもしれません。なんとなく。

02.Silent Jealousy
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

これまたとっても好きな曲。ライブでは一回しか聴けませんでしたが…。私がJealousyに繊細なイメージを感じる原因はこの曲だと思います。激しい曲なんですが、他のこの系統のYOSHIKI曲に比べてなんだかすごく神経質で不安定なイメージが漂って聞こえるんですよね。メロのせいなのか詞のせいなのかよくわかりませんが。「VANISHING LOVE」「BLUE BLOOD」はやっぱり先は見えてないにしてもそれをなにかに叩きつけるような暴力的な強さがありますし、「DAHLIA」は苦しいなかでもまっすぐ立っている(だからこそ痛いという面もあるんですけどね)ような強さを感じます。が、この曲に関してはすごく危うい感じがあるんですよねぇ。

詞がなんかすごい痛いです。全編通して悲しい悲しいって言い続けているような。この人の、こういう感情の暴発っていうのは、痛くて可哀想な感じ。助けを求めている対象の「愛している人」は、明らかにすでに失われてしまっている状態なわけで。絶対助けてもらえない。その絶望な感じかなぁ。あと、TOSHIの歌が綺麗なせいもあるかもしれません。サビの盛り上がるところでもシャウトとか使わないで、とても綺麗に歌っているので。YOSHIKIは「30%の狂気」って言ってましたね。

あ、そうそう。初めてXの演奏シーンを見たのが、この曲でした。91年の紅白です。

03.Miscast
 word:HIDE/music:HIDE

この曲は低音がすごくかっこいいんですよね。ベース動きまくってますね。でもライブでは一度も聴けませんでした、確か。私が初めてライブに行った92年1月の東京ドーム3DaysがぎりぎりでJealousyツアーの流れだったんですけど、この曲はやりませんでした。ライブだと低音気持ちよさそうなんですけどねぇ…。と言いつつ、当時そんなことがわかったとは思えませんが(笑)。

詞がHIDEちゃんはけっこう得意なシニカルな感じなんですけど、TOSHIがいきなり「オレのことかな(笑)」とテレビかなんかでいきなりほざいて「冗談になってません!!」とあわてた記憶があるなぁ(笑)。でも、この詞はX全体があてはまっちゃいますよね(笑)。HIDEちゃんの詞はそういうところ、ありますよね。「え、え、誰のこと?」みたいな。でもHIDEちゃんってこういうの書くとき、きっと自分のこともいっしょに斬ってるんじゃないかって気がします。客観視できちゃう視点のある人だから、的を射てますよね〜。ライナーノーツにある「文学的な詞」って表現は、私はよくわかんないんですけど(笑)。

04.Desperate Angel
 word:TOSHI/music:TAIJI

とてもかっこいいです。アメリカンで、それまでのXにはないカラーですよね。Miscastに続いてベースかっこいいなぁ。でもサビ部分はいいとして、他のパート、YOSHIKIが思いきりツーバス披露しまくっててちょっと笑えます。隙間恐怖症のような埋めっぷりで…(笑)。

TAIJIはこういうのやりたかったんだろうなぁって思う曲ですね。YOSHIKIは音楽的にこういう指向性全然持ってないですし、なんか残念な結果になっちゃいましたが、この曲自体は本当すごくかっこいいと思うなぁ。あとタイトルも好きなんです。TOSHIがつけたんでしょうね。あ、でも…。この曲とは関係なく「Desperate Angel」って言葉自体は、当時はYOSHIKIのイメージとかぶっちゃったなぁ…と書くといまだと大笑い…?(笑) 当時はあくまで「Desperate」込みという条件でなら「Angelイメージ」イケたと思うんですが(笑)。単なる「Angel」は当時から全然無理ですけども(笑)。

05.White Wind From Mr.Martin〜Pata's Nap〜
 music:PATA

PATAちゃんのアコギインスト。曲は超短いくせに、タイトルは異様に長い。YOSHIKIが「White Windだ、White Windだ」ってうるさかったらしいです。とりあえずこのアルバムのいちばん好きなところって、この幅広さかもしれません。アコギインスト、打ち込みインスト、高速パンク、アメリカンロック、と全曲カラー違いますよね。聴き慣れちゃっててあえて不思議にも思わなかったけど、改めて考えると本当幅広い。

ところでこの曲、ライナーノーツが一言「That's Pata's World!!」で終わってます(笑)。

06.Voiceless Screaming
 word:TOSHI/music:TAIJI

めちゃめちゃ好きな曲。もしかするとこのアルバムでいちばん好きだったかもしれません。この系のマイナーバラードに弱いんですよ、私。TAIJIとTOSHIのコンビは本当いい曲作ってますね〜。

この歌詞すごくいいです。とても切実で。「自分自身を信じれば 自分の選んだすべてを受け入れられる」すごくTOSHIらしい部分ですね。でも英語よりも訳のほうが意味が直接的だなぁ。

