Under the Sun

Archive/July 2004

ご無沙汰です。

[TOSHI関連雑記] 2004.07.11(Sun)

が。懲りずに同じことを言いにでてきました(苦笑)。全然別のところで「いや、だからさ…」と言いたくなるような文章を拝見したもので。
まったくTOSHIとは関係のないサイトさんで、こんなところからリンク張られても迷惑なだけなのでリンクは張りませんが、大好きなサイトさんなんです。更新されるたびに通ってて、全体としての主張にはとても共感しているんですが…
前々からSMAPの「花」に関してだけは、真逆の意見なんです(笑)。
ってあちらさまはこんな辺境サイトのことは知りませんから、一方的に真逆だと思っているだけなんですが(笑)。

詳しくは書く時間がありませんし、繰り返しになるだけだから、簡潔に。
確かにいまの世界は癒しを求めているのだろうと思う。だからこそ花があれほど売れたのでしょう。そして、その癒しっていうのは、いま、「あるがままの自分を肯定する」という形を取って出てきているのでしょう。
私は、ぶっちゃけ世界が競争社会からそういう社会に変貌しつつある…というのなら、それはそれでよいと思います。
大本の意味では、「あるがままの自分を肯定する」という言葉の内容自体には反対はしてません。というよりも積極的に肯定しているし、そもそも私は本来そういうスタンスの人間なんです。

けれど、それは、表層的な「競争をなくすべきだ」とか「社会の階級を無くすべきだ」とか「観念を植え付けちゃいけない」なんて方向に発動するようなものではないはずです。
たとえば「負けず嫌いな自分」も「勝利に喜ぶ自分」も「ありのままの自分」ではないのですか?「褒められて嬉しい自分」も「ありのままの自分」ではないのですか?
「そういった感情を植え付けられる教育が悪い」とHOHなどは言うのですが、私からすれば、そういった感情があることも知ることもできないような閉ざされた環境で一方向に育てられるほうが、はるかに恐ろしいです。自分がそもそもそういう選択肢があることも知らずに生きていくかと思うと。

たしかに、TOSHIが育った頃の社会は、あまりにも一方向に向きすぎていたのでしょう。高度成長期ですもんね。それは理解します。それはやはり偏っていたと思う。そのなかで「ありのままの自分でいい」と言えるまでが大変だったという状況は理解します。
けれど、だからと言って、そういう方向を一切排除するHOHの言う世界は、同じ地平線上で逆方向に恐ろしい世界なわけですよ。
どっちも教えてもらわないと、そしてその上で生き方を選択させてもらえないと、困るわけです。

花もTOSHIも同じ罠が仕掛けられているような気がしてなりません(花は無自覚でしょうが)。
「ありのままの自分でいい」ということを実感するために、他の生き方を否定する、というね。
それは根本的に「ありのままの自分でいい」という言葉の本質を否定してしまいますよね。
「No.1にならなくてもいい」のは事実です。でも、「No.1になってもいい」んです。それはまったく等価のはずです。No.1になることを否定する必要はないし、否定したらおかしい。それぞれの価値観にしたがって行動すればよいだけの話です。
TOSHIが言ってることは、他者に対しての「存在の否定」なんです。競っている人たちのあり方を否定したら、その段階でTOSHIが槍玉に挙げる「競争に負けた人たちを認めない社会」と同じ穴の狢です。

ポイントはそれぞれがそれぞれの価値観を認め合えるかという一点にかかっていて、価値観そのものについてうんぬんされるいわれはないわけです。それぞれの価値観を認め合えるなら、おのずと「ありのままの自分を肯定」することになるはずです。「これが自分だ」「これが自分の生き方だ」と肯定できますよね?

TOSHIは「生き方」の啓蒙をしていますが、それ自体はまあ構わないのですが、啓蒙をする際に常に「他の生き方を否定する(他の生き方をしてきたが、つらかった。死にたかった等々)」という方法を使っています。これが、ダメなんです。HOHなんかは他の価値観を「観念」という言葉で完全否定、存在抹消するわけです。とんでもない話ですよ。
そんでもって、この方法論でもって「世界がひとつになれば」ですからね。恐ろしいことこの上ないです。

ミスチルの掌って曲があったじゃないですか。あれがこの辺の感覚に関してわかりやすいと思うです。
あの曲は、道筋は見えていないなかでも、本当の意味での(…ああ、HOHっぽい言い回しだな…いやん)「世界がひとつになれば」という希望を歌っている歌だと思います。だからこそ「ひとつにならなくていいよ」と歌っている。
この詞と比べると、TOSHIの言う「世界がひとつになれば」がいかに問題があるか、怖いことか、如実に見えてくるように思うのですが。

…さぁ、どこが簡潔だったのでしょうか(笑)。ごめんなさい(^^;;。

Posted by koko at 04:19 AM | Comment (0)

インデックス

→TopPage

カテゴリー

アーカイブ

検索



Powered by
Movable Type 2.661