あ、そういえば、確かTAIJIのD.T.R.でこの曲はタイトル変えてやっていたような。

07.Stab Me In The Back
 word:白鳥瞳/music:YOSHIKI

ドラムの叩きすぎて首痛めて倒れたくせに、最速の曲をわざわざ収録する人たち。そういうバカなところがとてもいとしいです(笑)。

というわけで、Xの最速の曲ですね。ずいぶん昔からある曲で、ライブ定番曲だったらしいのですが、私が行くようになってからはなんかやらなかったのです。多分生では聴いたことないんじゃないかなぁ…。FILMで聴きましたけども(笑)。

08.Love Replica
 word:HIDE/music:HIDE

打ち込みインスト曲。ロックという範疇を大きく逸脱してるような。「HIDEの部屋」の世界がそのままアルバムに持ち込まれた感じです。でも、私はXにはまるまでは何でも聴く雑食型で、ロックにはなんの頓着もなかったし、ZABADAKというけっこう頓狂な曲を多く作る人たちを好んで聴いていたのもあって、この曲はナチュラルに聴いていました。いちばん最初に見たライブの「HIDEの部屋」には、唖然としましたけど。

09.Joker
 word:HIDE/music:HIDE

KISSとかが好きだったHIDEちゃんの、パーティーロック路線ですね。でもライブではどっちかっていうと「CELEBRATION」のほうが残ってましたね。この曲は数えるぐらいしか聴いてないです。これも踊れる楽しい曲なんですけど。

この曲、CMのタイアップを取ってまして、シングルカットされるはずが「Standing Sex」のC/Wになりました。えーと、整髪剤かなんかのCMでしたよね、たしか。

10.Say Anything
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

「打倒ENDLESS RAIN」ってことで作った曲だったらしいです(笑)。それを知ってたわけじゃないですが、私は「ENDLESS RAIN」よりこっちのほうが好きでした。ただYOSHIKI本人はこの曲のレコーディングにはそういう苦渋の思いをさせられたそうで、なんか愛憎半ばしている感じでしたね。〆切に追われて結局TOSHIのボーカルが一部直しきれないままになってしまった…という話だったんですが、どこが駄目なのか私にはわかりませんです。YOSHIKIにしかわからないのでは…(笑)。

そのせい…とは思いませんが、ライブではほとんど演奏されることがなかったです。いーーーーっぱい聴いてるんですけど、いっつもいっつも、SEだったんですよね(笑)。なんかライブ終わったあととかカーテンコールをしてるときとかにいつも流れてました。

とても綺麗な曲です。詞は内容的にはなんか大混乱している気がするんですが、それでもサビで繰り返される「Say Anything」って言葉がすごく切実で、きれいなメロディーとあいまって、儚くて綺麗なイメージを作ってる気がします。

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X「Standing Sex」雑感

2003.08.14(Thu)

「Standing Sex」 released/1991.10.25

シングルですね。C/Wは「Joker」。アルバムからのリカットです。

Standing Sex
 word:五十嵐美由姫/music:YOSHIKI

「Jealousy」から〆切の関係で落っこちてしまった一曲です。タイトルがそもそもすごいですよね。五十嵐美由姫が作詞してますが、歌詞もなんかすごいです。「X」とか「オルガスム」の白鳥瞳もけっこう破壊的ですが、まだしも「破壊的にポジティブ」という方向性を持っているのに対し、五十嵐美由姫はそういう方向性もないんですね。ただ破壊衝動の人。…ですが、その後作詞家としてのYOSHIKIは中心人格であるところの「YOSHIKI(=途方にくれている人)」が強くなっていったので、五十嵐美由姫は一回だけで消えてしまいました。というよりも、「YOSHIKI」に吸収されていったような気がしますが。

個人的には単純にこのスピード感あふれる曲が好きでして。YOSHIKI作曲の荒くれ曲にしてはけっこう軽快な感じなのも好きだったんです。だからなんか一曲だけぽつねんとシングルで忘れられているのが可哀想で…(笑)。これは本当にJealousyに入れてあげてほしかったなと。

ジャケットがすごいです。これを買った92年3月ごろはまだ全然詳しくなくて。だからまさかジャケットでそんな背面ヌードをさらしてるとは想像だにせず、うっかり最初は女性の裸だと思ってしまいました。よく顔を見たらYOSHIKIだったのでひっくり返って「YOSHIKIの裸を、女性の裸と間違えてしまった!!」とショックのあまり、笑い転げました。でも、YOSHIKI、背中きれいですよね(いや、そういう問題じゃなく…(笑))。

あとすごく覚えているのは、奈良東大寺で行われたイベント「AONIYOSHI」。その頃はもうあんまりこの曲演奏されてなかったし、2曲しかやらなかったのに、わざわざこんな曲やるとは思わないですよね。Standing Sexを大仏様の前でやるか!となんかバカ受けしてしまいました(笑)。

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X-JAPAN「ART OF LIFE」雑感

2003.08.15(Fri)

「ART OF LIFE」 released/1993.08.25

あらゆる意味でフツーじゃない存在です。ミニアルバムという体裁でしたが、実際には一曲しか入ってないし。

個人的には私が91年にはまってから一年以上の時を経て「初めてリリースされた音源」でした。「初めてリリース日に買える!」ってそりゃもう、気分的には歴史的事件!!ぐらいの勢いで買いに行きましたよね(笑)。勢いありすぎて同じ初回盤を2枚買ってしまったり。

1.ART OF LIFE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

繰り返しますが、この曲はあらゆる意味でフツーじゃありませんでした。曲そのものも、この曲を取り巻いていた状況も。

本当は「Jealousy」と組み合わせて二枚組のアルバムという形態でリリースされるはずが、収録できなくて結局それからまる2年が経っての発表となりましたし、さらにその前からずっとYOSHIKIは繰り返しこの曲の存在を語っていたので、3年間ぐらいずっと存在だけが知られてたんですよね。さらにこの曲は当初Jealousyの翌年92年にはリリースされる予定だったので、それと同時発売を目論んでいた市川哲史さんのYOSHIKIインタビュー本「ART OF LIFE」は大先行発売になって(笑)、92年5月にはとっくに発売されちゃいましたし。んで、この本というのはYOSHIKI自身によるART OF LIFE歌詞解説本というパートを含んでいたので、先に解説だけが発表されちゃってるし(笑)。そんな状況だったので、ほとんどこの曲自体が伝説化しちゃってました。

この曲についての本はこれだけじゃなくて、FOOL'S MATEからも「ART OF LIFE」という、こちらはメンバー全員のインタビュー本が出ています。これは逆に遅すぎで、2年後の95年にようやく発売されたんですけど。なにが言いたいかというと、一曲のためだけに二冊も単行本が出ているという状況は変ですよね?と言いたいんですけど。まぁ、正確には市川さんのは「多重人格YOSHIKI」というテーマが中心で、その一環として「ART OF LIFE」があるという形を取ってますけど。

まぁとにかく曲自体も付随する意味合いも大きすぎる曲で、簡単に感想とか書けない感じです。無理やり簡単に感想を書いても「30分あるけど、長く感じない」とかぐらいしか書けないし(笑)。

話ずれますけど。音楽誌とかのこの曲のレビューって、どれもこれも、「長く感じない」か「長く感じる」か、それしかなかった(笑)。「ああ、そうですか」としか言いようのないレビュー…。

好きとか嫌いとかそういう範疇で済ませられない感じで、書きにくいですけど、そうですね。YOSHIKIの想いを知るにはやっぱり曲を聴くのがいちばんなんだと、当然のことなんですが、思います。YOSHIKIって人は基本的にはすごく自己表現欲の強い人で、話せることは話す人だし、人生自体で語ってしまうような人ですが…でもやっぱり最終的には音楽で表現してる人なんだなと思いますね。この曲についても、前述の通り解説本まで出てますが、実は言葉で話しきれない部分もたくさんあるでしょうから、話してないこともたくさんあるし。…あ、いまさらなことを書いてますね。私が、YOSHIKIに関してはまず、曲というよりも生き方に「がーんっ!!」とぶっ飛ばされた人なので…改めて「そうかぁ」と思う部分があるんでしょうね。

ライブでは93年「RETURNS」の2日目でだけ、演奏されました。うおっ!と思った記憶があります。正直ライブで演奏できるとは思わなかった。HIDEちゃんがずっと固まって立ち尽くしたまま弾いていたのがすごい印象に残っています(笑)。この曲はギターがすごく難しい曲だそうで…とうか、そもそもギターのフレーズじゃないフレーズが満載らしいんですよね。YOSHIKIが譜面で作っちゃってるから、「人間の構造を無視したフレーズ」だらけらしい。で、その話を覚えていたせいでしょうか、私には珍しくHIDEちゃんを見てて、「わ、硬直してる!(笑)」って思ったんですよね(笑)。うつむいてひたすら弾きまくってる姿がすごく印象に残ってます。でも、1回だけだけどこの曲を生で聴く機会があったってのは本当よかったなぁと思います。

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X-JAPAN「DAHLIA」雑感

2003.08.16(Sat)

「DAHLIA」 released/1996.11.04

デビュー7年目にしてようやくリリースされたメジャー3枚目のオリジナルアルバム。前のフルアルバムから数えると実に5年が過ぎてました。その間の私はというと、一時期はXのあまりにも長い不在に頭がおかしくなって、なんだかわけがわからなくなってました(笑)。その時期の私の心境は、冗談ごとじゃなかったんですけどね(笑)。

ただ、いかにXとはいえ、5年間もリリース何もなしじゃ、いくらなんでもレコーディングするお金がなくなっちゃいますから(それでも私の感覚では、どうやってXがやりくりできていたのか不思議なぐらい…)、毎年なんやかんやとシングルが切られていました。その結果、アルバムは半分以上がシングル既出曲という、結果的にはベストアルバム状態。ぶっちゃけた話、「えっ」っていう驚きの少ないアルバムではありました。

とか言いつつ、実はBLUE BLOODとは全然別の意味で、聴くたびに泣きそうになるアルバムだったりします。真剣に泣いちゃったこともあります。最初に聴いたときから泣かされてビックリしました。いきなり泣かされて自分でビックリしたことも、覚えています。

BLUE BLOODはライブを思い出してしんみりしてうるうるするんですが、このアルバムはただ聴いてると泣きそうになるんですよね。と言ってもなんだか幸せな涙じゃない感じなので、人様にはお勧めしにくいんですけど。さみしくてつらくて悲しくて、でも「Silent Jealousy」とかみたいに「悲しい悲しい」って悲鳴みたいに連発するんじゃなくて、ひっそりとその感情を伝えてくるので、切なくなってくるんです。切実な、希望と絶望が入り混じっている分、切なさ倍増しというか…。

このアルバムだけで、いろんなことを思い知らされて胸が痛くなります。

01.DAHLIA
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

タイトルチューンですね。94年東京ドーム「青い夜」「白い夜」のときにすでに演奏されていましたが、歌詞とかかなり変更が入ったらしいです。その後、96年2月にシングルとしてリリースされました。

最初ライブで聴いたときからずいぶん凝った曲だなぁと思いましたが、レコーディングされたものを聴いたらそれどころじゃなかったです。ど素人でそういう耳をまったく持ち合わせない私でさえ、この異常に凝って凝りまくって神経質さえ超えてしまっている音は感じました。隙間が存在しないのです。隙間って音の隙間じゃなくて(いや、それもありませんが)、自然に流れるところというか、自然な空気感みたいなものがない。全編全箇所に神経が行き届いている感じ。そのよしあしは微妙だと思いますが、とにかくそういう曲だったということです。もともとYOSHIKIはすごく神経質で細かい人ですが、この曲は究極ですね。私にさえわかるぐらいだったんだから。

私はとても好きな曲です。なんかそういう神経質な作業を重ねてるんですけど、その神経質さってちょっと病的なぐらいなんですが、その反面強さも感じるので。YOSHIKIなので簡単にどかんと前向きになれる人じゃないんですが…いや、そもそも前向きとも言えない感じなんですが(笑)、それでも「YOU CRY IN REALITY」って歌詞は「おお」って思いました。それまでよりもなんか骨太になった気がして。根っこのところがしっかりしたという印象を受けました。ただし、強くなったから痛くなくなったわけではなく、強くなったからこそさらに痛くなるという面もあったと思いますが…。

シングルのジャケットがYOSHIKIの横顔バージョンとお尻バージョン…いや、あの、背中ヴァージョンと二種類ありまして(笑)。私はまんまと2枚買いました。黒い紙で隠されてて選べないようになってたんですが、確か2枚買っただけで両方出たと記憶しているので、まぁ、運がよかったです。あ、そうそう。髪切って初めてのシングルだったんですね。

このアルバムをヘヴィローテーションにしている頃、うたた寝しててよくこの曲のアタマのドラムで叩き起こされました(笑)。いきなり爆音なんです。CDのタイマーを目覚ましにするなら、これほどぴったりの曲はないでしょう(笑)。

02.SCARS
 word:HIDE/music:HIDE

これも「DAHLIA」と同じ94年東京ドーム「青い夜」「白い夜」のときに演奏されていた曲でした。でもそのときはタイトルが「SCARS ON MELODY」でした。インタビューでYOSHIKIが「タイトルが嫌で変更してもらった」という話をしてて「へぇ、そんなことするんだぁ」とちょっと意外に思ったんですよね。ちなみにその理由は述べられてませんでしたが、私は勝手に「YOSHIKIは多分めろでぃに傷をつけてほしくなかったんだろう」と思いました。

けっこう詞の内容のほうも深読みが可能なんですけど。いや、深読みする以前に、私にはそのままXの現状を歌っていてかつYOSHIKIに向けて歌っているように聞こえちゃったんです、これが(笑)。Xが先に進めないことを苛立っているような、変質を恐れているような。そう聴くと、痛い部分と本当に好きなのね…という部分が入り乱れて、私もついでに複雑な心境になるんですが。でも、そういうふうに読むと読めちゃったんですが、本当にそんな内容の詞であるのかは誰もどこでも語っていないので、不明です(笑)。この詞についてはなんか深く考えると痛い気がするんだけど…でも一応当時考えてたことなので、書いてみました。

さらに私流解釈を書いてしまうのですが、HIDEちゃんてすごい二面性がある人だと思うのです。とてもピュアに音楽(…「音楽」はYOSHIKIですね。HIDEちゃんの場合は多分「ロック」だ)の可能性を信じたいし信じている部分と、すごく醒めた目でその大事なロックを俯瞰してる部分もあって「所詮」みたいな部分も持っている。わかる人にはわかる例えで言いますと大槻ケンヂさんみたいな部分なんですけど。でも、大槻さんより志向性として、信じたい、信じている、ピュアでいたい、という気持ちが強い人で。だから、これを書いた頃、HIDEちゃんはすごくXのことが大事だった、YOSHIKIのことが大事だった、自分たちは先に行けると、もっと先に行けると信じたかったんだろうと思うんですよね。でも、HIDEちゃんは盲目に信じていられる人でもないので、この曲はそういうジレンマの苛立ちなんじゃないかと。だから、これをXだと思って読むと痛いんですけど、同時にすごい愛情と言うか思い入れも感じるんですよね。繰り返しますが、これはKOKOの勝手な解釈です。ハイ。

ほんのこないだまで存じ上げませんでしたが、世間的な解釈としては「Xで没になった曲への追悼」っていうのと「脱退したTAIJIに向けたもの」というのがあるみたいです。ぜ、全然違うじゃん…(^^;;。私の解釈ってすごく一般からズレていたのね…(笑)。

音はとてもヘヴィでかっこいいです。でもフツーのヘヴィーロックと言うのはちょっと不思議な歪みみたいなのも感じます。なんでかなぁ?リズムが変わってるのかな…。

03.Longing〜跡切れたMelody〜
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

94年東京ドーム「青い夜」「白い夜」でデモテープとして配布された曲。そのあと95年8月にシングルリリースされました。デモテープはけっこうバージョンが違うんですよね。歌詞もサビのいちばん大事な部分が「live without you」だったのが「sing without you」に変更になってたり。

どっちにせよ、最初聴いたときはこの歌詞にビックリしました。だっていままでYOSHIKIはずっと「あなたなしでは生きていけない」って歌ってたんだから。93年の「Tears」ですでにその変化の予兆はあったわけですが、それにしても「明日も生きるだろう」「貴方に会えなくても」って部分と合わせてすごいビックリしましたね。なんか、ずっと泣いている子どもだったのが、一人で立とうとしているみたいな印象で、すごくきれいな気がしました。

ちなみに、変更後のsingのほうが私は好きです。歌うって言葉にさらに前向きなイメージがありました。でもって、二番の歌詞がすごく好きなんです。「I still have a longing for your memory/傷つくだけでも/心を伝えたいよ/今は……独りにしないで/降り注ぐ雨に壊れそうな夢/明日も奏でるから」っていうのが。強さ(sing without youですね)と切なさが同居してて、すごく好きです。

最初に書いたとおり、このアルバムは涙腺刺激されがちなんですが、最初の波はこの曲(笑)。

04.Rusty Nail
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

94年7月にシングルリリースされた曲。ドラマタイアップを持ってましたね。賀来千香子主演で、それまであんまりドラマタイアップに慣れてなかった私はRusty Nailを聴くとふと彼女の顔が浮かんでしまうという状況にちょっとむっとして、一回目しか見なかったのでした。あとから聞いた話ですが、ドラマの〆切にレコーディングが間に合わず、予告のときはまだギターが入ってない状態で流れていたという話でした(笑)。

「WEEK END」の第二章、という話でした。曲調もWEEK ENDと同じくXにしては聴きやすいほうだと思います。最初に聴いたときは「えっ?」って思ったぐらいポップに感じました。ライブではオープニング曲として定番になりましたね。SEの「AMETHYST」が終わったところで、キーボードがチャラリラ〜って入ってくるという。あと94年年末のSUPER LIVEが30日で。ドームに中継が入ったんですね。それでこの曲を演奏しました。あとでビデオを見てなにやらすごく嬉しかった記憶があります。

間奏でYOSHIKIが詞を朗読してるんですが。それはいままでもいっぱいやってることですが、この曲は朗読にリズムがついてたんですよね。それを聴いて「こいつ、小室みたいにいつか歌い出したらどうしよう…」とかちょっと思いました(笑)。でも、冗談は置いておいて、このパートは多分「YOSHIKIの歌」なんだろうなぁと思ったり。

05.White Poem I
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

アレンジからギターからベースからプログラミングから、全部YOSHIKIが一人でやってます。TOSHIのボーカルもすごい大胆にエフェクト処理されてまして、イメージは女性の声だったらしいです。

このアルバムはこの曲と次の「CRUCIFY MY LOVE」がとにかく重くて…。いままでのアルバムでもYOSHIKIはずっとつらいと言い続けてきたわけですが、このアルバムではその苦痛に対してもはや暴発もしないんですよね。つらいと叫ぶこともしない。疲れ果てたような静かさで、ただつぶやいているっていう。「Tell me why/Tell me why/Tell me why the wind is so cold」「Tell me why/Tell me why/Tell me why I feel so blue」ってエフェクト処理されたTOSHIの声が、細く細く歌っているという。

この中盤の二曲はどちらもバンドがまったく参加してなくてYOSHIKIとTOSHIしかいなくて。このパートはひたすらYOSHIKIの孤独の苦痛のパートです。93年に「Tears」が成立して、94年末の段階では「DAHLIA」「Longing」「Rusty Nail」が成立してたんですが…多分この2曲はそのあとに書かれたものだと思います。Tearsを書いたときにはつらくても進める気がしたのに、生きていこうと言えたはずなのに…また見失ってしまったのかなと思います。本当このパートは聴いているとつらくって、当時のYOSHIKIが痛々しくて泣けてきます。

(ただし、DAHLIAは94年末とは歌詞が大幅に変更になってますし、「REALITY」ではあるけれども「YOU CRY IN REALITY」ですので…多分その後のYOSHIKIの状況を受けて内容が変わっている気が。今のDAHLIAはたぶん「傷だらけで泣きながら、でも現実にいる」っていう曲になっているのではないかと思います)

06.CRUCIFY MY LOVE
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

「White Poem」のトークを書いたあとにこの曲の詞をしみじみと読みながらしみじみと聴いていたら、本当に泣けてしまった(笑)。こんなものすごく暗くて先行きのない曲なのに、私はものすごく偏執的に好きな曲なんですけど…。

96年8月にシングルリリースされてますが、その時期にはアルバムのレコーディングは終了していましたから、いわゆる普通の先行シングルです(このアルバムは大先行シングルが大量だから(笑))。でも実は、95年の東京ドームの前ぐらいかな。何のアナウンスもなくいきなり日石ZOAのCMソングとして、すごく美しいピアノとTOSHIの声が聞こえてきまして。もうひっくり返るほど驚いて、そんではじめて聴いたときからこの曲が大好きで大好きで、あのたった15秒を聴くためにビデオに録ったCMを何度も何度も見返しました。曲の静かさと、ファンがまったく存在さえも知らない曲が突然CMソングになっているという状況がリンクして…なにかXがいままでと違う!みたいな印象もありました。普段Xってなにするにも先に風呂敷広げて「どーだっ!」って感じで出してくるので…この曲の密やかさっていうのはXとしては本当初めてのことだったと思うし、特殊なことだったと思います。

この曲に至ると、YOSHIKIはもうつらいとつぶやくこともしません。詞はかなり抽象的に書かれていて、いろんな意味で取れてしまいますし、具体的になにを歌っているのかははっきりとはわからないんですけど。けれどここにあるのは多分、自虐と、そして絶望だと思います。と言ってもYOSHIKIが全部に絶望していたとは思わないんですが…でも、やっぱりYOSHIKIのある部分がある時期、希望を見失いかけていたのは…確かだと思うんですね。このとき、彼はものすごく孤独だったんだと思うのです。もう人に「つらい」と訴えることもできないぐらいに。全部背負って一人でL.A.にいて、でもそれも自分で選んだことで自分がやるしかなくて…。この時期YOSHIKIはどうしようもなく迷っていたと思うし、同時にどうしようもなく孤独だったんだと思います。そういう曲に聞こえます。

07.Tears
 word:白鳥瞳&YOSHIKI/music:YOSHIKI

もう何度か話に出てきちゃってますけど、93年11月にシングルリリースされました。白鳥瞳が出てきた最後の曲で、最初で最後の共作。DAHLIA収録曲の中でいちばん最初にあった曲ですね。そもそもは92年の紅白歌合戦のテーマ曲として作曲されたもので「Tears〜大地を濡らして」というタイトルがついていて歌詞も内容も全然違いました。YOSHIKIがNHKホールのパイプオルガンを弾いてましたね。和田アキコさんとか北島三郎さんとかが歌っていて、なんか拝見していてちょっとすごいものがありました(笑)。

白鳥瞳とYOSHIKIっていうのは、まぁ単純に言ってポジティブとネガティブだったわけですが、それがこの曲で共作を行い、これを最後に白鳥瞳が消滅しました。白鳥瞳は「オルガスム」とか「X」とかの頓狂なぐらいに破壊的なパワーあふれる詞を書く人だったわけですが、Tearsの詞はすごくきれいで「どこが白鳥瞳?なんでわざわざ共作?」と私は当時すごく不思議に思っていました。でも、今は私なりの解釈としては、おそらくYOSHIKIは白鳥瞳の力を借りることで、語りの言葉を、意志を、自分のカオスのなかから引き出したのではないかと思っています。多分「希望」として。そしてこの曲でYOSHIKIと白鳥瞳は統合されたのではないでしょうか。白鳥瞳だけじゃなくて、ART OF LIFEで徹底的に書かれた人格分裂はここで終止符を打っていると思うんですけど。統合されてなくても、少なくとも詞の素材としてはここで終わっていると思う…。

お父さんに宛てた曲だと、YOSHIKIがはっきり言っている曲でもあります。YOSHIKIはこのときまで「愛」という言葉を使いつつも、ずっと苦しい悲しい痛いと言い続けていて。多分それは捨てられたと思った子どもの寂しい悲鳴だったんだと思うのですが…この曲はすごく愛情にあふれていますね。悲しいけれども、優しくて強くて。アルバム「DAHLIA」は本当はこの、悲しくて優しくて強い意志で終わるはずだったそうですが…結果的にはそのあともYOSHIKIはいっぱい傷ついていっぱい苦しんで時間が経って。「CRUCIFY MY LOVE」などを加えて、DAHLIAは変わりました。Tearsの希望が傷ついていく過程は本当悲しくて切ない姿だったけれど…Xはそうして終わっていったから、その時間の流れが本当切なくてしょーがなかったりするんですが…それでもこの希望は傷だらけになってもYOSHIKIのなかで消えないし(CRUCIFY MY LOVEのあとにこの曲があるっていうのはそういうことだと)。CRUCIFY MY LOVEも悲しくて痛くてしょうがない曲ですが、それはとても密やかではかなくて美しくて私の心を揺さぶったりする。それはやっぱり、すごく素敵なことなんじゃないかなと…。

08.WRIGGLE
 music:HEATH&PATA

短いインスト曲。打ち込みとギターの曲。実は7曲目のTearsがこのアルバム最後のバンドサウンド曲で、この曲はHEATHとPATAのふたりで作っています。演奏もふたりだけですね。HEATHが持ってた曲をいろいろYOSHIKIが聴いて「この曲がいい」ということで収録されたみたいです。ていうか、もともとHEATHの曲を収録するということ自体YOSHIKIの意向だったようです。全員参加してほしいという。…突っ込むと痛い部分ですが、やっぱどっか歪んでますわね、このバンド…(^^;;

HEATHらしい曲ですね。HEATHの曲は、打ち込み多くて音色とかの路線はHIDEちゃんとかとも近いんですが、HIDEちゃんよりはぶっきらぼうな感じがするかなぁ。でも音色の傾向から行くと、どっちかっていうとHIDEちゃんの曲がポップなんでしょうけども。

09.DRAIN
 word:HIDE&TOSHI/music:HIDE

この曲のクレジットも、見ると3人しか参加してません。ボーカルTOSHI、ギターHIDE、ベースHEATH。打ち込み中心のへヴぃーなロックで、その後zilchのアルバムにも歌詞を変えて収録されてます。インタビューによると、「MISERY」がすでに作曲されていたらしいんですが、YOSHIKIの「悲しいアルバムにしたい」という意向で「MISERY」はパスになって、この曲になったという話。でもってこのときYOSHIKIは、物理的にドラムが叩けなかった(頚椎椎間板ヘルニアを発症していた)ので、打ち込みになっていると。…なんだかもうズタボロな感じですね。

HIDEちゃんカラーがとても強い曲。アルバム聞いたときは新曲ってこの辺しかなかったわけですが、すごくビックリしました。なんだかXにしちゃずいぶんスマートにかっこいい曲だわ!とか思って(笑)。この曲はかなりすごく好きでしたね。かっこいいと思います。

10.Forever Love -Acoustic Version
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

96年7月にシングルリリースされた曲のストリングスバージョンですね。頚椎椎間板ヘルニアで倒れてからの復帰第一作目だったんですよね。でも、このときは本当に復活できるのか、もうYOSHIKI自身にもなんとも言えない状況でした。実際ドラムは全然叩いてなくて(シングルのときもドラムは打ち込み)。「以前のようには叩けないかもしれないけど、それでももう一度叩けるようになりたい」と言ってましたが…。

この曲に至ってはクレジットは、ボーカルTOSHI しかありません。いえ、シングルバージョンがちゃんとバンド曲なんですけど、アルバムに収録されたのは完全にストリングスとTOSHIだけのバージョンだったのです。アルバムバージョンは本当にTOSHIの歌のためだけの曲という趣があります。YOSHIKIはもともとすごく、TOSHIの歌を大事にしている人だったけどもね。

この曲で終わるっていうのが、このアルバムの、とても美しくて悲しいところだと思います。「Forever Love」っていうタイトルからすると永遠を歌えてそうな印象になるけども…むしろ内容的にはそういう内容なのは「Tears」のほうで。「Forever Love」は希望と絶望のはざまの、祈りの曲だという気がします。「どうか永遠であってくれ、どうか行ってしまわないでくれ、どうか終わらないでくれ(駄目なのかもしれないけれど…)(永遠なんてないのかもしれないけれど…)」そういう祈りを感じます。

でもこのアルバムのなかのYOSHIKIの曲っていうのは全体にそうなんですが…感情が爆発する感じがないんですね。CRUCIFY MY LOVEのところでも書いたけど、もう人に訴えることもできなくなっていたのかなぁと思ったりします。この曲のこれだけ切実な祈りも、すごく抑えて繰り返されている感じで…それだけにいっそう切ない気がします。

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X-JAPAN「BALLAD COLLECTION」雑感

2003.08.17(Sun)

「BALLAD COLLECTION」 released/1997.12.19

タイトルどおりバラードコレクションですね。9月に解散して12月にリリースされた、この時点での唯一のオフィシャルベスト盤だった…と言っていいんでしょうね。なにせXはそれまでに4社ぐらいレコード会社と関係していたので、この時期はなんだか山のようにいろんなベスト盤(いわゆる本人不参加のやつ)がリリースされてしまったので、私はもうなにがなんだかさっぱり把握できていませんでした。今もってあのときいったいなにがリリースされていたのかよくわかりません。赤いやつとか金色のやつとか(シャアじゃないんだから…)、なんか得体の知れない物体がくっついてくるやつとかシングルセットとか、なーんかいろいろあったような気はしますが…(笑)。

この、バラードコレクションなんですが。最大のポイントは当然、「The Last Song」という新曲が収録されていたことです。

10.The Last Song
 word:YOSHIKI/music:YOSHIKI

…やっぱりここまでくると書くのがつらいです。新曲が入ると聞いて、そのタイトルが「The Last Song」と言われたときにはちょっと頭の中が白くなりました。この辺の時系列(Last Liveが発表されたのがいつだったのかとか…)は全然覚えていないんですけど…。

日本語詞部分はなんだか痛い言葉を単調に繰り返してて…痛いです。個人的には、だいたいLast Songなんてどう考えても痛そうで「つらいよ、聞きたくねぇよ」とマジで思ったんですが、その10日後にはLAST LIVEが控えていて絶対演奏されるわけで…そのときに「へぇ、こんな曲なんだ」とか間の抜けたことを思いたくないという気持ちだけでやむなく聞きました。間違いなく最初で最後の生演奏になるわけですから。それでちゃんと買ったときに聴きました。正直LAST LIVEがなかったらうちのBALLAD COLLECTIONはそれこそ4年間ぐらい封印されていたかもしれません(^^;;

とてもとてもきれいな曲で…DAHLIAのころから続いていた、感情が抑え気味になっている悲しくてきれいな曲でした。でも、歌詞はところどころ抑えきれなくなっていて、「Am I wrong to〜」辺りはすごい気がしますけど…。「終わったんだ」と客観的に見ていて次に進もうとしている部分と、なんでなんでって子どもみたいに言いたいような悲しい衝動が、混合している感じがします。でも、それを「悲しい」とうまく感じることができてないのかなぁと思ったりします。

しばらくYOSHIKIさんのそういう置いていかれた子どもみたいな悲しい姿って見えなかったんですが…この曲ではそういう彼がところどころで顔を出している気がしますね。なんとなく、この曲のYOSHIKIさんの姿って、座り込んで呆然と空を見上げているみたいなイメージです。で、ときどきわぁって感情が出るんだけど、すぐに沈静化して、また呆然として…。でもってそのまま頭の片隅で「でも立たなくちゃ、歩かなくちゃ」ってぼんやり考えているっていう姿に見えます。終わりであり始まりであるっていうテーマは頭では一応あったんだと思うんですけど…正直YOSHIKI自身がそれを実感するまえに作られた曲だったんだと思います。この曲では歩き出せていないですよね。…やっぱり悲しい曲だなぁ。

LAST LIVE以後、YOSHIKIはむしろ爆発的に(反動もあったかも)動き出そうとしてました。ちゃんとこの曲の通りに、YOSHIKIは次の章に向かって立ち上がり歩き出そうとしていたんですよね。…なんというか、この時期のことを思い出すと…泣けてしまいます。

Posted by koko at 12:00 AM | Comment (0)

EMII初聴き

2005.03.27(Sun)

買いました。いま、やっと聞いてます。一曲目、Unnamed song、いいですね。正直このアルバムは買うか買わないかギリギリまで迷っていて、試聴でUnnamed songを聴いて買うのを決めたぐらい気に入ってます。歌ってるのはドーターさんなんですかね?ドーターさんって声もっと低かった記憶なんだけど、こんな澄んだ高音も出るんですね。すごいいいです。曲最後の高音にはビックリ。

Seizeは…うーん、私、実はglobeの曲の方を意外に気に入ってましてね(笑)。メロが妙に好きなんですよ。なので、期待してたんだけど、globe版のほうが好きかも(終わってる(笑))。ああいう音でああいう繊細なメロっていう組み合わせが好きだったのかもしれないな。

Without youは…すごいですね。歌詞がちゃんとついているもんで、歌詞を見れば見るほど、歌ってほしいという思いは募りますが、やはり曲は圧倒的にすごい。私は「YOSHIKIの歌を表現するボーカリスト」としてのTOSHIには、こだわりはないほうなんですが(VUKのボーカリストの女性たちにも大変期待しています)、「Xのメンバー」としてのTOSHIにはやはりそれなりにこだわりがあるので、この曲だけはTOSHIに歌って欲しいと思ってしまう…な…。ぶっちゃけTOSHIにもう一度YOSHIKIと一緒に活動して欲しいなどとはまったくカケラも思わないし(むしろお互いのために絶対やめとけって感じだ)、帰ってこいと言い続けてるのも単にTOSHIがソロアーティストとしてもう一度一人で立って欲しいっつーだけの話だし、YOSHIKIとの関係も古い友人として普通に付き合えるぐらいになってくれれば十分なのですが…その流れでこの曲だけ歌ってくれると嬉しいなっつー感じ。

Longingは…なつかしー。
I'll be your loveはクラシックアレンジ、好きかもー。
Kimi Dake Dakaraは「えーっと…どんな曲だったっけ…?」ぐらいな(笑)。アレンジが珍しい音使ってましたね。
Red Christmasはもとがどういうニュアンスの曲なのかわからないので、まだよくつかめず。
Imawo Dakishimeteは…なつかしいけど…これがクラシックになる不思議…(笑)。元のイメージがすっかり記憶から抜け落ちて、曲だけ知ってる感じになってるせいか、違和感も持たず聞いてしまう自分も不思議…(笑)。
Forever Loveは、これコンサートでやったやつだよね?あの、途中ではいるシャンシャンシャンという鈴にすごい聞き覚え感あり…(笑)。

ANNIVERSARYは、よく収録してくれたという感じ。私はまったく音源として手元に持ってなかったんで。いやあ、この曲は本当盛り上がりがすごくて、鳥肌が立ちます、本当に。こんなの奉祝曲でええんかという感じではあるけど(お祝いっつーかなんつーかものごっつい重厚よね…)。でも、私は、これは、YOSHIKI曲のなかでも、すんごい好きな曲です。

個人的には、音源がいままでなかった曲だけあれば満足って感じの内容ですが、ANNIVERSARYとWithout youだけでもこの金額を出した甲斐があったなという感じです。

Posted by koko at 03:04 AM | Comment (0)

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